シャムの塔(Siamese Towers)

シェアする

「シャムの塔」のご紹介

夢を叶えるために人々は様々な努力をします。学校で学ぶことも、その一つでしょう。建築家になるために通った大学の校舎をデザイン、設計する事は夢を叶えた証ではないでしょうか。チリ・カトリック大学にある「シャムの塔」は設計者の母校に建っています。

「シャムの塔」の設計者

アレハンドロ・ガストン・アラヴェナ・モリ(アレハンドロ・アラヴェナ)は1967年にチリの首都サンティアゴで生まれました。チリ・カトリック大学で建築を学び、卒業後に事務所を開設しました。「人間味にあふれるエレガントな建築家」と称される彼は、一風変わった思想で建物を作り出しています。チリ国内で多くの集合住宅を手掛けていますが、そこに住むはずの人々と、とことん話し合って足りない敷地や資金の問題を解決した住宅を作りました。その住宅は、半分だけ出来上がった家です。後の半分は、住民が思うように自分で完成させると言った方式でした。この方法は大成功し、いくつかの街で同じような方式の集合住宅が作られました。2016年には建築家のノーベル賞と言われる「プリッカー賞」を受賞した彼は、チリ国内だけでなく世界で活躍しています。

「シャムの塔」の所在地

南米大陸の西側にある南北に細長い国、チリ共和国の首都サンティアゴ・デ・チレ通称サンティアゴにある大学に「シャムの塔」が建っています。アンデス山脈の南端に位置した盆地で、1年を通して温暖で、降水量も少ない地域です。穏やかな気候が好条件として、16世紀にスペイン人によって建設され、植民地として発展してきました。19世紀に独立して共和国になった時に正式に首都となりました。数百年の植民地時代に作られた建築物は1985年に起こった地震によって、多くが壊れてしまいました。それでも現在に至るまで中世の趣を残す教会や、現在も使われている郵便局の建物も残っています。

「シャムの塔」の特徴

寄り添うように建つガラスの箱に見えます。2005年に、カトリック大学のコンピューター管理棟として建てられました。建物本体は普通のビルで、上層階が二つに離れています。その建物を覆うようにガラスの壁が取り巻き、中層から上層にかけて傾きを持たせています。その姿が双子のように見えることから「シャムの塔(サイアミーズ・タワー)」と呼ばれています。比較的温暖とは言え、寒冷な気温になる事のないこの地には、全面ガラスの建物は屋内の温度が相当上がる危険があります。しかし、ガラス壁と建物本体の間の空間をうまく利用して空気の流れを作り、本体ビルには熱効率のよい素材を使ってその問題を回避しています。

「シャムの塔」のまとめ

「シャムの塔」は、まるでベールをまとったように透けて見える建物です。緑に囲まれたガラスの塔は、サンティアゴの毎日の空を映し出しています。アレハンドロ・アラヴェナは、「シャムの塔」以外にも母校であるチリ・カトリック大学の様々な校舎を手掛けています。双子を意味する「シャムの塔」には他にも多くの兄弟的な建物が大学の敷地内に建っています。それを作り出したアレハンドロ・アラヴェナは、差し詰めそれら建物の親と言えるのではないでしょうか。