マルケス・デ・リスカル(Marques de Riscal)

「マルケス・デ・リスカル」のご紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨーロッパには観光地などなにも無い場所に五つ星のホテルがあることがあります。上質なワインを作るためのブドウ畑が広がる地で、静かに休養するための質の高いホテルが存在しています。「マルケス・デ・リスカル」は、周囲で育つブドウの樹と実の色を備えた、スペインの片田舎に建つ最上級のホテルです。

 

 

「マルケス・デ・リスカル」の設計者

フランク・オーウェン・ゲーリー(Frank Owen Gehry)

アメリカのロサンゼルスに本拠地を持つフランク・オーウェン・ゲーリーが「マルケス・デ・リスカル」の設計者です。若い頃は家具の設計、デザインを手掛けましたが、出資者と意見の食い違いによって成功には至りませんでした。有名になったきっかけは、お金の無かった彼が、工業用の安い波板や、金属フェンスなどの材料を使い、思いのままに自宅の修繕や改装を行ったことです。
二十世紀初頭に建てられた二階建ての家を、1979年に当時としては奇抜な形に改築しました。どのような分野でも先駆者と呼ばれるような人は、最初は社会になかなか受け入れられないようです。彼が改装した家も初めは奇想天外なイメージしかありませんでしたが、次第に注目を浴びるようになりました。サンタモニカにある「ゲーリー自邸」は、彼の建築家としての原点であり、世界的に活躍するようになった出発点だったと言えます。高齢者と言われる年齢になった今でも、エネルギッシュな活動をしています。

「マルケス・デ・リスカル」の所在地

スペイン王国の北部、ラ・リオハ州アラバ県のエルシエゴと言う小さな町に、ホテル「マルケス・デ・リスカル」が建っています。周囲をブドウ畑に囲まれ、複数のワイナリーがあり、世界的に知名度の高いワインが作られています。特に赤ワインが有名で、スペイン国王が選んだワインを貯蔵する専用のワインセラーもあります。良質なワインを作るための原料になるブドウの育成に適した温暖な気候と土壌があったことが、この地をワインの名産地にしました。十九世紀に確立されたブドウの栽培方法とワインの醸造方法で、現在もワインが作られています。この町で作られているのは、世界的に威厳のある様々な賞も受賞している「マルケス・デ・リスカル」と言う名前のワインです。この地域で栽培されたブドウを使用して醸造されたワインは、国が産地を保護している品種の一つで、その中でも最高品質を保証する産地でもあります。

 

 

「マルケス・デ・リスカル」の特徴

「マルケス・デ・リスカル」は、この地のワイナリーを運営する会社が手掛け、2006年に開業した五つ星ホテルです。そのため、有名なワインと同じ名前が付いていて、ホテルの隣の敷地にワイナリーがあります。
金属的な光沢を持つ、煌びやかなリボンが風になびくような外観が特徴的です。この外観は、スペイン北部の大都市に建つ美術館と同じ技法が使われています。緑豊かな田園の中に、突然現れるブリキのおもちゃのような建物が目を引きます。波打つメタリックな屋根が印象的で、晴天の空を写して青く、曇天の日には白く、夕日に映えて燃えるような金色に見えます。無機物で出来ている建物ですが、生き物のようにお天気や時間によって様々な表情を見せてくれます。
夜は田舎だからこそ周囲が暗く、照明を点けた「マルケス・デ・リスカル」は浮かび上がるように、しかし周りに溶け込んで一枚の絵の様です。屋根部分はチタンの板で覆われていますが、目を引く外観の為だけでなく、南欧の強い日差しを遮る目的も兼ねています。金属的な外観を自然の風景と溶け込ませるように、建物自体は地元で採石された石材がふんだんに使われています。また、一部の屋根はこの地で育つブドウを模した色に染められています。このようなホテルで良いワインと共に静かな時間を過ごすことは、最上の休暇になるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マルケス・デ・リスカル」のまとめ

ヨーロッパは古い歴史の中で様々な王朝や帝国などが、興っては衰退してきた事実があります。いろいろな文化も反発したり、融合したりして現在に至っています。しかし、人口の少ない田舎では昔からの佇まいを残す場所もたくさんあります。
その中においてインパクトの強い建造物を作る事は、一種の冒険ではないでしょうか。いつの時代も、新しいことは珍しいものですが、いつの間にか馴染んでくるものです。「マルケス・デ・リスカル」も、すでにこの地の風景になくてはならないものになっているようです。

 

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