種の聖殿(Seed Cathedral)

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「種の聖殿」のご紹介

世界中のあらゆるものを集めて開催される万国博覧会は、世界的な条約によって開催が決定されます。19世紀の半ばにロンドンで第一回目が開かれてから、様々な国で政府や民間の主催で行われてきました。2010年の上海万博の会場には、ふわふわとしたパビリオンが建っていました。

「種の聖殿」の設計者

自分のことを紹介する時に建築家ではなく、三次元デザイナーと言っているイギリス人のトーマス・ヘザーウィックが「種の聖殿」をデザイン、設計しました。建物の設計だけでなく、家具のデザインや芸術品も作成しているオールマイティな人物です。ロンドンに事務所を構えている彼は、2006年には王立英国建築家協会国際賞を受賞し、世界中の多種多様なプロジェクトに参加しています。本国での活躍としては、有名な二階建てのロンドンバスのデザインを変更するためのデザイナーに選ばれています。ロンドン市長が、ドアのない乗降口を再現して欲しいと要請しているようで、新しい型のバスを作るのは50年ぶりだと言うことです。

「種の聖殿」の所在地

2010年に中華人民共和国の上海で開催された万国博覧会のイギリス館として建てられたのが「種の聖殿」です。「より良い都市、より良い生活」をテーマに190の国と地域が参加し、250のパビリオンが建築されました。世界各国から訪れた入場者数は7,300万人以上で、1日の入場者が100万人を超えた日もあり、万国博覧会史上に名を遺しました。閉会後は撤去された建物もありますが、そのまま残されているパビリオンもあります。中国館だった建物は再利用され、世界でも有数のコレクションを持つ美術館に生まれ変わっています。また、「上海メルセデスベンツ・アリーナ」は、大型のレジャー複合施設として現在でも多くの人で賑わっています。ここでは有名なアーティストのコンサートやライブも行われています。

「種の聖殿」の特徴

ふわふわとした綿毛か、毛玉ように見えます。若しくは、一時流行った「ケサラン・パサラン」みたいな感じです。角の丸いキューブ状の建物と言うよりは物体で、「たんぽぽ」と言う愛称が公募によって決まりました。2020年までに地球上にある25%の種子を集めるというイギリスのプロジェクトからヒントを受けて造られました。1本が6,7mの棒状のアクリルの先端に約66,000個の種を埋め込んだものが、出入り口を除き全体に突き出ています。日中は外の光がアクリルを通して館内に差し込み、夜は館内の照明が外に向かって光ります。アクリルの棒は風が吹くとそよぐようになっていて、正にたんぽぽの綿毛の様です。

「種の聖殿」のまとめ

トーマス・ヘザーウィックはこのプロジェクトを受けた時に、政府から「人気No5に入るように」と釘を刺されたとのことです。いろいろな事柄を詰め込むより、一つのことに集中したテーマで作るのが良いのではないかとの結論に達し、「種の聖殿」の形と内容になりました。館内は何も置いていない空間だけが広がっていますが、六万個以上の種子が何かを語っていたのでしょう。ニックネームの「たんぽぽ」は外観の見た目と、漢字表記にイギリスを表す「英」の字があることで決まったようです。