100 11THアベニュー(100 Eleventh Avenue)

「100 11THアベニュー」のご紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界でも有数の大都会にある窓だけで作られたような集合住宅があります。様々な大きさと形の窓枠とガラス窓がたくさんあり、どこからでもマンハッタンの街並みを見晴らすことができます。23階建ての複合集合住宅の「10011THアベニュー」をご紹介します。

 

「100 11THアベニュー」の設計者

ジャン・ヌーヴェルは、1945年にフランスの南西部にあるフェメルで生まれました。二十歳を過ぎてから建築を学び始め、学業の途中で早々と建築事務所を開設しました。卒業までは、学生と建築家の二足のわらじだったようです。

彼は、施工主の要求を果たすためだけの建物でなく、周りの環境にも配慮した建築物を作っています。例えば、建築予定場所の周辺に、すでに建っている建物と調和するデザインを取り入れる。または、全く反対に当該の建築物がその周辺の中心となるようなものを作る。と、言うような景観を重視した方法を取っています。

40代の時に手掛けたパリにある建築物で一躍有名になり、フランスをはじめとするヨーロッパの各国に彼の作品が建っています。ヨーロッパ以外での代表作と呼べる建築物は、アメリカに建つ「10011THアベニュー」や日本にも彼が設計した建物があります。このような活躍の集大成でもある建築家のノーベル賞と言われるプリッカー賞をはじめ、様々な国際的な賞も受賞しています。

「100 11THアベニュー」の所在地

アメリカ合衆国のニューヨークにあるマンハッタン地区のチェルシーに「100 11THアベニュー」は建っています。ニューヨークには「ビッグアップル」、「ゴッサム」などの愛称がありますが、ここに住んでいる人たちだけでなく、愛称が世界中で使われている街は少ないのではないでしょうか。16世紀にヨーロッパから探検家たちが来るまでは、先住インディアンの規模の大きい一族が住んでいました。17世紀に入るとヨーロッパの国々からの植民が始まり、この土地にいろいろな名前が付けられましたが、17世紀の中ごろにイギリス人が当時の国王の名前からニューヨークと名付け定着しました。「100 11THアベニュー」が見下ろすハドソン川も、先住民族の人々が様々な名前で呼んでいましたが、ヨーロッパの人々もそれぞれ祖国の言葉で色々な名称を付けていたようです。最終的に、17世紀にこの川を探検したイングランドの探検家に因んだ名前となりました。19世紀の終わりには自由の女神も建立され、20世紀の初頭にかけて地下鉄や摩天楼の建設が行われて、現在のニューヨークの基盤が出来上がってきました。

 

「100 11THアベニュー」の特徴

10011THアベニュー」は、2010年に竣工したモノトーンのモザイク模様のようなビルです。23階建ての集合住宅で、下の階にはレストランやジム、プールなどが入っています。鉄骨とガラスだけで作られているように見える、どちらかと言うと愛想のない建物です。しかし、約1,700枚のガラスを使った大変多くの窓があり、どの部屋からも素晴らしい景観が望めるようになっています。この眺望の良さを指してジャン・ヌーヴェルは「10011THアベニュー」を「ヴィジョン・マシン」と呼んでいます。窓は全て四角形ですが、サイズや縦横の対比が異なるガラスが使われています。特に通りに面した南と西側の面は全面がガラス窓のようで、設計者のジャン・ヌーヴェルによると昆虫の複眼をヒントにしたとのことです。また、7階まではいわゆる二重のガラス壁のようになっています。建物本体と数m離されたアトリウムと呼ばれる屋外と屋内を繋ぐような空間となっていて、樹木も植えられています。この部分を真下から見ると目がくらむような感覚に襲われます。北と東側の外観は、黒い壁に表面と同じくサイズの違う窓が随所に取り付けられています。建築方法も最新の技術が使われ、多くのガラスは壁にもなっていますが、稼働できる壁として成り立っています。この方法は「カーテウォール・システム」と言い、これのおかげで環境に優しい建物になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「100 11THアベニュー」のまとめ

隣に建っているとても近代的なビルと、近くに多く残っている石造りの建物との調和を保つように、設計者のジャン・ヌーヴェルは地域の特徴を壊さないように配慮した設計にしました。その為、彼は「100 11THアベニュー」はここ以外のどこにも建てることはできないと言っています。「100 11THアベニュー」は、使用する人の利便性と、景観などの環境を共に満足させることのできる集合住宅となっています。

余談ですが、路地を挟んで隣に建つビルは、カナダ出身の著名な建築家フランク・オーウェン・ゲーリーが手掛けたIACビルです。どちらもガラスでできていると言える建築物ですが、「100 11THアベニュー」は銀線細工のような繊細なイメージがあり、IACビルはどっしりした雰囲気のある建築物です。対照的な二つのビルは、人気スポットの一つとなっています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。