チポリーノグリーン イタリアの希少な大理石のご紹介

チポリーノグリーン(Cipollino Green)のしらべ

アプアンアルプスと呼ばれるイタリアの山地から、樹々を渡る風を思い起こさせる大理石が切り出されています。
山を包み込む樹々の色を写し取った、爽やかな緑の大理石が「チポリーノ グリーン」です。

「チポリーノ グリーン」の原産地

「チポリーノ グリーン」が切り出されている採石場は、イタリア共和国のトスカーナ州ルッカ県にあるスタッツェーマと言う小さな村の近くにあります。
緑の樹々に埋もれるような、赤茶色の屋根を持つ家々が山の中腹にかたまって建つ小さな村です。
第二次世界大戦中に悲しい出来事のあった村で、終戦後に国立の平和公園が作られ、記念碑が建てられました。
大理石の採石場が散らばるこの地域には、素晴らしい鍾乳洞もあります。
アントロ・デル・コルキア洞窟は入り口から約2㎞までは観光客に開放されています。
日本の有名な鍾乳洞である秋芳洞に似て、上から降りてくるような「つらら石」と、地面から生えてきたような「石筍(せきじゅん)」が迫力のある地下宮殿を作り出しています。
また、20世紀前半までの約2,000年間採掘されていたレビリアーニ銀鉱山があります。
坑道の一部は博物館として保存され、坑道内の壁には銀が露出している部分も残されています。

「チポリーノ グリーン」の特徴

白地に緑の線が層を重ねるように入っている、流れる川や山を渡る風のイメージがある大理石です。
緑の色は緑泥石(りょくでいせき、又はクローライト)の色で、マグネシウムや鉄、アルミニウムなどの金属に由来します。
緑泥石はいくつかの種類に分けられていますが、概ね薄い緑から少し濁った緑色をしています。特にクリノクロアと呼ばれる石は磨くことによって美しい模様が現れるので、パワーストーンや半貴石として重宝されています。
「チポリーノ グリーン」の緑はグレーに近いダークグリーンや、綺麗な緑色になるものと様々です。
層を成して、正に地層のような模様やうねるような波のような模様、渦を巻くように見えるものもあり、切った方向で模様が変わります。
渦を巻くような模様の石は「たまねぎ石(オニオンストーン)」とも呼ばれることがあります。模様の入り方によっては、石全体の色のイメージが濃くなったり薄くなったりします。一言で緑と言っても微妙な違いがあり、同じような色でも模様の入り方で違う石の様にも見えます。

「チポリーノ グリーン」を取り扱う時の留意点

硬くても柔らかい石です

大理石の製品は、ほとんどの場合表面が磨かれてツヤのある美しい鏡面になっています。
美しさを保つためには、傷を付けないように注意が必要です。
大理石は炭酸カルシウムで出来ていて、「チポリーノ グリーン」の緑を引き出しているのは緑泥石です。いずれも岩石としては柔らかい部類に属します。
硬い物をぶつけたり、小さい製品の場合には落としたりすることもあるかもしれません。
そのような時には簡単に傷が出来てしまいます。補修する事もできますが、専門家にお願いしないと難しいようです。
逆に柔らかい部類と言っても岩石なので、例えば、テーブルトップに「チポリーノ グリーン」が使われている場合に、ガラスや陶器の食器などは強く置くと食器の方が壊れてしまいます。その様な事を避けるためにも優しく扱ってください。

全て一点ものと言えます

完全な天然石なので、色や模様に同じものはありません。
切り出して磨いてみないと、はっきりした色や、模様はわかりません。色や柄は、常に変わるものと念頭に入れておいてください。

「チポリーノ グリーン」に適した製品

大きく使う

柔らかい色と変化に富む模様をうまく使って単調になりやすい広い面に利用できます。
例えば、床にタイル状で縞模様のある「チポリーノ グリーン」を、模様の向きを変えて並べるだけでも随分と印象が変わってきます。
また、色の違う大理石と組み合わせるのも面白いでしょう。白い石と組み合わせれば優しいイメージになり、濃い色の大理石と組んだ場合にはシックな感じになるのではないでしょうか。

小さくても存在感があります

最近は大理石風の柄に人気があり、高級感や大人のイメージとして使われることが増えています。しかし、フェイクではなく本物の大理石には素晴らしい存在感があります。
そして、「チポリーノ グリーン」の緑色の模様には更に際立つ印象があるのではないでしょうか。
飾りとしての照明スタンドの台や、ちょっとした小物や置物など、小さなものでもお部屋の雰囲気が変わります。また、洋服のボタンやアクセサリーとしても使われることがあります。
磨かれた「チポリーノ グリーン」の色と柄は、宝石に近い美しい輝きもあるので、身につける石としても利用されます。

「チポリーノ グリーン」のまとめ

  イタリア半島は、その中央部に横たわる山脈の名を取ってアペニン半島とも呼ばれます。
半島の付け根に当たる地域には、アプアンアルプスと言う独特の山地があります。
モンブランやモンテローザなどの美しい高峰のあるアルプス山脈と、アペニン山脈の中間にあるこの地域では、古代より良質の大理石が採石されてきました。
大理石の名産地であるからこそ、様々な色のついた大理石も産出されています。
色付きの大理石は人気がありますが、「チポリーノ グリーン」は採石場所が少なく希少な大理石なので、入手も困難になっています。