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G383のしらべ
中国はとても広い国です。そして、実に多くの花崗岩採石場があります。見た目の似た石も数多くあるので、中国産の御影石はGで始まる数字で表されることが一般的です。
Gは英語で花崗岩を表すGranite(グラニット)の事です。「G383」は優しい風合いの御影石です。
「G383」の原産地
中華人民共和国の山東省には14の地級市があります。その中の煙台市は山東半島の中ほどを占めています。地級市の下に県級市と言われる自治体があり、煙台市の中に七つある県級市の一つ龍口市(ロンコウ)に「G383」の採石場があります。
黄海の奥にある渤海に面していて、元々この地にあった、山東省の中でも主要な漁港である龍口港の名前が、黄県が県級市に昇格した時についた名前です。
豊富な水産資源があり、多くの魚やエビ、タコなど、新鮮な魚介類や水産加工物の特産品があります。特に桑島の周辺で獲れるナマコは有名です。
農産物も豊富で、清の時代に遡る事の出来る梨やワイン用の高品質のブドウ、リンゴなど、果樹の栽培が盛んに行われています。
地下資源にも恵まれ、石炭や蛍石、石灰岩、花崗岩などの採石や、鉛や亜鉛の鉱山もあります。特に石炭の埋蔵量は膨大なものがあります。近年では先端技術を扱う産業が盛んになり、山東省はもとより、中国国内でもトップクラスの科学技術産業の集約地域となっています。
「G383」の特徴
御影石の「G383」は、グレーの地色に薄いピンクの大きな結晶が入っています。その為に、この御影石はグレー系とピンク系の両方で紹介される事があります。
基本的には、薄い灰色の中にピンクの比較的大きな塊があり、その周りを白い塊と黒い粒が囲んでいるように入っています。他の御影石でも同じことが言えますが、それぞれの含有鉱物の大きさによって雰囲気が違ってきます。
ピンクの結晶が大きく、たくさん入っているものは、正にピンク系の石です。しかし、結晶が小さく、グレーや白の部分と同じくらいの量であった場合には、全体的に砂の様なグレーの石に見えます。
黒い粒子が多く入っているものは、色も濃く見えるようになります。本磨きと言われる、表面を鏡のように磨き上げるような加工の石では、ピンクの結晶に透明感があり、特に大きな結晶がたくさん入っているものは、石全体に奥行きがあるように見えます。
「G383」を取り扱う時の留意点
名称
中国産の御影石はGで始まる番号で表される事が基本となっています。管理する上ではとても良い事ですが、商品としては魅力に欠けると言えます。その為、様々な別名や通称が付けられている御影石がたくさんあります。
「G383」も、白玉花やパールフラワー、採石場のある龍口市の特産品である梨の花が薄いピンク色をしていることから、梨花石など、複数の名前が付けられています。
このような通称は、中国国内の他の地域で採石される御影石にも付けられる事があります。似た色や柄の石になると、尚更同じ名前になる事があります。採石場の場所や、Gで始まる番号を確認するとよいでしょう。
サビについて
薄い色の御影石の弱点にサビが目立つ事が挙げられます。御影石は風化や劣化に強い石材で、屋外でも利用されます。
しかし、全く吸水しないわけではなく、目に見えないほどの隙間があり、そこから吸水する可能性もあります。水が入ると石に含まれる鉄分によってサビが出る事があります。
また、ホコリなどによっても、茶色や黄色っぽいシミが出る事があります。特によく磨かれた鏡面加工のものは、サビやシミが目立つので、注意が必要です。
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
「G383」に適した製品
お庭に
最近は、一般家庭で日本庭園のような庭はあまり作られません。昔は石の灯篭や手水鉢などが置かれていましたが、このような庭はお手入れが大変で、職人に頼まなければできない事もありました。
近年ではガーデニングを楽しむ人が増え、自分で庭を美しく整えるための様々な物が作られています。その素材の一つに挙げられるのが、「G383」です。
敷石や飛び石に使える石板や、花壇の土止めにピンコロと呼ばれるサイコロ状の石材が利用されています。「G383」は優しいピンクの色合いもあるので、花壇などに使うにはちょうど良い素材と言えるでしょう。
環境石材として
環境石材と呼ばれるものがあります。これは、駐車場の車止めや、公園などに車両が侵入しないように出入り口に設置される、小さい柱など、屋外の様々な場所に利用される石材の事です。
道路や川に架かる橋の欄干に続く、親柱と呼ばれる部分には御影石がよく使われています。
また、記念碑などの石碑やモニュメントにも使用されています。
「G383」は程よい存在感があり、その色合いは目立ちすぎないので、設置される場所の雰囲気を壊すことも少ないでしょう。
「G383」のまとめ
御影石は風化や劣化に強く、化学作用にも比較的耐性があるので、屋外での使用も多い石材です。中国産の御影石は価格も低めの物が多く、気軽に利用できる石と言えます。「G383」は、優しい風合いのある石なので、一般家庭の庭や公共の公園などの環境を向上させ、景色を彩る良い材料となることでしょう。広い中国の中でも海に面した龍口市は、世界規模で言うと、とても近い所です。
輸送距離も近いので、「G383」を活用できるシーンはもっとたくさんある事でしょう。
参考価格(㎡単価、消費税別、運賃別)
本磨き、ジェットバーナー仕上げ共
300角…5000円
400角…5000円
300×600…5000円
2022年12月のしらべ
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