天使のマリア大聖堂(Cathedral of Our Lady of the Angels)

「天使のマリア大聖堂」のご紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

古来より大聖堂は大規模で壮麗な建築物で。複数の尖塔を持ち、内部には美しいステンドグラスや精巧なフレスコ画描かれ、荘厳な雰囲気を醸し出しています。このような教会建築が中世以前のゴシック建築を生み出しました。近年では、宗教施設も多様化してきています。大都会の真ん中にある「天使のマリア大聖堂」はシンプルな外観の大聖堂です。

「天使のマリア大聖堂」の設計者

「天使のマリア大聖堂」の設計者であるホセ・ラファエル・モネオは、スペイン王国の北東部にあるナバラ州第二の都市、トゥデラ市の出身です。父親の勧めで建築を学ぶためにスペインの大学へ通いました。スペインやデンマークの著名な建築家の元で働きながら、学校だけでは分からない様々な事柄を吸収し、彼の将来に影響を与えることになりました。彼の建築スタイルは、建造物が建てられる場所の歴史や環境、地域性を大事にして、それらを壊さないように融合できる建物を作り上げる事です。そのような趣旨で作られる作品は、彼らしいと言うような特徴のある建築物ではありません。また、石材や木材など自然の素材を使う事で「建築は外観よりも、まず素材を優先する」と言うことを実践しています。彼は、ヨーロッパを中心にアメリカでも活躍しています。日本には彼の作品はありませんが、2017年に「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞していて、来日しています。その際に触れた、お寺や神社などの伝統的な建築物など、日本の文化に大きな興味を示していたようです。他にも、建築家に贈られるノーベル賞と言われる、アメリカの「プリッカー賞」やイギリスの伝統ある「RIBAゴールドメダル」など、たくさんの賞を受賞しているスペインを代表する建築家です。

「天使のマリア大聖堂」の所在地

 アメリカ合衆国の西海岸で一番の大都市、ロサンゼルスの街中にある教会が「天使のマリア大聖堂」です。多民族都市で、元々はメキシコの領土であったこともあり、ラテン系の人々が多く住んでいます。また、太平洋を挟んで向かい側に当たるアジアとの交流が古くからあり、多くのアジアの人々が労働力として移民してきました。現在でも多くのアジアの人達が住み、リトルトーキョーやチャイナタウン、コリアタウンなどが賑わっています。日本も含まれる環太平洋造山帯の一部なので、地震の多い地域でもあります。近年でも何度か大きな地震に見舞われているので、建築物には地震による揺れに耐えるような耐震性を義務付けています。 

「天使のマリア大聖堂」の特徴

「天使のマリア大聖堂」の外観は木製のブロックで覆われ、直線的なイメージなので写真で見る限りは小振りな建物に見えますが、世界で3番目に大きな大聖堂です。シンプルな外観ですが、この建物には直角になる壁はありません。内壁は打ち出しのコンクリートですが、床は天然の石材が敷き詰められています。1994年に起こったロサンゼルス大地震(ノースリッジ地震)で、この地の中心的な「聖ヴィビアナ大聖堂」が被災し、使えなくなってしまいました。街の人口も増え手狭になってきたこともあり、建て替えることになったのです。2002年に完成した「天使のマリア大聖堂」は、建物の広さが公式のサッカー場ほどもあり、6,000人を収容することが出来る規模です。外から見ると簡素なので教会施設には見えませんが、よく見ると正面にデザイン化された大きな十字架が架かっていて、正面入り口の上には聖母マリアの像も据えられていますこの十字架は、上下が約15mあり、コンクリートで出来ています。すりガラスに似た乳白色のガラスでできた壁に埋め込まれたように見えます。日中はグレー地に白っぽい十字架が見えますが、夜間になると屋内に照明がついて白い灯りの中に濃い十字架が浮かび上がります。前庭にはヤシの木や噴水があり、南国の大聖堂の雰囲気を醸し出しています。 

 

 

 

 

 

 

「天使のマリア大聖堂」のまとめ

この大聖堂の名称は、18世紀の終わりにスペインから入植した人々が付けた地名から採られています。当時のロスアンゼルスは、「天使の女王、聖母の町」と呼ばれていました。大聖堂の新しい形と言っても良いような「天使のマリア大聖堂」ですが、約6,000本のパイプを持つ特大クラスのパイプオルガンが備えられ、建物に見合ったシンプルなステンドグラスも取り付けられています。大震災で被災した「聖ヴィビアナ大聖堂」は修復されて、現在は結婚式や各種のイベントで使われています。 

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