ファクト エンポリア(Facts Emporia)

「ファクト エンポリア」のご紹介

 

ショッピングセンターは遊園地などとは違う意味でワクワクする所ではないでしょうか。多くの人を呼び込むために様々な催し物を開催することもよくあります。2012年に開店した北欧最大のショッピングセンターは、スウェーデンのマルメに建設されました。「ファクト エンポリア」は、人を惹きつけずにはいられない玄関口が出迎えてくれます。

「ファクト エンポリア」の設計者

 

「ファクト エンポリア」の設計を担当したのは、1951年にスウェーデン南部にある内陸の街、シェブデで生まれたイェルト・ウィンゴード(英語読みでは、ゲルト・ヴィンガルド)です。田舎の実業家の家で一人っ子として育てられた彼は、10歳の頃に移り住んだ国で第二の都市ヨーテボリの学校でなかなかなじめなかったようです。芸術に興味を持っていた彼は大学で美術史を学んでいましたが、在学中に訪れたローマで見た古代の神殿に魅了され、帰国してから改めて建築の勉強を始めました。自らの会社を開設する前には、ヨーテボリの建築事務所で働いていました。彼の名が広く知れ渡ったのは、事務所を開設して10年が過ぎた頃に手掛けたゴルフ場で、国内史上初となったスウェーデンの建築物に贈られる最高の賞を5つの部門で同時に受賞した時でした。幾何学的なデザインとカラフルな色遣いをする彼の作品は「モダンバロック」と呼ばれ、彼のことは「マキシマリスト」と呼ぶこともあります。このようなデザインは遊び心があると言われ、彼が「人間の最大の特質はユーモアを解することだ」と言っている事と合致します。彼が記した「建築とは何か?その他の100の質問」という本は、建築に対する単純な質問に長い答えと短い答えが用意してあり、ユニークで刺激的な本になっていて彼の本質を垣間見ることが出来ます。

「ファクト エンポリア」の所在地

 

スウェーデン王国の最も南にある大都市、マルメに「ファクト エンポリア」が建設されました。この街は「多様性、出会い、機会」を標語に掲げる、国で3番目に大きな都市です。「公園の街」を謳い文句としていますが、実際は国内でも緑地の少ない都市の1つです。但し、街のほぼ中央に比較的大きな古い公園があります。また、多種多様なテーマを決めた大小の遊園地や遊び場がたくさん作られています。緯度が高いので、夏季には最長で17時間も太陽が出ていて、冬季の最短日照時間は7時間ほどになります。しかし、メキシコ海流の影響がある為、緯度が高い割には穏やかな気候で、夏季の平均最高気温は20℃を超えることもあり、冬季でも氷点下を少し下回るくらいです。エーレスンド海峡を挟んだ対岸にはデンマークの首都コペンハーゲンを望むことができ、13世紀の頃にはデンマークの街でした。東欧の国々に面するバルト海から北海に抜けて北大西洋へ続く航路の中で、エーレスンド海峡は航路短縮のための重要な海域です。そのことから、この地域は古くから交易の要所となっていて、様々な権力者が欲しがる街でした。加えてこの海峡は、世界で最も混雑している海峡の1つとなっています。17世紀にはスウェーデンの街となって、今に至っています。

 

「ファクト エンポリア」の特徴

 

「ファクト エンポリア」はとても大きな建築物です。3階建てなので高さはあまりありませんが、各階の床面積はかなりの広さがあります。屋上には公園が作られていて、公式のサッカー場4つ分の広さがあります。大通りに面した大きな外観で1番目を引くのが正面入り口です。それは、まるで建物に切り込みを入れたような印象がある、大きく内側に湾曲したガラスの外壁です。菱形に組まれた鉄骨の骨組みに、琥珀色の二重ガラスが組み込まれています。合計で804カ所分のガラスが必要となっていて、正面入り口付近の湾曲した部分に使われているガラスはほとんど形が違います。そのことから、鉄骨の骨組みにぴったりと合わせられる、形状と曲がり具合の違うガラスの形成のために600近い種類の金型が作られました。館内はテーマに沿って赤や青、緑などカラフルな色分けがされています。緑のエリアには螺旋階段の中心部分に垂直庭園と呼ばれる、最上階の天井から16mの長さの植物が植えられたポットが吊り下げられています。各階の平面は、8の字を描くように動線が作られていて、それに沿って各お店が並んでいます。この動線は最終的に建物の北側に作られた立体駐車場に繋がっています。駐車場も虹の色を使ったカラフルな色使いがされています。正面入り口の曲線とカラフルな色遣いは、館内の大小の様々なインテリアをお仕着せのようなものではなく、自由に作り替えることが出来るようにと配慮された結果です。

「ファクト エンポリア」のまとめ

 

「ファクト エンポリア」のファクトは「本当の」という意味があり、エンポリアは「商業の中心」または「百貨店」などの意味があります。屋上の広大な公園は、いずれスパ施設や屋上レストランなども作られるようです。このような大規模なショッピングセンターは作って終わりではなく、常に変化し続ける必要があると考えられています。北欧で最大規模のこのショッピングセンターはまだまだ拡張の余地が残されているので、これからも成長していく建物とも言えます。

 

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