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ペルリーノビアンコ(Perlino Bianco)のしらべ
多彩な種類のある大理石の中から、薄い色のついたペルリーノビアンコと言われる大理石をご紹介します。古くから親しまれ、その色合いから、お城や貴族の館に使われてきました。なじみ深い大理石です。
ヨーロッパでは産地の名前を取ってビアンコアジアーゴ(Bianco Asiago)とも呼ばれています。
また日本ではペルリーノキャロ(Perlino Chiaro)と呼ばれることが多いのでここではペルリーノキャロとします。
「ペルリーノ キャロ」の原産地
イタリア共和国の北東部、水の都ヴェネツィアを擁するヴェネト州に採石場があります。州の中ほどに位置する、ヴィチェンツァ県の高原地帯にあるアジアーゴと言う町で、大理石の「ペルリーノ キャロ」は切り出されています。
州都のヴェネツィアからおよそ80㎞北西に行ったところにある町です。人口は少ないのですが、標高1,000mの高原地帯は山岳リゾートを楽しむ人が多く訪れます。夏はハイキングやサイクリングなど、冬のウインタースポーツは通常のスキーより、2本のスティックを使って行うノルディックスキーやクロスカントリースキーが楽しめます。これらの冬のスポーツは世界的な競技会も行われています。
また、この地には州立大学と国立の2つの天文台があり、20世紀の終わりに見つかった小惑星の一つに「アジアーゴ」の名前が付けられました。地域の特産品として有名なものは、約1,000年前から作られている羊の乳を使った「アジアーゴチーズ」です。このチーズは、生産される地域の名前を冠する事ができるブランド品として国が保証する特産品の一つとなっています。
「ペルリーノ キャロ」の特徴
「ペルリーノ キャロ」は、薄いベージュの大理石です。堆積層がはっきりしていて、縞がくっきりと出ているのが特徴的です。この縞模様は、天空に閃く枝分かれする稲妻や、陶器に見られる貫入(かんにゅう)と呼ばれるひび割れのようにも見えます。縞は層を成すように平行に入っている場合や、ジグザグでランダムに入っているものがあります。縞の模様には、「さび」と言われる帯状の黄色っぽい色が入っていることもあります。産量は多いのですが、品質の低いものも多く、縞目からはがれやすいという欠点があります。また、比較的ピンホールが多いことから、ツヤが出しにくいことにも難があります。しかし、その色合いから、和の場面にも違和感なく使うことができます。和風建築に取り入れても、まったく不自然ではありません。さらに、薄い色ではありますが、ベージュというのは温かみの感じられる色ですので、明るくやさしい空間を演出するのに、恰好の大理石と言えるのではないでしょうか。
「ペルリーノ キャロ」の取り扱いで留意すること
石の特性を知る
個性的な模様がよい持ち味を出している半面、縞目からはがれやすいので、落下させたり、ぶつけたりすると割れることがあります。大きさの割に薄い大理石だと、なおさら割れやすいので、注意して取り扱ってください。また、小さい穴(ピンホール)が多くあいているので吸水性が高く、特に油分が付くとシミになってしまします。油分のシミは浸透してしまうと、非常に取れにくくなりますので、汚れた時にはなるべく早くふき取ってください。この時、乾いた柔らかい布で拭くことをお勧めします。
名称について
大理石の石材としての名称は色々な物があります。「ペルリーノ キャロ」の「ペルリーノ」はイタリア語で「真珠」を意味し、「キャロ」は「明るい」とか「輝く事」を指しています。直訳すると「輝く真珠」と言ったところでしょうか。ヨーロッパでは白い色を強調して「ペルリーノ ビアンコ」や、「ビアンコ アジアーゴ」と産地の名称を付けた名前が使われる事が多くあります。いずれにしても商品名なので、同じ産地の同じ石でも名称が違う場合がある事を知っておいてください。
「ペルリーノ キャロ」に適した製品
オーディオボード
小さい穴が多くあいていることの欠点を逆に利用して、振動を吸収することで大きな音でも、スピーカーが安定して良い音質が得られます。静電気を帯電しないという天然石の性質からオーディオの敵、ノイズを軽減することもできます。
ペットのクールマット
石材は熱を伝えにくいという特性を利用して、夏のペットの安らぎの場を提供できます。ペットにはエアコンもあまりお勧めできないので、ひんやりした大理石のベッドで、くつろげたらいいですね。「ペルリーノ キャロ」は柔らかい色が付いているので、汚れもあまり目立たず、天然石は不快害虫の繁殖も防げます。
キッチンに
キッチンの天板にも「ペルリーノ キャロ」は使われますが、近年ではお皿などにも利用されます。熱伝導率が低いので、大理石のお皿を冷やしておけば、冷たいお料理が冷たいままで提供できます。「ペルリーノ キャロ」は薄い色合いなので、どんなお料理も引き立たせることができ、縞のような模様もあるので、お洒落なお皿になるのではないでしょうか。また、パンやお菓子の生地をこねる台にも熱を伝えにくい性質が利点となって、良い生地を作る事ができます。
「ペルリーノ キャロ」のまとめ
はるか昔から親しまれてきた、大理石のペルリーノキャロは、現代でも割と身近に使われています。
様々なサイズの大理石タイルもあります。
お手頃な大きさのものを、生活空間に利用すれば、リッチな気分も味わえるのではないでしょうか。
参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)
300角…18423円
400角…18740円
2022年11月のしらべ
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