リバーアンドローイングミュージアム(River and Rowing Museum)

リバー・アンド・ローイング博物館(River and Rowing Museum)のご紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

古来より、良い川のそばで文明が芽生え、人々が集まり集落となり発展して都市になったり、川を利用したリゾート地になったりしてきました。イングランドを流れるテムズ川は、風光明媚な静かな町を流れ、大都市のロンドンを潤してきた川です。「River and Rowing Museum (リバー・アンド・ローイング博物館)」はテムズ川と手漕ぎボートの歴史を紹介する博物館です。

リバー・アンド・ローイング博物館(River and Rowing Museum)の設計者

デイヴィッド・チッパーフィールドは1953年ロンドンの生まれです。ヨーロッパの著名な建築家を多く輩出したイギリスの名門建築専門学校で学び31歳の時に自らの事務所を構え、本格的に建築家としての活動を始めました。当初はロンドンやニューヨークなど世界の主要都市での店舗設計が多かったようです。その頃に日本からの依頼もあり、1985年に仕事の為に来日した彼は、日本の文化に触れ、以降の彼の作品に影響を与えたと言われています。彼の作品は博物館や美術館が多く、建築スタイルは、その土地の景観や歴史を踏まえたデザインの建物を作り出すことです。現在はイギリスとドイツを中心にヨーロッパでの活動が多く、十数か国の建築家が彼の元で働いています。以前は東京にもオフィスがありましたが、現在はロンドン、ベルリン、ミラノ、上海の4か所にオフィスを構えています。また、イギリス建築界での功績が評価され、ナイトの称号(大英帝国勲章)も得ています。

リバー・アンド・ローイング博物館(River and Rowing Museum)の所在地

 イギリスのオックスフォードシャー州ヘンリー・オン・テムズと言う名の町に「River and Rowing Museum」があります。ロンドンから西に約60kmに位置するテムズ川沿いの町です。中世では、ガラスやレース製造などの軽工業が町の経済を支えていました。現代では園芸農業が盛んです。また、テムズ川を利用したレジャーなどで楽しめ、首都ロンドンから近い事から保養地としても人気があります。この町では、毎年夏に行われる伝統あるボートレースが開催されます。王族の主催で始まったボート競技の「ヘンリー・ロイヤル・レガッタ」です。レガッタとは複数人で操る手漕ぎボートの競技の事で世界でも有名なテニスやゴルフの大会と同等の人気ある競技です。 

リバー・アンド・ローイング博物館(River and Rowing Museum)の特徴

River and Rowing Museum」は、素朴な感じの簡素見た目の建物です。高床式住居、または昔の工場(こうば)のようなイメージがあります。1998年に完成した、テムズ川(River)とレガッタ(Rowing)の歴史などを紹介する博物館です。設計者は、昔のボートを収納しておく倉庫や田舎の納屋をイメージしてデザインしています。最初にデザインされたスケッチが、ほぼそのまま実際の建物になっていると設計者は言っています。鉛でコーティングされた急勾配の三角屋根は、頂点の部分を少し切り取った形になっていて、イギリスの田舎に見られる納屋の屋根の形と似ています。高床式になった理由は、テムズ川のそばに建てられている為、悪天候の時に川が氾濫する恐れもあるからです。そのような事から、コンクリートの土台の上に建物が置かれるような形になっています。外壁はオーク材が使われていますが、通常行われる塗装やコーティングなどの処理をしていない物を使用しています。木材に表面処理を施さなかったのは、年月と共に風化して色が落ち着き、風雨に晒される事で硬くなり味のある外観になって、この地域の風景に溶け込むように考えられているからです。シンプルで現代的な外観の建物ですが、テムズ川とその川岸沿いにある樹々と溶け合うような、昔からそこに建っているような違和感のない建造物となっています。 

 

 

 

 

 

リバー・アンド・ローイング博物館(River and Rowing Museum)のまとめ

 Rowing(ローイング)とはボートを漕ぐことを意味しています。オリンピックの種目にもあるボート競技の歴史は古く、紀元前から行われているという記録もあります。また、オリンピックにおいては第一回大会から競技種目に入っていました。このように長い歴史と、今では世界中に競技を楽しむ人がいるレガッタの様々な事柄を、この博物館は教えてくれます。 

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