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アズールバイア(Azul Bahia)のしらべ
熱帯の空や海の色を映した御影石があります。
日本からは地球の反対側に当たる、赤道と南回帰線のほぼ中間に位置する太陽の輝く地域で切り出されている石が、大理石に勝るとも劣らない、美しく青い御影石の「アズール バイア」です。
「アズール バイア」の原産地
御影石の「アズール バイア」は、ブラジル連邦共和国の東部、大西洋に面したバイーア州の州都サルヴァドールで採石されています。
サルヴァドールの正式名称は非常に長く、同名の都市が国内にあることから、近隣はもとより、国内でも州の名称と同じバイーアと呼ばれる事が通常となっています。
16世紀の初めにポルトガル人によって発見された地域で、バイーアとはポルトガル語で港を意味する単語です。発見された日がキリスト教の「諸聖人の日」であった事から、付けられた正式な名称が「諸聖人の港の聖なる救世主」を意味する長い地名となりました。
ブラジルで初めての大聖堂もこの街に建立されました。ヨーロッパからの移民がやってきましたが、アフリカからの移民も多く、現在この地域で暮らす人々はその子孫が大多数を占めています。
その為、アフリカの文化を思い起こさせる様々な事柄がこの地域に根付いています。
また、ブラジルで有名なカーニバルでの音楽と言えばサンバですが、サンバの発祥の地とも言われています。
「アズール バイア」の特徴
「アズール バイア」の最大の特徴は、何と言っても、その色にあります。宝石と見まがうほどの美しい青色をしている御影石です。
その上、大理石によく見られるような波のようなスジ模様もあります。それはまるで南国の透き通る海の波のような見た目をしています。
この色はデュモルティエライトと言う鉱物の影響です。この鉱物は、以前は宝石のラピスラズリの紛い物として売られていたこともあった青い色をしています。白い石英の塊もあり、微量の緑色をした部分も見られます。
鉱物に色が付くのは、ナトリウムやマグネシウムなど様々なミネラルが含まれるためです。ミネラルの種類によって色に違いが出てきます。
御影石は基本的に模様と呼べるような大きな柄の少ない石ですが、「アズール バイア」には大理石に見られるような流れる模様が現れる事があります。小さいサイズの石板では分かりにくいのですが、スラブ材と呼ばれる採石場で切り出されるサイズの大きな石の場合には、この模様を見る事が出来ます。
「アズール バイア」を取り扱う時の留意点
色の幅が大きい
「アズール バイア」の様に着色のある石材では、色に幅が出てくるのは仕方のない事です。一言で青と言ってもラピスラズリの様な紺碧からトルコ石のような緑がかった青があり、薄い青でも、春の空のような水色から洗いざらしのジーンズのような色まであります。
含有する鉱物の量や大きさで模様も変わり、鉱物に含まれるミネラルの量で色も変わってきます。特に「アズール バイア」には大きな模様も現れるので、一枚の石板でも色味の違う所があります。
このように、天然の素材であることを念頭に入れておいてください。広い場所に使う場合には特段の注意が必要となってきます。
洗剤について
お手入れをする時に洗剤を使うことはよくあります。近年では、住宅用洗剤なども多くの種類が売られています。住環境に使われる石材も、ひどい汚れがある時には洗剤を使うことがあります。
御影石は、酸やアルカリなどの化学作用に比較的強い素材ですが、あまり強い洗剤を使うと傷んでしまう事があります。特に酸を使ったものは極力避けてください。
一般的には中性の洗剤を薄めて使われるのがよいでしょう。洗剤を使った後は成分が残らないようにしてください。
表面の仕上げについて
アズールバイアだけではありませんが御影石には表面を研磨する「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。本磨き仕上げは年月が経ってもツヤがなくならないため外壁などに適しています。JB仕上げは表で面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色味が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面のデザイン性を伴うことができます。しかしアズールバイアは本磨きが宝石のように美しいためジェットバーナー仕上げはあまり見かけることはありません。
「アズール バイア」に適した商品
オブジェなど
とても美しい色をした「アズール バイア」は、モニュメントやオブジェなど芸術品のようなものに利用されます。
また、床材の一つとしてモザイク模様のアクセントにも使われます。
一般的な青御影は青味のある灰色の石が多いのですが、「アズール バイア」は特別にはっきりとした青い色なので、強調したいところに使われるとよいでしょう。
水回りに
洗面台やキッチントップに使われます。御影石のキッチンは高級感があり、傷もつきにくいので清潔に使えます。
「アズール バイア」のような色の場合には、独特の雰囲気も出せるのではないでしょうか。「アズール バイア」の青い石は、白とは違う清潔感と清涼感のある、一味違う調度品となるでしょう。
「アズール バイア」のまとめ
アズールとはポルトガル語で青色を示す言葉です。
「アズール バイア」が採石されているサルヴァドールは、ポルトガルによって発見され、ヨーロッパに紹介されました。
街が建設されてからのおよそ二百年間はブラジルの首都としての役割をはたしていました。
日本の夏の様な暑さが一年中続くこの地域から、涼し気な御影石が採石されている事は、釣り合いが取れているような気がします。
「アズール バイア」の様な御影石はここでしか採れない、貴重な石材と言えます。宝石のように美しい青い石では、通り一辺倒な使い方ではなく、新しい何かを作り出せるように模索していけると良いのではないでしょうか。
参考価格(㎡単価、消費税別、運賃別)
受注輸入製品価格…250,000円以上
2022年12月のしらべ
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