ランゲドック フランス産の赤い大理石のご紹介

ランゲドック(Languedoc)のしらべ

フランスの貴族や貴婦人達が繰り広げる宮廷文化が花開いていた宮殿は、彼らに劣らない華やかで煌びやかな空間でした。
南フランスで切り出される大理石の「ランゲドック」は、大理石の中でも最も美しく赤いと言われている石です。

「ランゲドック」の原産地

フランス共和国の南部にオクシタニー地域圏と言う州にあたる場所があります。この地域圏は、かつての4つの地域圏が統合されて2016年に発足しました。
この地域圏で2番目に人口の多いエロー県にあるサン・ポン・ド・トミエールと言う村に、「ランゲドック」の採石場があります。
この村のある地域は、フランス革命の前まではラングドックと言うフランスの州の一つでした。フランスのほぼ中央部にあるセヴェンヌ山脈の南の端に位置し、「オー・ラングドック自然公園」があります。近郊の都市から休暇を楽しむ人々が多く訪れる所です。
カヤックを使った川下りや、ハイキングなどが楽しめる場所があり、デベゼ洞窟と言う名のとても美しい鍾乳洞もあります。
地中海に面したこの地域は、夏は乾燥して暑く、冬は温暖な気候なので、ブドウの栽培に適している為、古くからワインの産地でした。
昔は安価なワインを作っていましたが、現在では品質の良いラングドック・ワインとして、高級ワインの仲間入りをしている銘柄もあります。

「ランゲドック」の特徴

本磨き

「ランゲドック」大理石は、一言で言って艶やかな赤で、赤い大理石の中では最も赤いと言われています。赤い地色の中に白い石が入り、模様を作り出しています。
白い部分の入り方は、実に様々です。大小の塊が点々とあるものや、スジの様に細い線が波打つようにあるもの、帯の様に広く赤と白を二分するほどに見えるものがあります。
「ランゲドック」が赤い色をしているのは、赤鉄鉱(せきてっこう、ヘマタイト)が多く含まれているためです。赤鉄鉱は様々な形状のものがありますが、ほとんどの場合、黒から銀灰色をしています。しかし、この鉱物を粉末状にした時には赤い色をしています。
ヘマタイトの語源は血の色を指していますが、「ランゲドック」の色もそのように形容される事もあります。
「ランゲドック」の石切り場にある切り出す途中の場所は、赤い壁、もしくは赤い崖の様にも見えます。そこは、鏡面に磨く前から濃い赤の石が埋もれている事が分かる景色です。

「ランゲドック」を取り扱う時の留意点

美しい色ですが

含有する赤鉄鉱や酸化鉄の量によって色の違いが出てくるのは仕方のないことです。
深紅に近い赤から夕焼けの様な朱色に見えるもの、またはオレンジに近い色まで、同じ場所で切り出された大理石でも色味に差がでてきます。
また、白い方解石も入り方に差があります。斑模様のようなものや、アルファベットの筆記体の羅列の様にみえる細長い部分もあり、白い所がほとんど無いものもあります。
天然石である事を念頭に入れて使ってください。

緻密な物質です

大理石は石材の中でも柔らかい部類の石です。加工が容易なので、小物など雑貨にも利用される事が多くあります。
美しい「ランゲドック」は、家具のトップに使われる事もありますが、石材は緻密で硬い事を考慮してください。
テーブルなどにガラスや陶器の食器を置く時には、優しく置いて下さい。乱暴に扱うと、どちらも傷つける事になります。

「ランゲドック」に適した製品

壁や床

デパートのエレベーターホールに使われた例があります。華やかな色合いと、紅白模様が晴れやかなイメージを持たせてくれます。
階段や床に描かれるモザイク模様にも利用されます。
赤い大理石は種類が少なく、「ランゲドック」は特に濁りの無いスッキリとした赤なので、全体を引き締めた上で印象深い平面を形作ってくれるのではないでしょうか。

インテリア

テーブルやチェスト、ドレッサーなどの調度品のトップに使用されます。
「ランゲドック」の華麗な色と大理石の重厚さが、家具の格を押し上げてくれるのではないでしょうか。
また、近年では薪ストーブが環境に優しいと言うことから、暖房器具として人気が出てきていますが、暖炉はその前身とも言える暖房です。
「ランゲドック」は、その色合いから炎を連想させるので、古くからヨーロッパでは暖炉の周りを飾るマントルピースに使われてきました。
現在は、実際に薪を燃やすのではなく、インテリアとして飾り棚などに利用される事もあります。

「ランゲドック」のまとめ

世界中には美しいお城がたくさんあります。そのほとんどが王侯貴族や貴婦人の為に建てられました。
従って、高価な素材をふんだんに使い、多くの職人の手によって洗練された空間が創り出されたのは当然の事と言えるでしょう。
世界で最も豪華なお城とも言われるフランスのヴェルサイユ宮殿には、「ランゲドック」が様々な所に使われています。
柱廊を飾る幾本もの柱や、モザイク模様が美しい床、複数の暖炉など、澄んだ赤色の「ランゲドック」が豊かな彩りを添えています。
その為に、当時存在したいくつかの採石場は、王家が管理していました。
「ランゲドック」は、それほど価値のある大理石だったのです。
現在の採石場のある村では、火災で大きな被害を受けたノートルダム寺院の再建の為に、「ランゲドック」大理石を寄付すると提言しています。
古来より切り出されてきた赤い大理石の「ランゲドック」は、これからも華やかな空間作りに貢献できるのではないでしょうか。