天山紅 中国産赤御影石のご紹介

天山紅(Tianshan Red)のしらべ

アジア大陸の背骨の一部に天山山脈があります。険しい山々が朝日に、または夕日に映える色を宿した御影石の「天山紅」が、その地方から産出されています。麓に広大なタクラマカン砂漠が広がり、荒々しくも素晴らしい大自然の様子を見ることができるところです。

「天山紅」の原産地

地球上に存在する砂漠の中でも十指に入る砂漠が、ユーラシア大陸の中央部に二つあります。タクラマカン砂漠と、その東に続くゴビ砂漠に接する地域で、御影石の「天山紅」が切り出されています。中華人民共和国の北西の端に、多数の国と国境を接し、多様な民族が暮らしている、新疆(しんきょう)ウイグル自治区があります。中国国内の自治区や省の中で最大の面積を誇る自治区ですが、その面積の四分の一は広大な砂漠が占めています。天山山脈を背にしたこの地域の首府ウルムチは、世界中で一番内陸にある都市と言われています。経済活動は活発で、いろいろな産業が栄えています。農業では小麦や綿花、ぶどうなどの栽培が行われ、羊や馬の飼育もされています。中でも綿花は世界三大高級綿に入る「新疆綿」として世界中に輸出されています。豊富な地下資源もあり、石油、天然ガス共に国内で最大の産出量と埋蔵量を誇っています。また、中国三大玉の一つである「和田玉(ほーたんぎょく)」と呼ばれる高品質のヒスイも産出しています。

 


 

「天山紅」の特徴

 

本磨き

 

ジェットバーナー仕上げ

御影石の「天山紅」は、「紅」の名が示す通り、なんと言っても華やかな色合いが一番の特徴です。赤から赤茶色の地色に、黒雲母による黒い粒子が点々と入っています。柄の入り方は細かい感じで、バラつきは少ないようです。赤い御影石の色は含有する長石がアルカリを帯びている為と、長石に含まれている鉄分から出る錆に起因する事が多いようです。従って、それらの条件の大きさによって赤い色の濃さや、色の雰囲気が決まってきます。鏡面仕上げの「天山紅」はかなり濃い赤色になります。バーナー仕上げのようなツヤ消しの加工の場合は、見た目の色が薄くなるので、ピンクに近い色になるので、柔らかい雰囲気になります。ツヤの有る無しに関わらず、明るいイメージを持つ御影石と言えるでしょう。石目は中くらいから小さめですが、吸水率はやや高いようです。採石場が内陸のかなり奥になるので、陸上輸送の距離が長くなることから輸送コストが高くなり、そのことが価格の面に反映されてしまいます。

 

表面の仕上げについて

 

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

 

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

 

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

 

「天山紅」を取り扱う時の留意点

 

いろいろな要因からできるシミ

風雨による劣化は少ない御影石ですが、化学的反応には弱い場合もあります。美しい鏡面にできたシミは見た目を台無しにしてしまいます。色が変わることはもちろんですが、ひどい時にはウロコ状に剥離したような状態になることがあります。一例を挙げますと、壁にテープでポスターなど貼り付けた場合は、長期間そのままにするとテープの接着剤が浸透してしまいます。テープをはがした時に、シミになっていることがあります。他にも植物油や工業油、食品に含まれる酸も原因の一つになります。このような物質が付いた時には早めに拭き取ってください。ひどいシミになってしまうと専門家にお願いしても元通りにならない場合もあります。

色の雰囲気に違いが出ます

「天山紅」のような色のついた石は色の雰囲気が変わることがあります。「天山紅」の起源は10億年以上前と言われ、出来上がるまでに様々な鉱物が影響を与えてきます。採石される時期や深さでも色味が変わってきます。特に鏡面に磨かれた石の場合には、違いが顕著に見られるようになります。天然の石なので、このような事があることも念頭に入れておいてください。

「天山紅」に適した製品

館銘板や表札

館銘板とは会社や公共施設の名前が記された、一般家庭で言うところの表札のようなもので、大抵は単に銘板と言われています。華やかな赤い御影石の「天山紅」で作られた銘板や表札は、その建築物の顔としての大役を果たす最適な素材と言えるのではないでしょうか。

各種置物

「天山紅」の明るい色を生かしたオブジェが作られています。最近では新しい使い方も考えられています。例えば、モダンな形の照明器具やミニ庭園を模したオブジェなども作られています。ゴージャスな色合いを持つ「天山紅」のインテリアで、お部屋のイメージアップが図れるでしょう。

 

天板

御影石は水回りに使われる事の多い石材です。「天山紅」の赤い華やかな色合いは、キッチンや洗面台としても使われます。また、テーブルやカウンターのトップにもふさわしい素材です。「天山紅」の調度品は、高級感のある華やかな空間を演出できるのではないでしょうか。

「天山紅」のまとめ

地球最大の大陸のほぼ中央にあたる、世界中で海から一番遠い地と言われる所で切り出されているのが、御影石の「天山紅」です。長大な時間をかけて作り出される御影石は、地球の宝物と言ってもよいでしょう。その中でも綺麗な赤い色をした御影石は希少な石材とも言えます。このような事柄を知ると、御影石の「天山紅」に遥かな距離と時間を見出す事ができるのではないでしょうか。

参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)

本磨き、ジェットバーナー仕上げ共

300角…12597円
400角…12597円
300×600…12609円

2022年12月のしらべ

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