ロイズ・オブ・ロンドン(Lloyd’s of London)

「ロイズ・オブ・ロンドン」のご紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古い歴史のある堂々とした建物と、近未来的なガラスとスチールの建築物が混在するロンドンの街に、ひと際目立つメタリックなビルがあります。あらゆるものに保険が掛けられると言われるロイズ保険組合の本拠ビル、「ロイズ・オフ・ロンドン」をご紹介します。

 

 

「ロイズ・オブ・ロンドン」の設計者

イギリス人のリチャード・ロジャースは1933年にイタリアで生まれました。彼は、多くの著名な建築家を輩出したイギリスの建築学校で学んだ後に、アメリカに留学しました。大学を卒業後にアメリカの建築事務所で経験を積み、イギリスに帰国後、建築に関する同じ主張を持つ人たちと「チーム4」と言うグループを結成しました。チームを解散した後も色々な建築家と共同で大きなプロジェクトを成功させ、実力をつけ、自分の事務所を開設しました。その後、最初に手掛けたのが「ロイズ・オブ・ロンドン」です。彼は建物の設計だけでなく、当該の建築物の周辺にも気を配り、ひいては都市全体のあり方に彼なりの考えを持っています。そのようなことから、ロンドン市だけでなくヨーロッパのいくつかの大都市での都市計画に携わっています。また、後進の為のプログラムなども発表しています。このような活動が評価され、優れた建築家に与えられる国際的な賞を数多く受賞し、一代限りではありますが、女王から男爵の爵位を授与されています。現在も数々の大きなプロジェクトに参加し、高齢者と言われる年齢とは思えない活躍をしています。

「ロイズ・オブ・ロンドン」の所在地

グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(イギリス)は4つの国で構成されていて、ロンドンは事実上の首都とされています。面積は東京23区よりも狭いのですが、その中に8つもの空港があります。国際的にはヒースロー空港が有名ですが、地方向けなどの空港が複数あります。有名な公共交通も多く、2012年の夏季オリンピックの時にテムズ川を渡るロープウェイの「エミレーツ・エア・ライン」を作りました。歴史のある交通機関としては、通称ブラックキャブとも言われるタクシーや赤い二階建てバスがあります。また、世界で最初に地下鉄が開通したのはロンドンで、19世紀の半ばに開通しました。「ロイズ・オブ・ロンドン」ビルが建っている地区は、シティ・オブ・ロンドンと呼ばれていて、金融街となっています。更に、ビルの建つ細かな住所はライムストリートと言って、以前は建築に使用する石灰の生産や販売が行われていた場所でした。現在は、「ロイズ・オブ・ロンドン」ビルを始め、様々な金融業や商業の為の最先端のビルが立ち並ぶ通りとなっています。

「ロイズ・オブ・ロンドン」の特徴

「ロイズ・オブ・ロンドン」の建物は、中も外もメタリックでパイプがたくさんある化学工場のように見えます。外観で一番目を引くのは壁を伝うパイプや外階段でしょう。普通の外階段がステンレスのパネルで覆われているので、螺旋を描く金属的な見た目が電動ドリルの刃のようです。他にも空調や電気などの配管も外側にむき出しの状態で設置してあり、特に空調ダクトは太さもあることから、尚更、化学工場のような雰囲気があります。夕暮れ時に屋内の照明が映えるころの「ロイズ・オブ・ロンドン」のビルは、コンビナートの夜景のようでインダストリアル的な美しさを醸し出しています。このような外観になったのは、屋内の空間を広くすることが最大の目的でした。その為、内部はほぼ空洞のような広大とも言える空間を得ることができ、大きな吹き抜けに設置してある中央のエスカレーターが印象的です。また、壁がほとんど無くオープンオフィスの形をとっているのは、業務が増えることも想定して、オフィスの形態を自在に変えられるように設計されているためです。このビルは、非常に興味深い後世に残す価値のある建物として、2011年に国の指定を受けることが出来ました。

 

 

 

 

「ロイズ・オブ・ロンドン」のまとめ

ロイズ保険組合の本拠ビルなので、通常では関係者以外は中を見ることはできません。外観が奇抜だったり変わった建物だったりすると、中も見てみたくなりますが企業のビルなどでしたら立ち入りを制限されるのは仕方のないことです。しかし、ロンドンには粋な行事があります。毎年9月にオープン・ハウス・ロンドンと言うイベントがあり、2日間だけ日頃中に入ることのできない建物を誰でも見学できる催しが開催されています。年に一度だけ「ロイズ・オブ・ロンドン」は多くの一般の人々の好奇心を満足させてくれます。

余談ですが、「ロイズ・オブ・ロンドン」ビルは多くのTVドラマや映画のロケ地に使われています。見た目が非常に近未来的なイメージがあるので、SF映画やアクション、サスペンスなどの作品に使用されています。世界的に人気の高い映画にも使用されていて、屋内の様子も垣間見ることが出来ます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。