静岡県富士山世界遺産センター(Mt. Fuji World Heritage Centre、Shizuoka)

「静岡県富士山世界遺産センター」のご紹介

富士山は日本が世界に誇れる美しい山で、世界遺産として登録されたのが2013年です。古来より霊峰とあがめられ、その美しい山体は和歌や浮世絵など日本文化を育む最高の素材でもありました。富士五湖や浅間大社に始まる複数の神社、多くの湧き水など富士山を中心とした広い範囲が世界遺産として認定されています。世界遺産としての富士山周辺の学術研究や広く知らしめること、後世に伝える役割を担って建設されたのが、「静岡県富士山世界遺産センター」です。

「静岡県富士山世界遺産センター」の設計者

「静岡県富士山世界遺産センター」のデザインと設計を担当したのは「坂 茂(ばん しげる)」です。1957年に東京で生まれました。小学校の頃からラグビーを始め、高校時代には毎年冬に花園ラグビー場で開催される、全国高等学校ラグビーフットボール大会にも出場しています。現在でも彼はスポーツマンの風貌があります。中学時代から建築に興味を持ち、高校時代に知った建築家やアメリカの教育機関に惹かれるようになりました。高校卒業後に渡米して、英語を学んだ後に、カルフォルニアの大学で建築を学んでいましたが、約2年後に憧れでもあったニューヨークのクーパーユニオンに編入しました。彼は少数派や立場の弱い人々が住む所の問題に強い関心を持っています。例えば、災害にあって避難している人々や、戦争などで難民となってしまった人達に安心して住める場所を作ることです。この問題は住めれば良いという事ではなく、居心地の良さも考慮されなければいけません。素早く建設出来て、無駄のない、環境にも負担を掛けないと様々な問題をクリアしながら、仮設住宅や避難場所の質を高める居場所を作っています。素材も紙や布など、すぐに使うことのできる物を使い、物流に使われるコンテナも利用されています。彼のこのような活動は世界中で評価され、様々な賞を受賞しています。

「静岡県富士山世界遺産センター」の所在地

「静岡県富士山世界遺産センター」は静岡県富士宮市の市街地に建っています。浅間大社境内にある、富士山からの湧き水が出る「湧玉池(わくたまいけ)」を水源とする神田川のそばです。富士山には県境や自治体などの明確な境界が無い場所もありますが、富士山の南西に広がる街が富士宮市で、北東に四季折々の美しい富士山の姿を見ることが出来ます。この街の名前は、平安時代の頃からある名称で、富士山と浅間大社を始めとする複数の神社を指す「宮」を合わせて付けられたようです。1942年に大宮町と富丘村が合併して富士宮市となりました。市章は5つの富士山の形をあしらったものが使われています。主な産業は、富士の西側に広がる朝霧高原での酪農や、清らかで豊富な地下水を利用したワサビの栽培や、ニジマスの養殖が行われています。また、製紙業は古くからこの地域の産業として重要な役割を果たしています。観光地も多く、富士山に由来する富士山本宮浅間大社をはじめ、複数の霊峰富士を祀る神社があり、富士五山と呼ばれるお寺があります。他にも多くの景勝地があり、白糸の滝に代表されるいくつもの美しい滝を見ることが出来ます。

 

「静岡県富士山世界遺産センター」の特徴

「静岡県富士山世界遺産センター」の外観で一番目に付くのは、富士山を逆さまにしたような造形物ではないでしょうか。富士山に関する様々な事柄の展示や研究を行う博物館でとして、2017年に開館しました。建物の東側に地下水を使った池のような水盤が作られていて、風の無い日には逆さまの円錐が水に映り、正に富士山の様相を見せてくれます。富士五湖などに映る逆さ富士を逆にしたような形になっています。この部分の内側は螺旋を描くスロープになっていて、5階まである各展示ホールを富士登山になぞらえて登るようになっています。外側は、格子細工を引き延ばしたような装飾が施されています。下の方は密になっていて、上に行くに従って隙間が大きくなるひし形を描いてます。この網目模様を描き出しているのは、ヒノキで作られた格子です。上に行くに従って広がる形になっているので、ヒノキ材をクロスしたように組んだパーツを一つずつ組み合わせて作り上げられています。使われているヒノキは全て静岡県産で、屋外側は風雨に晒されることもあり、十分なコーティングが施されています。夜間には下から照明が当てられて、水に映った姿と共に昼間とは違った姿を見せてくれます。イベントや季節によって様々な色にライトアップされています。

「静岡県富士山世界遺産センター」のまとめ

「静岡県富士山世界遺産センター」の前に作られた水盤の道路側には、浅間大社の一之鳥居が建立されています。お天気の良い日には、この鳥居から美しい富士山の姿を拝むことが出来ます。また、屋上には、富士山から噴出した溶岩が敷き詰められている所もあり、最上階から眺める街の向こうにそびえる富士山の素晴らしい眺望も得ることが出来ます。「静岡県富士山世界遺産センター」は、屋内の展示物や研究は元より、屋外も富士山を最大限意識した施設となっています。

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