ザ・ウェイヴ(The Wave)

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「ザ・ウェイブ」のご紹介

ヨーロッパの北部には、氷河期が作り上げた荒々しくも美しい水辺の景色が見られます。フィヨルドと呼ばれる地形は、通常の湾とは違い陸地の奥深くまで入り込んでいます。デンマークにあるフィヨルドの最奥に大きな白波が五つあります。集合住宅の「ザ・ウイェブ」がその波です。

「ザ・ウェイブ」の設計者

デンマークで1925年に生まれた、ヘニング・ラーセンが「ザ・ウェイブ」の設計者です。デンマーク、イギリス、アメリカの各国の学校で、美術や建築、都市計画などを学びました。いくつかの建築事務所で勤務した後、34歳の時に自らの事務所を開きました。コンペと呼ばれる建築設計の競技に積極的に参加し、数々の依頼を勝ち取ってきました。このことが、彼の事務所を発展させ、彼の名前を世界に知らしめることになりました。ヘニング・ラーセン・アーキテクツは世界の数か国にオフィスがあり、数百名のスタッフが在籍し、2013年に87歳で惜しまれながらこの世を去った彼の後を引き継いでいます。

「ザ・ウェイブ」の所在地

デンマーク王国の南部にヴァイレと言う街があります。ヴァイレ・フィヨルドと呼ばれる長い湾の一番奥にある街です。古くから水運と街道の交差する地域で、交易によって栄え、商業の町として発展してきました。中世から近代においては、紡績などの繊維産業や金属加工と言った軽工業がこの街の経済を支えていました。近年では食品産業へ移行し、世界最大級のチューインガムの工場が建っています。また、デンマークが誇る世界でも有数の玩具メーカーであるLEGOが運営するレゴランドが近くにあり、首都コペンハーゲンから行く中継点で、外国からの観光客も多く訪れています。

「ザ・ウェイブ」の特徴

名前の通り、大きくゆるやかな波の形をした集合住宅です。2009年に完成した建物で、最高階が9階になっています。一つの波に20戸の住宅が入っています。全体に白い色が基調となり、さわやかなイメージがあります。最上階はもとより、各戸に広いバルコニーがあり、多くの光を取り入れるための窓も大きくとってあります。また、壁のように見える波の部分にも窓が作られています。そのことは屋内を明るくする結果となり、光の巨匠と呼ばれたヘニング・ラーセンの作った住宅である証拠とも言えるでしょう。目の前がフィヨルドの最奥である湾になっているので、風のない静かな日には水面に映る反転した姿が白いリボンの様です。「ザ・ウェイブ」の東側にあるヴァイレ・フィヨルド大橋からは建物の全景を見ることができます。建物からは西側に市街地があり、東西によく開けているので見晴らしもよくなっています。

「ザ・ウェイブ」のまとめ

氷河期の置き土産とも言えるフィヨルドは、北欧の海岸線沿いに数多く存在しています。独特の美しい景観を持つもの、経済の発展に寄与した運河の役目を果たしているものと様々です。基本的にフィヨルドでは大きな波は起きません。湾奥に建つ白い大波「ザ・ウェイブ」は、彼方にある大洋を写し取った様な建物かもしれません。