チバウ文化センター(Tjibaou Cultural Center)

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「チバウ文化センター 」のご紹介

南太平洋に浮かぶ美しい島の山中に、自然物と見間違えそうな建物が建っています。この島に古くから住んでいる人々の文化を、後世に伝えるために作られた「チバウ文化センター」をご紹介します。

「チバウ文化センター 」の設計者

イタリア人建築家のレンゾ(レンツォ)・ピアノは、1937年イタリア北部の街にある建設業の家に生まれました。祖父、父共に建設業に携わる中、小さい頃からいわゆる大工道具に囲まれて育ちました。優れた建築家になる基盤がここにあったようです。大学でデザインや建築を学び、著名な建築家の下で更に知識を増やしました。自らをアルティザン(フランス語で職人と言う意味)と呼んで、建築に対する既成を破るような作品を作り出しています。既製品の材料が無ければ、自分で作ってしまうような事もやってのけています。また、作る建造物によっては建築関係者だけでなく、当該の建物に関する様々な知識を持っている人たちと情報を共有、協力して作ります。例えば、「チバウ文化センター 」は人類学者と協力して出来上がった建物です。

「チバウ文化センター 」の所在地

南太平洋に浮かぶ群島のニューカレドニアは、「天国に一番近い島」と呼ばれる島々で、オーストラリアの北東に位置するフランスの領土です。この島々は太古の大陸に端を発しているので、固有の生物が存在しています。リゾート地として有名な島々ですが、鉱物資源が豊富でニッケルやコバルトを産出しています。埋蔵量がとても多く、世界でも上位に入っています。ニッケルはステンレスの製造に欠かせない素材であり、現代では需要の高い各種の電子部品を作るためにも必要な鉱物です。日本に輸入されるニッケルの約半分はここから掘り出されています。

「チバウ文化センター 」の特徴

「チバウ文化センター 」はニューカレドニアの本島にあります。いくつかの島で構成されている地域の中で、本島だけは山勝ちな地形になっています。山々の中に突然現れる未来都市のような建物でもあり、自然の中に溶け込んだオブジェのようでもあります。この島の先住民族である「カナック族」の伝統や文化などを紹介する複合施設で、1998年に開館しました。「カーズ」と呼ばれる伝統的な家屋の形を模した複数の建造物で、これからも発展していくことを願って、未完に見えるように作られました。1年を通して気温があまり変わらない温暖な島なので、空調設備を備えず、自然の風が通るような設計になっています。外観も設備も自然と一体化した建物です。

「チバウ文化センター 」のまとめ

ニューカレドニアの民族独立運動の指揮をとった「ジャン=マリー・チバウ」の名前を冠した文化センターは、カナック族の伝統と文化を示し、明るい未来を願って建てられました。近い将来には、今のままフランス領でいるのか、独立国となるのかの住民の意思が示されることになっています。いずれにしても、「チバウ文化センター 」はこれからの島の人々と自然を静かに見守っていくのではないでしょうか。