目次しらべ
ティーローズ(Tea Rose)のしらべ
お茶の香りがすると言われるバラがあります。「ティーローズ」と言う名のバラは黄色からオレンジ色をした花が咲きます。
大理石の「ティーローズ」もそのバラと同じく、香り高い紅茶のような色合いをしています。
「ティーローズ」の原産地
フィリピン共和国は、大小合わせて7,000以上の島で構成された多島海の国で、海を隔てて日本とはお隣の国になります。一番大きな島がルソン島です。
世界でも4番目に人口の多い島と言われ、首都のマニラを擁しています。ルソン島のほぼ中央に「ティーローズ」を採石しているブラカン州があります。
首都マニラの近郊にあたる地域で、都市部は工業化が進んでいます。多種多様な工業団地が作られ、繊維業や電子部品などの軽工業を中心としています。
また、地方では農業や養殖業が盛んに行われています。フィリピンはお米の消費量が多く、米をはじめとする穀物類やマンゴーなどの熱帯性フルーツが多く栽培されています。
養殖は淡水を利用して行われ、エビやバンガスなどが飼育されています。バンガスは身が白い事からミルクフィッシュとも呼ばれ、この国では日常的に食べられているポピュラーな魚です。
首都への生鮮品出荷だけでなく、冷凍した作物や魚類は輸出も行われ、地域経済の一端を担っています。
「ティーローズ」の特徴
「ティーローズ」は、ライトブラウンやダークピンクと言われるようなイメージの色をした大理石です。紅茶にミルクを注いだ時に混じりあう直前のような印象がある、薄茶系の地色に白い線がたくさん入っている石です。また、白い部分が押しては返す白波の様に見えるものもあります。
地色は薄い茶色や少し赤味のある茶色で、明るさや照明の色によってはくすんだピンク色にも見えます。その中に白い部分が入り込んでいますが、細い線の様な状態や、徐々に色が薄くなってグラデーションのようになっている場合もあります。
白い色と薄茶色やピンクの部分が細い縞模様の様な状態から、徐々に幅が広くなっていくように見える場合には、寄せては返す海の波のようにも見えます。
基本的にダークピンクや茶系と白の大理石ですが、時には茶系やピンクの濃い色やグレーのスジが入っている事もあります。白い部分は透明感のあるものが多いので、白がたくさん入っている石板は透けるような印象になります。
「ティーローズ」を取り扱う時の留意点
見た目が大きく変わります
大理石は天然の産物なので、均一の色や模様を求める事はできません。特に「ティーローズ」のような色や柄のものは大きな違いが出てきます。
まず色合いが茶色からピンクまで幅が広い事が挙げられます。その上、色の濃さにも差があります。また、白い線や玉(ぎょく)と呼ばれる塊の入り具合も千差万別です。
地色が濃くても白い部分が多ければ薄く見えます。ローズの名前があることから、ピンクを思い浮かべますが、実際には明るい茶色系が大多数です。
統一した色柄を求める事はできないと言う事を念頭に入れておいてください。
お手入れの手順
大理石は石材ですがデリケートな素材です。石の性質を心得た上でお手入れをしてください。弱点と言える点は、化学物質に弱く、水分を吸収してしまう事です。アルカリや酸に弱く、特に酸性のものは果汁が付着しただけでも溶け出すようになってしまいます。
また、水拭きをするだけでも水分を吸収して、鏡面加工などツヤのある表面にしてある場合にはくすんだようになってしまいます。軽くほこりを取った後は出来れば乾拭きしてください。水拭きをする場合は、硬く絞った柔らかい布で拭いた後に乾いた布で水分を吸い取って下さい。せっかくの大理石をお手入れで損なわないように、手順を守って美しさを長持ちさせてください。
「ティーローズ」に適した製品
床材として
「ティーローズ」はアースカラーと言える色をしています。大地の色とも言える落ち着いた茶系やちょっとくすんだピンク色は、落ち着きと温かさのある色です。
透明感のある模様は、日常とは少し違った雰囲気もあります。安定感のある色と少しだけ日常を離れたような柄で、独特の雰囲気を作り出せるのではないでしょうか。
また、どちらかと言うと濃い目の色なので、白い大理石や薄いピンクの大理石と組み合わせて作られるモザイク模様もスタイリッシュな空間作りに役立つでしょう。
インテリア雑貨
大理石は比較的柔らかい石材なので、様々な小物も作られます。アメニティグッズやステーショナリーなど、ちょっとした道具でも大理石で作られたものは高級感もあり、デスク周りや、洗面所の雰囲気をアップさせてくれるでしょう。
また、小型のオブジェもいろいろ作られていて、生活空間にゆとりを持たせる良いアイテムになるでしょう。
「ティーローズ」のまとめ
「ティーローズ」の採石場は、現在閉山しています。石の埋蔵量はまだまだあるようですが、付近の環境問題や利権もあり、問題がいくつか浮上していたことが原因の様です。
従って、すでに採石された石だけが流通しています。地球上には多くの岩石がありますが、見た目の良いものなどは商業的に価値が高くなります。
しかし、天然の産物であり、数千万年、数億年の時をかけて出来上がった大理石はかけがえのない物でもあります。環境の事も考慮した上で、有効に使うことを考えなければいけないのではないでしょうか。
2022年11月のしらべ
コメントを残す