アラベスカートオロビコグレー イタリア産グレー系大理石のご紹介

アラベスカートオロビコグレー(Arabescato Orobico Grey)のしらべ

 
岩石の学問上の名称は単一で味気ないものが通常です。
しかし、石材としての岩石には目を引く名前が必要となってきます。
イタリアで切り出されている大理石には、「アラベスカート」と付いた石が数種あります。
古代から受け継がれてきた文様の名を冠した大理石の一つに「アラベスカート・オロビコ グレー」があります。

 

 

 

 

「アラベスカート・オロビコ グレー」の 原産地

 

イタリア共和国の北部にあるロンバルディア州はアルプス山脈の麓に位置します。
州都であり、イタリア第二の都市ミラノから約70㎞北東にあるカメラータ・コルネッロと言う小さな町で「アラベスカート・オロビコ グレー」が切り出されています。
山間部の小さな町で、風光明媚な場所がいくつかあり、一部の地区はイタリアの「最も美しい村」に登録されています。この小さな町は現代社会の基礎の一つ、郵便の仕組みを構築した人物の出身地です。
情報の伝達が大事であると考えた支配者は、紀元前の時代にすでに登場していました。
しかし、現在のような仕組みに発展させたのが、ベルガモ飛脚と言う組織です。古代ローマ帝国と当時のドイツ帝国の一部を網羅して、後の郵便事業を大きく発展させることに貢献しました。

 


 

「アラベスカート・オロビコ グレー」の特徴

本磨き

  

道端に落ちている小石の色は灰色をしている物が多くあります。灰色は、岩石の色としてはとてもありふれた色と言えます。
大理石は学問上では石灰岩と言って白や灰色の岩石で、「アラベスカート・オロビコ グレー」は一言で言えば灰色をした石です。
しかし、磨かれたこの石を見ると、黒っぽいグレーからとても薄いグレーまで様々な段階のグレーを見出すことができます。
色の和名は実に多くの種類があり、灰色に分類される色は簡単に分けても二十種以上あります。
自然の作り出した微妙な色の違いをこの石で見る事ができます。
帯状の灰色の部分に白い線が入り、海の波のようにうねりを見せてくれます。
時には金色に見える筋もあり、無彩色の石にアクセントを付けてくれます。
 

「アラベスカート・オロビコ グレー」の留意点

お手入れについて

大理石は石材としての名称で、学問上では石灰岩です。石灰岩は大部分が炭酸カルシウムで構成されています。
また、色の違う部分は様々な鉱物が混じっている為です。
炭酸カルシウムはとてもデリケートな物質で、酸やアルカリと言った化学物質に触れると溶けだしてしまう性質を持っています。
また、石灰岩は風化には強いのですが、浸食(水の影響)にはとても弱いと言う特徴があります。
従って、日常的に利用している大理石のお手入れには細心の注意が必要となってきます。
まず、漂白剤など酸性のものや、強力な洗剤は絶対に使わないでください。
次に、水拭きをする時は、硬く絞って拭き、吸水性の高いセーム布やマイクロファイバー製の布で拭きとるとよいでしょう。

 

名称について

「アラベスカート・オロビコ グレー」は商標です。大理石は天然の石なので、色に違いが出てきます。
その為、「ライトグレー」や「ダークグレー」と言った名称が使われることもあります。
また、金色に見えるスジが入るものもあるので、「グレーゴールド」と名のついた石材もあります。
いずれも同じ場所で切り出されていますが、大理石は天然の産物であることを念頭に入れておいてください。

 

「アラベスカート・オロビコ グレー」に適した製品

テーブルやカウンターのトップ

「アラベスカート・オロビコ グレー」は名前の通り灰色をした大理石です。
モノトーンの落ち着いた色合いは、どんな部屋にもマッチするのではないでしょうか。
モノトーンと言っても単一の色ではなく、グレーの濃淡が細い線や帯の様な太い模様を作り出しているので殺風景な感じはありません。
むしろ、さりげない高級感を醸し出してくれるでしょう。

内装壁面など

大ぶりな模様を織りなす石なので、広い面に使うことで「アラベスカート・オロビコ グレー」の魅力を大きく引き出すことができます。
色の性質から、控えめではありますが、大きな模様と鏡のように磨き抜かれた壁面は、上質な空間を作り出すことができるでしょう。
また、無彩色である為に、同じ空間にある調度品やそこに居る人の服装など、様々な色を引き立てる役にも立つのではないでしょうか。

「アラベスカート・オロビコ グレー」のまとめ

アラベスカートとは、古代エジプト時代から使われてきた唐草模様のアラベスクからきている名称です。
地中海沿岸に残されている神殿などは、大理石を使ったものが多くあり、神に祈りを捧げる神殿には、当時の最高級の材料と技術と意匠が施されています。
大理石の柱や残された壁面に彫られた複雑な唐草模様は、今も様々な場面で使われていて付加価値を上げる役目も果たしています。
大理石の模様は地層と同じく、自然が長い時間をかけて作り出したものです。
その大理石の太く細く層をなした模様の中に、古来より伝わる植物が複雑に絡み合うアラベスク模様が見出されたのは、当然のことではないでしょうか。
「アラベスカート・オロビコ グレー」は、初めて切り出されてからまだ半世紀ほどの比較的新しい石材です。
地球上にはまだまだ多くの石灰岩が眠っています。
これからも新しい大理石が見つかる可能性は大きいのではないでしょうか。

参考価格(㎡単価、消費税別、運賃別)

受注輸入製品価格…100000円以上

2022年11月のしらべ

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