ツリーホテル ミラーキューブ(Tree Hotel mirror cube)

「ツリー ホテル ミラーキューブ」のご紹介

 

余暇の過ごし方は千差万別です。宿泊する建物や場所も多岐にわたり、目的も観光地やレジャー施設、目を見張る大自然の驚異など様々な選択肢があります。しかし、そのような事が何も無い所でも、ワクワクした体験ができるホテルが北欧の森に作られています。子供時代の憧れや夢が叶う、木の上の秘密基地のようなホテルが「ツリー ホテル ミラーキューブ」です。

「ツリー ホテル ミラーキューブ」の設計者

 

「ツリー ホテル ミラーキューブ」のデザインと設計を担当したのは、スウェーデンの首都ストックホルムに拠点を置く、タム&ヴィデガルド アーキテクチャです。共にストックホルムで生まれ育ったボッレ・タムとマーティン ヴィデガルドが共同で1999年に開設した建築事務所です。彼らは1980年代に同じ建築学校で学び、出会いました。学校を卒業してから二人で、ある建築競技会に挑戦するために事務所を作りましたが、残念ながらその競技会では勝つことが出来ませんでした。しかし、その時の経験は後の彼らの活動に大きな影響を与えたと言ってます。建築は未来に関する事だと彼らは考えています。それは、何百年も前に建てられた建物が世界中にはたくさん残されていて、修理などは行われていても、これからも存在し続けることを考えての思いです。近年の建築家は建物の設計やデザインだけでなく、それらを建設する事自体にも深く関わっている人が多くなっています。タム&ヴィデガルドが手掛ける建築物の中には、辺鄙な場所に建設地がある場合が多く、車両が入れない所もあります。その為、そのような所の建物には軽量な素材を使うように心がけています。もちろん丈夫で長持ちするような素材でなくてはなりませんが、近年では新しい建築素材も開発されているので、それらの素材も積極的に使っています。

「ツリー ホテル ミラーキューブ」の所在地

 

「ツリー ホテル ミラーキューブ」が建てられているのは、スウェーデン王国の北部にある、ハラズ(ハラッズ)と言う人口が500人ほどの小さな村のそばにある森の中です。この村は北極圏からわずか50kmに位置し、ボーデンと言う街を中心とした7つの町や村で構成する自治体の一部です。国の北部を流れる主要な河川のルレ川に沿ってハラズの村やボーデンの街があり、最終的にはこの地域で最大の都市であるルレオ(ルーレオ)からボスニア湾に注いでいます。この地域は、国で最北のノルボッテン郡に含まれていて、フィンランドと国境を接する為に、以前は国の北を守る要衝となっていました。16世紀の頃まではほとんど人が暮らしていないと言われていて、わずかな農民と少数民族のサーミ人だけが暮らしていました。17世紀になって銀の鉱床が見つかり、一気に人々が押し寄せてきました。19世紀の初頭まで銀鉱山は操業していました。他にも様々な地下資源が眠っていて、特に鉄鉱石の採掘は国の工業力を上げる重要な資源となりました。鉄鉱石の輸送のために鉄道が敷かれ、ボーデンの街が輸送の分岐点となり、海に近いルレオへ続く路線と、首都のストックホルムまで南下する路線が作られました。現在も鉄道は主要な輸送手段ですが、国内でも有数の大規模なルレオ空港を始め、複数の空港が輸送の速度を上げています。

 

「ツリー ホテル ミラーキューブ」の特徴

 

「ツリー ホテル ミラーキューブ」の1番の特徴は、森の中に溶け込んで見えなくなっている事です。寒冷地の森は針葉樹が多く生育していますが、ハラズの村にある森も松の木がたくさん生えています。1辺が4mの立方体を松の木が貫いているような形状で、自然に生えている木を柱として使っています。立方体の部屋は木になるべく負担をかけないように、軽量のアルミ素材が使われています。内装の壁などは、地元で伐採される白樺を使用した合板が使われています。1番の特徴である見えなくなる部屋とは、外壁がミラー効果のあるガラスで覆われていることです。鏡のように周りの景色を映し出すことで、明るい日中はほとんどその姿を見ることはできません。更に、森に住む鳥がぶつからないように配慮されていて、このガラスには、人には見えない波長の短い紫外色のフィルムが張られています。部屋には数カ所に窓がありますが、ガラスは光を通すので、周囲が暗い時にはカンテラのような明かりが見えます。部屋の周囲は全て鏡のようになっているので、もちろん扉も少し離れれば見えません。また、外からは見えない、梯子で上がれるバルコニーがあります。この部屋は、地上からかなり高い所に設置されているので、部屋に入るためにいくつかの連なった小さなつり橋が設置されています。

「ツリー ホテル ミラーキューブ」のまとめ

 

「ツリー ホテル」はスウェーデンの起業家が提案して作られた宿泊施設です。「ミラーキューブ」の他には「鳥の巣」や「UFO」、赤い建物の「ブルーコーン」など、全部で8つの建物が作られています。設計した建築家はそれぞれ違いますが、全て木にぶら下がるか、木の上に建設され、地面から浮いたような建物となっています。「ツリー ホテル ミラーキューブ」は、泊まるだけで心が弾むホテルではないでしょうか。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。