スタッチャリオ イタリア産グレーの柄の白大理石のご紹介

スタッチャリオ(Statuario)のしらべ

ルネッサンスの時代に活躍した芸術家たちに愛された大理石があります。彫刻または、彫像と言う意味を持つ、白い大理石がアルプスの端にある山々から切り出されています。数百年の昔から産出されている白大理石のスタッチャリオをご紹介します。

「スタッチャリオ」の原産地

イタリア共和国の北に位置するトスカーナ州、マッサ・カラーラ県に複数の「スタッチャリオ」採石場があります。アルプス山脈の一翼を担う、アプアーネ山脈は別名を「アプアーネ・アルプス」又は簡素に大理石の山と呼ばれています。

古来より大理石を産出している場所で、ミケランジェロもこの地に彫像の材料を探しに来たと言われています。その伝承の通り、「ダビデ像」はこの地の大理石で作られています。この地域の主な産業である大理石の採石は、地上から掘り下げて行く露天掘りと、坑道を掘って山の横から採石する坑内掘りの両方が使われています。

大理石を採石するだけでなく、その様子を観光資源の一つとしても利用されています。坑内掘りの見学ツアーがあり、露天掘りの様子を見下ろせる展望台が作られ、素晴らしいパノラマの風景を楽しむことができます。晴れた日には遥かティレニア海まで見渡せる白い山肌の雄大な山々には、トレッキングを楽しむ人々も多く訪れています。

「スタッチャリオ」の特徴

本磨き

 「スタッチャリオ」の一番の特徴は、白地にグレーの模様がとても大きく入っていることです。模様はスジのような細い物から、帯のように太いものまであり、地色が真っ白なので、それほど濃いグレーではありませんがはっきりと見えるようになっています。

また、唐草模様のように入り乱れた柄になっている部分もあります。グレーの部分が多い場合には、冷たい海に白い氷が浮かんでいるようなイメージを持たせるものがあります。模様が大きい為に使われる場所も限られるようですが、非常に大胆な使い方のできる石種です。

有名な白大理石の「ビアンコ カラーラ」と同じ地域で切り出されているので、基本的な白さは同じですが、このように大きく模様が入っている大理石を「スタッチャリオ」として区別しています。大きく、くっきりとした模様のある石は、採石量が少なく希少な大理石となっています。

「スタッチャリオ」を取り扱う時の留意点

最大の弱点は酸です。

一言で大理石と言っても、学問上ではいろいろな種類の岩石があります。「スタッチャリオ」は、石灰岩から成り立つ変成岩に分類され、石灰岩が長い時間をかけて熱や圧力を受けて結晶化した物で、結晶質石灰岩と言います。

石灰岩には出来上がるまでの過程が二つありますが、大理石として利用するものは、主に古代の海に生息していた生物の殻や骨格のカルシウムが降り積もって出来た石なので、化学作用にとても弱い性質をもっています。特に酸に弱く、少し強めの酸であれば溶けてしまうことがあります。従って酸性の物が付着した時には早急に取り除かないと、表面がザラ付いたり傷ついたりします。壁面ではこのようなことは少ないでしょうが、床や天板などで使われている場合には注意が必要です。

お手入れ

大理石の性質は上記に示しましたが、お手入れの際にも同じような注意が必要です。「スタッチャリオ」のような白い大理石は汚れが目立ちやすいので、こまめなお手入れが必要となってきますが、基本的には水を使わないで、柔らかい布で乾拭きしてください。一番の禁忌は、強力な洗剤やカビ取り剤のような酸性のものを使用する事です。石を痛めてしまうので、このような薬剤は絶対に使わないでください。

「スタッチャリオ」に適した製品

模様を生かした大胆な使い方がされています。

内装材

高級なホテルなどの壁や床に使われています。大きな模様を生かせる広い壁面に使用されるのは、公共性の高い場所の特典ではないでしょうか。上下左右に大きく広がった壁に、切り出されたままの大きさの「スタッチャリオ」を大胆に使った壁面は、そのままで絵画のようなイメージを持たせることができます。

また、床面に黒や茶色系の大理石と合わせて、モザイクを組んでスタイリッシュに表現されている所もあります。お客様をもてなす場所を作り出す為の、高級感あふれる良い素材となるでしょう。

天板

大きな模様をそのまま使ってテーブルやカウンタートップに使用されています。白い大理石のさわやかな清潔感とグレーの大柄な模様と言う、一見アンバランスな見た目がとても個性的なインテリアを作り出しています。石材の調度品は冷たい感じもしますが、モノトーンの柄がお部屋をハイセンスな空間にしてくれるのではないでしょうか。

「スタッチャリオ」のまとめ

数百年以上も前からこの地で大理石が切り出されています。ルネッサンスを花開かせた芸術家たちの創作意欲を沸き立たせた素晴らしい素材がすぐそばにあったことは、今の時代に数々の作品を見ることができる幸せにつながっているのではないでしょうか。

しかし、長い年月大理石を採石していることで、現在の山の姿はミケランジェロが見たであろう山々とは違って小さくなっているでしょう。大理石も限りある貴重な資源の一つである事を念頭に置いて、大事に使っていけるとよいですね。