赤い巣穴の大理石レッドトラバーチンのご紹介

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レッドトラバーチン(Red Travertine)のしらべ

大理石のレッドトラバーチンは、朱色を思わせる赤色系のベース地の表面に、ところどころ巣穴があいた石材となります。別名・赤色トラバーチンとも呼ばれており、採掘する丁場により、色の濃淡が生じる石材です。このページでは、色鮮やかなベース地がひときわ印象的な、大理石のレッドトラバーチンについてご紹介します。

原産地

大理石のレッドトラバーチンは、イラン中央部に位置するエスファハーン州で採掘されています。州都・エスファハーンは、古くから政治・文化、交通の要所として栄えた地で、ことに16世紀末のサファヴィー朝の時代には、国の首都が置かれたことから、とみに発展を遂げました。

16世紀末にエスファハーンを統治したアッバース1世が、絹織物、貴金属細工などの手工業を奨励したこともあり、現在でもこの地域では、手工芸品の生産が盛んです。また20世紀後半には、ソ連の支援により製鉄所などが建設されたこともあり、製鉄・製鋼などの鉄鋼業が、産業の中心を成しています。

エスファハーン市域は、16世紀以前に建造された旧市街地と、サファヴィー朝以後に築かれた新市街地とで構成されています。なかでも後者の市街地には、壁面を飾るモザイク紋様がとりわけ鮮やかな、歴史的建造物がいくつも点在しています。

新市街地に建つイマーム・モスクは、コバルトを原料とする濃紺地のタイルとトルコ石を顔料にした青色のタイルとを組み合わせたアラベスク文様で飾られています。この歴史ある宗教施設の周域に広がるイマーム広場は、1979年、ユネスコの世界遺産に登録されました。

特徴

本磨き

トラバーチンの概要

大理石のレッドトラバーチンは、赤地を基調とする表面の各所に、巣穴があいた特徴を有する石材です。トラバーチン種は、水中の化学的沈殿物が層状に堆積・変成した、石灰岩質に分類される石種で、その表面が虫食いのような巣穴のあいた、多孔質の特徴をもつことで知られています。

おもにクリーム色系と赤褐色系の石材があり、その代表種には、ローマの街並みにも使用されたトラベルティーノ・ロマーノなどが挙げられます。また市場では、空隙を樹脂などで補修した穴埋めタイプのものと、穴埋めを施さない未補修タイプのものが流通しています。

朱色ともいえる鮮やかなベース地に特徴があることから、空間をエキゾチックな雰囲気に演出するには、最適の石材といえるでしょう。

留意点

レッドトラバーチンの留意点についてご説明します。
吸水性・凍結に注意

大理石は吸水性を有する石材となります。屋外や水まわりでご使用になった場合、水濡れや雨水などの原因により、シミや汚れなどの症例が現れる場合があり、寒冷地では凍結する恐れがあります。また巣穴を穴埋めしていない未補修タイプのものを床材に利用すると、水が浸透しやすいため、石質にかなった環境下でのご使用をお勧めします。

耐酸性に注意

大理石は耐酸性の性質を持ち併せておりません。酸性洗剤のご使用や石本体が酸に侵されますと、変色や退色などの原因に繋がりますので、お手入れの際は、酸性質のものをご使用にならないように、くれぐれもご注意ください。

各石材のバラツキに注意

レッドトラバーチンは、天然の大理石のため、色調や模様などにバラツキが生じる場合があります。そのため、実際に施工する際には、あらかじめ各石材を仮並べするなどして、全体のバランスを確認したうえで、貼り合わせを行ってください。

使用場所

おもに屋内の壁面や床材として、高級ホテル、テレビ局、老舗デパート、国際会議場などの壁面に利用される大理石です。

まとめ

イラン中央部のエスファハーン州で採掘される大理石のレッドトラバーチン。鮮やかな朱色ともいえる肌地が、ひときわ印象深い大理石です。表面の各所には、この石種に特有な巣穴があいており、穴埋めしていない未補修タイプのものは、ご利用になる環境の見極めが大切となるでしょう。くれぐれも石質にかなった環境下で、ご使用なさってください。