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G300のしらべ
マホガニーと言う名の高級木材があります。加工しやすい木材ですが、なにより美しい見た目が高級品としての証になっています。御影石の「G300」は、その色合いから「チャイナ・マホガニー」という別名もあります。
「G300」の原産地
御影石の「G300」は、中華人民共和国の北東部にある山東省に採石場があります。黄海に付き出した山東半島が大部分を占めていて、対岸は朝鮮半島になります。また、中国の二大大河の一つである黄河の下流域になり、肥沃で広大な土地を有しています。海に面していることから、古くから交易の為の重要な地域となり、海運によって街も栄えてきました。大陸からの珍しい品々も、この地域の港から出航した船が昔の日本に運んできました。現在は、輸出入のための大型タンカーも接岸できる港湾設備も整っていて、貿易の拠点としての役割を担っています。中でも日本に向けての野菜の輸出量は、中国国内のおよそ半分が山東省で賄われています。肥沃な土地と、地球規模で測る緯度が日本の中央部と同じくらいの位置に当たる事が、日本向けの野菜を育てる為の条件として整っていたようです。栽培方法や残留農薬の量など、日本に輸出するための基準は厳しく広範囲にわたります。そのような条件をクリアした、高い品質の野菜だけが山東省の港から送り出されています。
「G300」の特徴
「G300」は、茶色系の御影石です。薄い茶色で黄色系の御影石は「サビ石」と呼ばれることがありますが、「G300」はサビ石より濃い色をしていて少し赤味があります。御影石と言う名称は、日本で使われる石材の名前として広く知られていますが、基本的には多くの御影石が花崗岩(かこうがん)です。花崗岩はマグマが地下でゆっくり冷えて固まった岩石で、深成岩のひとつです。複数の鉱物で構成されている石で、「G300」のような色を引き出しているのは鉄を含んでいる為です。表面加工の種類で見た目が変わりますが、ツヤのある鏡面加工の場合は特徴がよくわかります。基本的にはブラウンとグレーが入り混じったような石で、黒い粒子が点々と入っています。しかし天然の石ですので、色や柄にムラが出るのは仕方ありません。茶色の部分が大きく広がっているものや、黒い粒子が多く入り、色が濃く見える場所もあります。ツヤを抑えた表面の場合では全体が薄目の茶色に見えます。吸水率は低く劣化に強い石材となっています。
「G300」を取り扱う時の留意点
表面の加工方法で気を付ける事
鏡のように磨き上げた鏡面加工は、非常に美しく色や柄の特徴をはっきりと表すことができます。しかし、使う場所には注意が必要です。一番の欠点は滑りやすいと言う事です。従って、利用する人の安全を重視すれば床や階段の踏み板の全面的な鏡面加工は避けた方がよいでしょう。ツヤを消したザラつきのある部分と併用でしたら安全も確保できるでしょう。また、傷が付いた時にとても目立つことも挙げられます。御影石は硬い部類の石材ですが、多くの人が歩く場所などでは傷も付きやすくなります。
色の違い
「G300」のような中間色とも言える色合いの石は、色の雰囲気と濃さに違いが出る事があります。含有する鉱物の量によっては赤味の強い石や、黒っぽくなる石があります。特にツヤのある鏡面加工の場合ですと、このような特徴が顕著に現れます。天然の石であることを念頭に入れ、色の違いが出る事を想定したうえで利用してください。
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
「G300」に適した製品
建材として
ツヤを出した「G300」が壁や門柱になど垂直面に使われます。鏡面加工にした場合は、色が濃くなる傾向があるので、目を引くアクセントに使用される事もあります。また、ツヤ消しの滑りにくいものが床や階段などの水平面に使われます。吸水率が低く屋外で風雨に晒されても、すぐに劣化することもなく天然石の高級感が建物のグレードアップに役立つでしょう。
環境石材
一般的に公共の庭園や公園などに使われている石材を「環境石材」と言います。花壇の仕切り部分や緑化のためのプランター様の物、駐車場の車止めなど数え上げると、とても多くの物が御影石で出来ています。表面の加工方法は、作られている物によって様々に変えられていて、中には、一つの石材で複数の加工方法が採られている事もあります。「G300」は柔らかい色合いなので、周りの空間を温かい雰囲気にできるのではないでしょうか
「G300」のまとめ
御影石の「G300」の採石場が輸出するのに便利な港に近いため、短期間で多くの採石が行われてきました。輸送コストが低いため比較的安価で取引されることも、大量に切り出される一因となっています。そう言う事から山の形が変わってくることもあり、環境保護を訴える人々もいます。御影石も限りある天然の資源であることを念頭に入れ、大事に使っていきたいですね。
現在、閉山となっています。
参考価格(㎡単価、消費税別込、運賃別)
300角…11495円
400角…11495円
300×600…11505円
600角…17810円
2022年12月のしらべ
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