カリフォルニア科学アカデミー新館(California Academy of Sciences)

「カリフォルニア科学アカデミー新館」のご紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前の博物館は、所蔵している様々な物を展示、解説するだけの場所がほとんどでした。最近では展示するだけでなく、いろいろな体験やワークショップなど、来館者が参加できるような企画もたくさん用意されています。

カリフォルニア科学アカデミーは、何度も足を運びたくなるような博物館で、「カリフォルニア科学アカデミー新館」はそれを象徴するような建物です。

 

「カリフォルニア科学アカデミー新館」の設計者

イタリア人のレンゾ(レンツォ)・ピアノは、大学などで建築やデザインの基礎を学んだ後、著名な建築家の下で働きながら更に知識を吸収しました。その後、いろいろな同業者と手を組んで共にコンペを勝ち抜いて実力を高めてきました。彼は、レンゾ・ピアノらしい建築物だと言われそうな、似た感じとか、同じような雰囲気の建物は作りません。それは、使用目的や立地条件、クライアントの要求など様々な要件を満たす為に建築関係だけでなく、あらゆる業種や知識を持つ人々と協力して作り出しているからです。その条件を極力満たそうとすれば、変わった外観や奇抜なデザインになることもあります。周りの景観との調和も考慮した作品もありますが、彼の手掛ける建築物は美術館や博物館も多く、それ自体が芸術品と言われるものもあります。1970年の大阪万国博覧会で初めて国際的な場での作品から半世紀以上を過ぎて、80歳を超えた高齢の域になってもまだまだ第一線で活躍しています。

「カリフォルニア科学アカデミー新館」の所在地

サンフランシスコ市は、アメリカ合衆国の西海岸を代表する大都市です。ヨーロッパから多くの人々がアメリカに移住してきた頃、この地域にやってきたキリスト教の修道士が自分の所属する一派の聖人である「聖フランシスコ」の名前を付けたと言われています。世界的に見ても大きな街なので、呼び名もたくさんあります。漢字表記では「桑港」、「旧金山」と表されます。19世紀中ごろに起こったゴールドラッシュにちなんで「金山」と呼ばれていましたが、他の土地で新たな金山が発見されたことにより「旧金山」と呼ばれるようになりました。日本と同じ太平洋岸のこの地域は、国内でも地震の多い所で、近年では1989年の「ロマプリエータ地震」によって大きな被害を受けました。マグニチュード6.97.2)の内陸地震で、特にマリーナ地区の被害が大きく、カリフォルニア科学アカデミーも建物に多大な損害を受け、建て直すことになりました。日本では「サンフランシスコ地震」と呼ばれる事が多いのですが、世界的には「サンフランシスコ地震」は1906年に起きた地震の事を指します。

「カリフォルニア科学アカデミー新館」の特徴

「カリフォルニア科学アカデミー新館」は、上から見ると特徴がよくわかる建物です。一番目につくのは、屋上にある三つの緑のコブと、それに付いているたくさんの目玉のようなガラス窓です。1853年に開館した自然史博物館を大改装して、2008年に完成しました。空調や照明などに使われるエネルギーを極力控えるために、いろいろな試みがなされました。例えば、屋上のユニークな目玉は採光や換気のための物で、温度調節などの為に開閉が自由にできるようになっています。この窓がついているコブは二つあって、下にある施設の一つはプラネタリウムで、もう一つは熱帯植物園になっています。また、緑色をしているのは植物が植えてあるためで、ココナッツの殻から取り出した繊維で作られたポットに植えられた、カルフォルニアに自生する170万本の植物が展示されています。植物園の上のドームのそばからは、それらの植物が観察できるようになっています。このような屋上の施設は、館内の温度が夏は涼しく、冬は温かく保つ役にも立っています。屋根の中央部はアトリウムと呼ばれるガラスを使用した構造になっていて、日中の館内を明るくしています。加えて、屋根の周辺と共に光を遮らない太陽光発電も行われています。再開館当時「世界で最もクリーンな施設」と呼ばれたのは、ここで使われるエネルギーの多くを自然から得ようとしたことによるものです。

 

 

 

 

 

 

 

「カリフォルニア科学アカデミー新館」のまとめ

カリフォルニア科学アカデミーは150年の歴史を持ち、世界でも最大規模の自然科学全般の博物館、研究所などの複合施設です。亜熱帯の植物園や水族館、プラネタリウムなどを備え、毎日多くの人が訪れています。そして、ここにはとても珍しいものがいます。アルビノと呼ばれる色素異常の真っ白なワニが飼育されていて、マスコットとして人気があります。

余談ですが、カリフォルニア科学アカデミーの西隣には「ジャパニーズ・ティー・ガーデン(日本茶園)」と言う日本庭園があります。サッカーグラウンド約3個分の広さがあるこの庭園には、池や築山、東屋などが作られ、多くの木々も植えられて四季折々の美しさを見ることが出来ます。1984年の国際博覧会の時に作られたこの庭園を造るために、日本から多くの職人が渡米して携わりました。1世紀以上も前に作られたこの庭園は、カリフォルニア科学アカデミーと共に、現在も市民に人気のある場所となっています。

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