ルスキッサホワイト ルーマニア産白い大理石のご紹介

ルスキッサホワイト(Ruschita White)のしらべ

 

ルーマニアは、東ヨーロッパの自然豊かな農業国で、肥沃な大地と大きな山脈が国土を縦横に横たわり、鉱物資源も豊富な国です。
また、ヨーロッパでは珍しく石油と天然ガスの産出もあり、自然の恵みを存分に享受していると言えます。
大理石もその中の一つで、「ルスキッサ ホワイト」は世界基準に照らし合わせても良質な大理石です。

 

 

 

 

 

 

 

「ルスキッサ ホワイト」の原産地

ルーマニアは本州とほぼ同じ広さの国です。一部、黒海に面していますが、内陸の国と言ってよいでしょう。中世に於いて3つの公国があったことから、黒海沿岸と合わせて大きく4つの地方に分けられています。

「ルスキッサ ホワイト」の採石場があるのは、北西部に位置するトランシルバニア地方です。国土の中を逆L字型に貫くカルパチア山脈があり、この地方は南カルパチア山脈(別名、トランシルバニア山脈、トランシルバニア・アルプス)が東西に横たわっています。

この山脈を中心に概ね標高の高い高地で占められていて、海抜は600~850mほどあります。ルーマニア最大の大理石採石場があるルスキタは、カラシュ=セヴェリン県の北の端に位置する、ルスカ・モンタナコミューンを構成する村の一つです。

19世紀初めの頃から大理石が採石されていて、古い採石場ではまるで巨大な階段のような光景を見ることができます。切り立つ崖の様な険しい山の中で採石される様子は、圧倒されるものがあります。

「ルスキッサ ホワイト」の特徴

 

本磨き

「ルスキッサ ホワイト」は「ルスキッサ ダークピンク」と同じ山から切り出されています。この山で採石される大理石は、濃い色合いのものはありませんが、薄い赤味から黄色味のあるものまで多様な色合いの石があります。

その中でも特に色の白い大理石を、「ルスキッサ ホワイト」として区別しています。
白と言っても真っ白ではなく、微かに色味の付いたものが多く、ライトグレーの模様が浮かぶ所もあります。

基本的には白のグラデーションのようで、半透明に見える場所もあります。この採石場で採れる色の薄い大理石のほとんどは、庭石などに使われる白い玉砂利のような小さい石に砕かれます。また、粉状にしたマーブルダスト(大理石粉)にされ、人造大理石の材料や壁などの仕上げをする左官仕事に使われます。

「ルスキッサ ホワイト」として利用される大理石はほんの一部ですが、高品質の白い大理石と言われるイタリア産やギリシャ産の石材と比べても、遜色のない大理石と言えます。

 

「ルスキッサ ホワイト」を取り扱う時の留意点

水を嫌います

大理石は水に弱い性質があります。長時間水に浸かると表面がザラつくようになってしまい、極端な表現を用いると溶け出してしまうと言うことです。

キッチンや洗面台に使われる事がありますが、水回りに大理石を使う場合には撥水加工など、表面をコーティングした物を使われるとよいでしょう。

また、床に使われた場合、雨の日や、近年多い集中豪雨などで浸水した場合には早めの対処が必要となってきます。表面のツヤが落ちた場合には、専門家にお願いすると元の輝きを取り戻すこともできます。

白い色の弱点

洋服や道具など、どんなものでも白い物は汚れが目立ってしまいます。特に大理石は水を吸収する事があるので、それによってシミなどの汚れが生じることがあります。

「ルスキッサ ホワイト」はわずかな色が付いたものもありますが、基本的には少しの模様のある白い石です。こまめにお手入れされる事をお勧めします。

 

 

 

「ルスキッサ ホワイト」に適した製品

床材

ルスキッサの大理石は、アメリカ合衆国の大統領官邸であるホワイトハウスに使われています。執務室であるオーバル・オフィスと呼ばれる部屋の床に、「ルスキッサ ホワイト」を使った国章の白頭鷲が描かれています。

他にも、同じ採石場で採れた違う色の石と組み合わせて様々なモザイク模様を作り出すことができます。もちろん「ルスキッサ ホワイト」の白だけを使って、清潔感のある清楚な印象の空間を演出する事も出来ます。

モニュメントなど

大理石は石材の中でも比較的柔らかい部類で、細工のしやすい石です。
「ルスキッサ ホワイト」は知名度があまり高くないのですが、とても良質な白い大理石なので、彫刻などの美術品の素材として好まれています。
各地で開かれるビエンナーレ(隔年で開催される美術展)の中には屋外彫刻を集めたものも多く、その中には大理石を素材とした作品も出品されています。

 

 

 

「ルスキッサ ホワイト」のまとめ

「ルスキッサ ホワイト」は世界中の様々な所に使われています。白い大理石の一大産地があるイタリアのミラノ大聖堂(ドゥオーモ)は、あまりにも大きく、複雑な建築物で、完成までに500年ほどの時間がかかりました。

その為、現在では様々な場所で修復作業が行われています。「ルスキッサ ホワイト」も、その修復の為に使用されている材料の一つです。

その他のヨーロッパ各地はもとより、香港や日本などのアジア、アメリカ大陸など、世界中の建築物や駅などの公共の場で「ルスキッサ ホワイト」は使用されています。

東ヨーロッパの小さな村で採石された白い大理石は、海を渡って世界中で活躍していると言えるでしょう。

2022年11月のしらべ

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