レッドトラバーチン イラン産赤い巣穴の大理石のご紹介

レッドトラバーチン(Red Travertine)のしらべ

  火口からあふれ出る溶岩のような赤い大理石が、古代の交易路、シルクロードの重要な拠点であった都市の近郊で採石されています。「レッド トラバーチン」は、夕焼けの空を思い浮かべる事が出来る、燃えるような赤い色をした大理石です。

「レッド トラバーチン」の原産地

イラン・イスラム共和国の北部に東アーザルバーイジャーン州(東アゼルバイジャン州)があります。北側にアゼルバイジャン共和国との国境を接していて、州都のタブリーズは国内第4位の都市です。

100万人以上の人々が暮らすこの都市は、大変古い歴史のある街です。正確にはいつ頃建設された都市なのかは分かっていませんが、3世紀にはすでに都市としての機能がありました。

現在のアジアとヨーロッパが接する地域で、古来より交易の拠点として栄えてきました。その証とも言える中東最古で、世界最大規模のバザールがあります。

世界遺産にも登録されているタブリーズバザールは、金や宝石を扱うバザールや特産品のペルシャ絨毯を扱うバザールなどいくつかの商業施設から成り立っています。

現在も、国内外から多くの人々が買い物や商売の為に訪れています。このような地位にあった事から、多くの権力者がこの街を支配してきました。古代の要塞や城砦もありましたが、地震の多い地域なので、完全な形で残っている建造物はほとんどありません。


「レッド トラバーチン」の特徴

本磨き

大理石は主に石灰岩の石材としての名称ですが、石灰岩が出来る過程には大きく分けて二通りあります。大理石としての大多数の石灰岩は、簡単に言うと、古代の海洋生物の殻などが積み重なって固まった物です。もう一つは、温泉水や地下水に含まれる石灰質が沈殿して固まった物で、これを「トラバーチン」と言います。

一番の特徴は、目に見えるほどの穴が多く開いている事で、これを多孔質(たこうしつ)と言います。「レッド トラバーチン」は、ダークレッドから朱色、オレンジなど、赤系の色のグラデーションが見出せることの出来る美しい石です。

概ね縞状に層となった模様があり、中には白いスジが見えるものもあります。また、たくさんある大小の穴も色の層と平行に並ぶような感じで空いています。

その見かけは、長い時間をかけて石灰質が沈んで行き、出来上がった石であることの紛れもない証と言えるでしょう。中には、縞模様ではなく、赤や赤茶色が入り混じったまだら模様のようになったものや、大きな波のようにうねる様な模様を作り出している場合もあります。

「レッド トラバーチン」を取り扱う時の留意点

多孔質です

「レッド トラバーチン」の特徴の一つは、トラバーチンであることです。この種類の岩石が出来上がる過程に於いて、たくさんの穴が空きます。

この穴は、沈殿していった石灰質の上に生えた苔などの上に、更に石灰質が降り積もって行った為に出来た穴です。実に多くの穴が空いているので、そのまま床や水回りに使うことはお勧めできません。

しかし、技術的にこの欠点とも言える状態を克服する事ができます。合成樹脂やモルタル系、ガラス系などの物質で穴を埋めたものが、広く出回っています。また、壁などに使う場合には穴が空いたままの物を使う場合もありますが、ほこりなどが溜まってしまいます。掃除機などでこまめにほこりを取ってください。その際には表面を傷つけないように、優しく掃除してください。

濃い色の石です

色の濃い石材は、色味に違いが出た場合に大きく目立ってしまう事があります。例えば、同じ品種の花でも育成環境によっては色に違いが出てしまいます。

自然の産物であることを留意してください。特に色の層が細かい場合ですと、近くで見た時と離れて見た時では印象が変わることもあります。

「レッド トラバーチン」に適した製品

壁材

トラバーチンが壁に使われる事は多くの事例が示しています。「レッド トラバーチン」の赤は、情熱的な色合いから、大人っぽい落ち着いた赤、少し薄く明るい色もあります。

いずれの場合でも、華やかな雰囲気作りに一役買える素材と言えます。また、良く磨かれた表面は高級感も醸し出してくれるのではないでしょうか。

エレベーターホールなどにも使われますが、目を引かせるだけでなく、広い空間にメリハリを作ることができるでしょう。

オブジェなど

「レッド トラバーチン」はとても美しい石です。特に細かな層と多くの穴の配列が面白いものは、小さいサイズの石板1枚で、絵画の様にも使えます。

太陽が沈んだ直後の、夕焼け空になびく雲の様な見た目は、それだけで芸術品と言っても過言ではないでしょう。

また、置物や、花などを置く花台にも利用されます。比較的、濃い色合いの赤が多いので、お部屋の明るいアクセントとなります。

「レッド トラバーチン」のまとめ

イランは古い名前でペルシャと言います。現在でも様々なシーンでペルシャの名前が使われています。「レッド トラバーチン」にもいくつかの名前があって、ペルシャの名称が付くこともあります。

古代の人々は多くの困難を伴っても、様々な品物と知識を東西に広めていきました。それには使命感と情熱も必要だったのではないでしょうか。シルクロードの要の一つの都市の近くに眠っていた石が、エキゾチックな雰囲気のある情熱的な色をしていた事は偶然ではないのかもしれません。