G684 中国産黒御影のご紹介

G684のしらべ

一言で黒御影石と言ってもいろいろな石があります。真っ黒に近い御影石から、ほぼ灰色のものまで様々です。天然の岩石ですので一つとして同じものが無いのは当然です。その中でも「G684」は一風変わった黒御影石です。

 

 

「G684」の原産地

中華人民共和国の東シナ海に面しいて、緯度が沖縄とほぼ同じくらいの位置に福建省寧徳市があります。その地区にある福鼎市(ふくてい、フーディン)が「G684」の採石される所です。この地域は、多種に渡るお茶を生産していることで有名な所で、中国茶の中でも華やかな香りがさわやかな「ジャスミン茶」や、紅茶の一種になる原材料のお茶の葉を栽培しています。また、中国茶としては珍しい、白茶(はくちゃ)と言うお茶も生産しています。このお茶は、若芽に産毛が生えている為に茶葉が白く見える事から白茶と呼ばれるようになったと言われています。観光名所としては、「太姥山」と言う山が有ります。信仰の対象にもなっていますが、なによりその風景が素晴らしい山です。標高が1,000mに満たないあまり高い山ではありませんが、多数の奇岩や巨岩が林立する風景は大自然の奇跡と言える景色となっています。登山道が整備され、多くの国内、海外の登山客や観光客が訪れています。


 

「G684」の特徴

 

本磨き

 

ジェットバーナー仕上げ

学問上では御影石と言う岩石はありません。御影石は石材としての呼び名となっています。多くの御影石は花崗岩ですが、「G684」は玄武岩です。花崗岩と同じく火山岩の一種になります。磨くと美しい鏡面になるので、石材としての御影石とされています。玄武岩はマグマが比較的早く冷えて出来上がる岩石で、それ以上に早く冷えて固まる斑晶(はんしょう)を含んでいることがよくあります。この斑晶が模様となって見える事から、「G684」は少し珍しい見た目となっています。地色は濃いグレーで、その中に浮かび上がるような黒い塊が模様となって入っています。この模様も黒御影石の中では、あまり見かけない稀な柄になっています。玄武岩は柱状に林立するような形で見る事ができますが、これを柱状節理(ちゅうじょうせつり)と言います。「G684」も柱状の原石を採石している為に大きなサイズの石材はあまり採れません。他の黒御影石と同じく、吸水率は低いので風化や劣化には強い石材となっています。

 

表面の仕上げについて

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

 

「G684」を取り扱う時の留意点

濃い色は色あせする事があります。

季節変化

風化には比較的強いですが、やはり長い年月風雨にさらされると劣化することがあります。一番目立つ変化は、色が褪せてくることです。バーナー加工などのツヤを消した表面でしたら気になりませんが、鏡面加工ですと色が濃いので白っぽく見えてきます。

化学変化

季節変化に比べて短時間で色褪せしてしまう事があります。御影石は酸やアルカリにもやや耐性がありますが、やはり天然の産物ですので、薬剤等が直接付いた後に放置すると色が褪せてひどい時には表面がざらついてくることがあります。

色褪せした時には磨き直すことができれば、元の美しさを取り戻すこともできます。専用の薬剤で綺麗になることもあります。しかし状態によっては、元通りにならない場合もある事を念頭に入れておいてください。

傷も目立ちます

鏡面に磨かれた「G684」は高級感があり、ツヤのある面はとても美しく見えます。しかし、このような表面加工の場合には傷が付くと非常に目立ちます。特に漆黒に近い濃い色の石の場合には格段に傷が目立つようになります。用途によって適切な表面加工を選んでください。

 

 

 

 

「G684」に適した製品

独特の黒御影石を使いこなす。

スピーカーボード

色々なサイズのタイル状のものが売られています。天然石は、その重量と電気を通さないと言う利点があります。重量があるおかげでスピーカーから出る音の振動が伝わりにくいことで、すっきりとした音質になります。また、電気を通さないのでノイズを拾うこともありません。「G684」のような黒い御影石は、粋な雰囲気と高級感を作り出せるので、オーディオ周りも一段とランクアップできるのではないでしょうか。

天板

大きいサイズの石材は採れない石ですが、カウンタートップや洗面台の天板に使うくらいのサイズなら採石されているようです。黒い色を使うと、空間が暗い雰囲気になりそうですが、「G684」のような個性的な模様のある黒い御影石の天板は、お部屋のイメージもシックで落ち着きの有るものになるでしょう。また、鏡面に磨かれた天板が照明の光を反射して煌めくと、ゴージャスな雰囲気にもなるのではないでしょうか。

 

「G684」のまとめ

玄武岩は世界中で見られるありふれた岩石です。しかし、柱状に林立するものを柱状節理(ちゅうじょうせつり)と言って、出来上がった形状は興味深い形をしていて、壮大な風景も作り出す岩石です。また、水平に切り取った形は六角形になっているものが多く、蜂の巣のように見えます。「G684」のユニークな見た目は、切り出す前の原石の面白さと通じる所があるのかもしれません。

2022年11月のしらべ

 

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