ESO ホテル(ESO Hotel)

シェアする

「ESOホテル 」のご紹介

世界で一番不毛な土地が南半球にあります。アンデス山脈と太平洋の中間にある砂漠は、降水量が極端に低い地域です。しかし、水分が無いことが幸いする研究もあるのです。そんな過酷な土地で働く人々に憩いを提供しているのが、「ESOホテル 」です。

「ESOホテル 」の設計者

アウワー+ウェーバー・アーキテクテンは、フリッツ・アウワーとカロル・ウェーバーが中心となっているドイツの建築事務所です。フリッツ・アウワーは1933年ドイツの南西にあるテュービンゲンで生まれました。ドイツの大学で建築を、アメリカで美術を学びました。カロル・ウェーバーは1934年ドイツの西にあるザールブリュッケンに生まれ、ドイツの大学を卒業後フランスに留学しました。彼らは共に大学で建築やデザインの教鞭をとりながら、共同で開設した建築事務所の運営を取り仕切っています。現在は、ドイツ国内に二か所のオフィスを構え、多くの優秀な若手建築家と様々なプロジェクトに参加しています。

フリッツ・アウワー

カロル・ウェーバー

「ESOホテル 」の所在地

南米のチリ共和国の北部にアタカマ砂漠があります。アンデス山脈と太平洋の間にある盆地状の砂漠で、南北は約1,000km、東西は平均160kmの細長い地域です。世界で最も乾燥した場所として知られ、40年の間降水量がゼロの地点もあります。このような不毛の土地ですが、湿度が非常に低く、標高も高いこの場所は天体観測をする上で最高の条件を持っています。地上からの天体観測を行う世界でも有数の地点で、ヨーロッパや日本の天文台もあります。また、地下資源が豊富なところでもあり、特に最近は需要の高いリチウムが多く、世界最大の埋蔵量を誇っています。他には、ナスカほどではありませんが、多数の地上絵も存在しています。

「ESOホテル 」の特徴

砂漠に埋もれているような、平たく見える建物です。シンプルなデザインで、砂漠に溶け込むような赤褐色の色をしています。若しくは、砂漠から出てきた要塞にも見えます。2002年に完成した「ESOホテル 」は正確にはホテルではなく、天文台で働く研究者や技術者のための保養施設です。ヨーロッパ14か国と、ブラジルが共同で運営している欧州南天天文台のパラナル天文台のすぐ近くに建てられました。不毛な外部とは打って変わって、中には南国の植物が生い茂る庭や、プール、サウナ、図書館などの設備が整っています。「火星の下宿屋」とか「天文学者のオアシス」などと呼ばれることもあります。

「ESOホテル 」のまとめ

残念なことに、「ESOホテル 」は一般的なホテルではなく、欧州南天天文台が管理、運営している施設なので、観光客などは泊まることはできません。特定の人達だけが使うことを許されているのです。しかし、このような厳しい条件の下で働く人々に憩いの場を提供することは、とても大事なことではないでしょうか。この「ESOホテル 」は映画にも使われたことがあります。かの有名な「007」シリーズの中で、イメージが悪役のアジトとしてぴったりだったので登場させていたようです。最後には爆破されたのですが、当然それは模型で撮影されました。