目次しらべ
インド砂岩ベージュ(India White Sandstone)のしらべ
「神々と信仰の国」と呼ばれるインドから切り出されている、柔らかな色合いの砂岩が「インド砂岩 ベージュ」です。
暖色系の色合いをした石が多いと言われる砂岩の中では珍しく、とても薄い色合いの石なので、白い砂岩とも呼ばれている石材です。
「インド砂岩 ベージュ」の原産地
インド共和国の北西部にラージャスターン州があります。州都ジャイプールの南にあるビルワラ市の近郊に「インド砂岩 ベージュ」の採石場があります。
ビルワラは、州の南部に位置し、州内で7番目に大きい街です。インドに存在していた古代文明であるインダス文明が栄えていた範囲に属している地域ですが、それ以前の石器時代の遺跡もこの街周辺で見つかっています。暑く乾燥した熱帯域の気候で、一日の寒暖の差が激しく、夏の雨季以外には降水量も少ない地域です。いくつかの小さな川が流れているだけですが、ダムやため池などが多数あるので、降水の少ない時期を乗り越えるための灌漑が州内では一番整っています。
経済は、20世紀の初めころから発展してきた繊維業が大半を占めています。また、地下資源が豊富で、州内でも宝石や貴金属などが産出しています。
砂岩だけでなく大理石も採石されていて、ラージャスターン州で切り出された白い大理石は、世界遺産にも登録されている美しい「タージ・マハル」の建立に使用されています。
「インド砂岩 ベージュ」の特徴
「インド砂岩 ベージュ」はベージュとご紹介していますが、国際的にはホワイトと紹介されている場合が多く見かけられます。
ベージュと呼ばれる色は、服飾やデザインとしては薄い茶系の色と認識されていることが多いようです。しかし、本来のベージュとはわずかに色味のある白で、似た色としてクリーム色や生成り色などがあります。
「インド砂岩 ベージュ」も白に近い色をしています。大理石には純白に近い石もありますが、砂岩は基本的に茶系や赤系の暖色をした石が多く産出しています。
その中に於いて、「インド砂岩 ベージュ」は異彩を放つとも言ってよいほど白く見える石材です。
わずかに黄色味を帯びているものもあり、純白では求められない温もりのある雰囲気を持つ白です。
砂岩は切り出したままの表面を利用する事が多く、砂丘や砂浜で見られる「砂紋(さもん)」に似た表面をしているので、「インド砂岩 ベージュ」はその色合いも含めてとてもナチュラルな雰囲気のある石材と言えます。
「インド砂岩 ベージュ」を取り扱う時の留意点
吸水による汚れについて
砂岩は石英と長石が主な構成鉱物で、小さな砂が積もって固まった堆積岩の一つです。砂の大きさによって強度も変わり、砂粒の大きなものは簡単に割れてしまうものもあります。
石材として利用される石は砂粒が非常に細かい物が使われますが、積もっただけの石なので、微細な隙間があります。そこに水がかかると簡単に吸い込まれてしまいます。
そのまま放置するとシミになったり、カビが生えたりすることがあります。もっと時間が経って常に水気のあるような場所では、苔が生える事もあります。
「インド砂岩 ベージュ」は白に近い色の石なので、シミなどの汚れがとても目立ちます。このような性質を考慮した上で適切なメンテナンスを行ってください。
経年劣化
どんなものも長い期間使用すると品質が下がってしまいます。石材は遺跡にも使われているものもあり、劣化するまでに長い時間のかかることもあります。
しかし、石材も例外ではありません。
石の種類によっては比較的短い期間で劣化する事があります。
砂岩は脆い性質があるので、環境の影響を受けやすい屋外での使用の場合には、十分なコーティングなどを施した物を使用する事をお勧めします。
「インド砂岩 ベージュ」に適した製品
装飾品
一般家庭の庭や、公共の場である公園や建物内部を飾る置物などの装飾品が作られています。柔らかい部類の石なので、脆いと言う弱点がありますが、加工が容易である長所もあります。
「インド砂岩 ベージュ」は、白に近い優しい色合いなので、どんな形の物でも、どんな場所にでも違和感なく利用できます。サイズも置く場所に似合った大きさのものが作られています。
装飾品は無くてはならないものではありませんが、このようなものが一つあると、余裕のあるゆったりとした空間を演出できるのではないでしょうか。
床材
砂岩は、大理石や御影石のようなツヤのある鏡面加工は出来ない石材です。しかし、切り出したままのような見た目の割り肌や、ツヤ消しのような表面がとても似合う石です。加えてこのような表面であれば、床材として使う場合には滑りにくく足元の安全性も保障できます。
「インド砂岩 ベージュ」は比較的均一の色合いなので、広い場所でも使いやすい石材と言えます。
「インド砂岩 ベージュ」のまとめ
砂岩は地球上で広範囲に分布しているので、普通に見られる岩石です。砂粒が川や海に沈み固まった石なので、学問上では砂粒の大きさによっていくつかの種類に分けられています。
キメの荒い石は小さく砕かれた砂利となり、色々な所に使われています。キメが細かく色味も良い石は装飾用の石材として利用されています。
このように、大量に存在する砂岩の中でも、「インド砂岩 ベージュ」は価値のある砂岩の一つと言えるのではないでしょうか。
参考価格(㎡単価、消費税別、運賃別)
割り肌
400角…6929円
400×600…6929円
2022年11月のしらべ
コメントを残す