WoZoCo

「WoZoCo」のご紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

高齢者専用の集合住宅と聞いて、およそイメージしないであろう外観の建物がヨーロッパの街に建っています。
とてもカラフルで、何よりも奇想天外な建物です。Woon Zorg Complex(高齢者用複合住宅の意)の頭文字を取った「WoZoCo」をご紹介します。

 

「WoZoCo」の設計者

オランダのロッテルダムに本拠地がある、世界的に名高いMVRDVと言う建築家グループが「WoZoCo」を設計しました。設立間もない頃の作品と言える建物ですが、この集合住宅を手掛けたことがMVRDVの名前を一気に高めました。彼らの手法は、当該建築物を作る為の要求や予算、また建築に関する法律など全ての要因をデータ化して、可視化したものをそのまま利用すると言う方法を使っています。

特に要求と法規制がぶつかる事が多いようですが、そのどちらの条件も満たすことを考えます。そのため外観がとてもユニークな物になったり、風変わりなものになったりしているようです。わざわざ目立つ建物を作っているわけではなく、なるべくしてなった建築物が出来上がっているということです。「WoZoCo」の建築に携わってからは、世界中で活躍する場も増え、建築界での各種の賞を受賞することも増えています。

 

ヴィニー・マース

 

ヤコブ・ファン・ライス

 

ナタリー・デ・フリース

「WoZoCo」の所在地

「WoZoCo」はオランダ王国の首都アムステルダムに建っています。アムステル川をせき止めて作られた街と言う事から、この街はアムステルダムと名付けられたようです。小さな漁村だった場所が、地の利を使った海運業で栄え、一時は世界貿易の中心とまで言われた都市になりました。以前は北海に通ずるゾイデル海に面した土地でしたが、高潮や高波によって多くの災害が引き起こされていました。現在は、20世紀の初めころから始められた、干拓事業や災害防止を目的とした大堤防によって海とは隔てられた複数の人口湖になっています。アムステル川から引き込まれた、大小百五十以上ある運河が中央駅を中心に網目状に広がり、「北のヴェネツィア」とも呼ばれる水の都になっています。運河周辺には中世の栄華を誇った豪商などの建物等が残り、遊覧船での運河めぐりが楽しめます。

また、ゴッホやレンブラントと言った素晴らしい芸術家を輩出していることから、数多くの美術館や博物館があります。一年を通して寒冷ですが、極寒になることがあまりないので過ごしやすい気候の地域です。このような条件が整っていることで、世界中から多くの観光客が訪れています。

 

 

 

「WoZoCo」の特徴

「WoZoCo」は、100戸の老人用集合住宅と言い、「OKLAHOMA(オクラホマ)」と言う固有の名称が付いています。一番の特徴はとにかく飛び出している建物です。当初の計画では、敷地面積の関係で法律上87戸しか住居が作れなかったのですが、どうしても100戸にしたいということで、13戸は飛び出してしまったのです。最初の飛び出す部屋の意見は、冗談交じりに出された意見だったようですが、依頼主の要求もあり、実現することになりました。日本のことわざにある「瓢箪から駒」とは、まさにこのような事柄を指すのではないでしょうか。また、バルコニーが通常より広いので、これも飛び出して見えます。建物を横から見ると圧巻です。下に道がありますが、慣れない人がここを通行するのはちょっと怖いかもしれません。もう一つの特徴は、カラフルなことです。バルコニーが透明な素材で作られ、青やグリーン、オレンジや紫の色が付いています。屋根はありませんが、屋外にあるもう一つの部屋と言ってよい広さがあり、とても明るいイメージがあります。このような外観になった理由は他にもあります。寒冷な気候の地域なので、日光を取り入れやすくすることから部屋を明るく、暖かくすることが出来るようになっています。特に北向きの部屋の日当たりを考慮した結果が、飛び出している部屋になりました。また、静かな環境を提供するために壁の厚みが通常より厚くなっているので、防音効果も高くなっています。

 

 

 

 

「WoZoCo」のまとめ

Woon はオランダの言葉で「生活」を、Zorgは「介護」や「気に掛ける」と言った意味合いがあり、 Complexは複合と言う意味の単語です。老人とか高齢者とかの定義は国によって違いますが、この「WoZoCo」に入居する権利は55歳以上でなくてはなりません。日本とはずいぶん違いますが、ヨーロッパでは高負担、高福祉、若しくは、中負担、中福祉と言った政策を採っている国が主流となっています。税金は高くても高度な福祉を受けられるということです。集合住宅とは言え「WoZoCo」のような家なら楽しい老後が送れるのではないでしょうか。

余談ですが、近年の日本では「老人」ではなく「高齢者」と表すことが多いですが、「老」と言う漢字には多くの意味があります。長い人生で培った知恵を持つ人に敬意を持って使われたり、一つのことに熟練した人に使われたりしています。「老人」とは、尊く敬意を持てる人の事を表す言葉でもあります。

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