アラベスカートオロビコレッド イタリア産赤色系大理石のご紹介

アラベスカートオロビコレッド(Arabescato Orobico Red)のしらべ

 

赤の顔料は人類が最初に見つけた色と言われています。現在使われている赤色染料の原料は、太古の昔に使われていたものと基本的には変わりありません。
「アラベスカート・オロビコ レッド」に現れる赤い色も原理は同じです。

 

 

 

 

 

 

 

「アラベスカート・オロビコ レッド」の原産地

イタリア半島はユーラシア大陸からアルプス山脈で隔てられ、地中海に突き出ている地形をしています。半島の中央部を南北に貫くアペニン山脈の名をとって、アペニン半島とも呼ばれています。
アルプスの山々が間近に迫るイタリア共和国の北部には、良質な石材が産出される地域が多く存在しています。その中の一つがロンバルディア州ベルガモ県にある小さな町です。
「アラベスカート・オロビコ レッド」が切り出されているサン・ジョバンニ・ビアンコの町には、アルプスに源流のあるブレンボ川が中心を流れています。
曲がりくねるこの川は幾度も氾濫してきた歴史があります。その為、この町には川の氾濫にも耐えるようにと作られた、石造りの堅牢な古い家が残っています。
ブレンボの名前は、自動車やオートバイの高品質なブレーキを作るイタリアの有名な会社に使われています。幾度も洪水を起こしてきた川の流れを止めるかのような意図から、この名称になったと言われています。

 


 

「アラベスカート・オロビコ レッド」の特徴

本磨き

   

   

「アラベスカート・オロビコ レッド」は「アラベスカート・オロビコ・グレー」が切り出される所より少し南で採石されています。
模様が大きく見える事は似ていますが、色に大きな違いがあります。
綺麗な赤から赤茶色、オレンジ色に見える部分もあり、太い帯の様に見える模様や、幾重にも重なったお菓子のミルフィーユの様に層をなしている柄が出る部分もあります。
基本的には赤系の色ですが、中には灰色の塊が大きく入っている物や赤と白、灰色が交じり合うような部分もあります。
また、はっきりした白い線もあるので、日本ではおめでたい色とされる紅白模様の様になっています。

 

「アラベスカート・オロビコ レッド」を取り扱う時の留意点

自然の産物です

「アラベスカート・オロビコ レッド」は「レッド」の名が示す通り赤い色のある大理石です。また、この名称は商標であって学問上の名前ではありません。
その事からイタリア語の赤を示す「ロッソ」や、華やかさを出すためにバラを意味する「ローズ」、「ローザ」と称される場合もあります。
綺麗な赤色や美しい模様が現れる石がある反面、模様が単調だったり柄がほとんど無かったりする石や、色が薄い場合や濁った様な色になる石など、切り出して磨いてみないとわからない事がほとんどです。
手元に取らないと厳密な色や柄はわかりませんが、天然の石であることは念頭に入れておいてください。

大理石の性質

大理石は岩石の一つですが、とても繊細な石です。石灰岩の一種で、主な成分は炭酸カルシウムです。
これは、卵の殻や貝殻、サンゴと同じ成分で、酸やアルカリの化学物質にとても弱い性質を持っています。
また、岩石ですのでとても重いものですが、傷がつきやすい石です。
模様や色の違う部分は成分が違うので割れやすい事もあります。
以上の事を踏まえた上で、優しく扱うようにしてください。

 

 

「アラベスカート・オロビコ レッド」に適した製品

インテリアのアクセントに

特徴的で大きな模様のある「アラベスカート・オロビコ レッド」は、広い面に使えばとても映える大理石です。
しかし、主張しすぎるとその場にあるすべての物の影が薄くなってしまいます。
印象的な色合いもあるので、ピンポイントで使ってみるのも良いのではないでしょうか。
段の柱や、花台などで使えれば赤と白のコントラストが空間を華やかに演出できるでしょう。

調度品

大理石は日本に於いては高級な石材と言うイメージがありますが、ヨーロッパではとても身近な石材です。
大理石の採石場が近くにある為、輸送コストが低い事がその要因の一つです。
日常的に使われるテーブルのトップや洗面台、キッチンカウンターにも大理石がよく利用されます。
赤い色はあたたか味があり、大きな柄はゴージャスなイメージも作り出せます。

 

 

「アラベスカート・オロビコ レッド」のまとめ

「アラベスカート・オロビコ レッド」が形成され始めたのは約二億五千年前と推測されています。
アンモナイトが生きていた頃のサンゴなどに由来する大理石です。
基本的には大理石の色は白いものが多いのですが、形成される時に様々な鉱物も混じってきます。
その為に「アラベスカート・オロビコ レッド」の様に綺麗な赤い色のある大理石も形成されました。
ステンドグラスなどに使われる赤いガラスは純金を使って発色させています。
また、樹脂などに色を付ける場合の染料は化学反応を起こさせた鉄が使われています。
鉛を使った赤系の色もあります。
このように食品用以外の赤い色は、金属が無くては作り出すことができません。
大理石に見られる赤い色も、鉄やアルミニウムなど様々な金属が含まれているために現れる色です。
含有する金属の種類や量で色の明るさや濃さが変わってくるので、面白い模様が織りなされます。
色の綺麗な大理石は、作られる過程を思いながら眺めると、また違った見え方ができるのかもしれません。

参考価格(㎡単価、消費税別、運賃別)

受注輸入製品価格…100000円以上

2022年11月のしらべ

 

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