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クレママーフィル(Crema Marfil)のしらべ
定番の人気がある、ベージュから黄色っぽい色の大理石、クレママルフィル(クリームマーフィル・クリームマーフィーとも呼ばれています)をご紹介します。
大西洋と地中海に挟まれた、スペイン王国から産出しています。
使える場所を選ばず、常に一定の人気を保っている、大理石です。
「クレマ マーフィル」の原産地
大理石の「クレマ マーフィル」は、ヨーロッパの西の端イベリア半島の大部分を占める国、スペイン王国のバレンシア州アリカンテ県で採掘されています。アリカンテ県はバレンシア州の南部に位置し、地中海側のほぼ中央にある地域です。夏は暑く乾燥し、冬は暖かい地中海性気候の地域で、年間の降水量は少なく、この地域にある川の大部分が大雨の降った時にしか水が流れない川となっています。
県の南部には湿地帯と二つの塩湖があり、ここで作られる塩は国内の消費量の大半を賄っています。二つの塩湖は気候の影響から塩分濃度が高く、豊かで珍しい動植物相を育んでいることから、マタ湖・トレビエハ湖自然公園に指定されています。
また、トレビエハ塩湖はピンク色をしている事で有名です。県の北部はほとんどが山岳地帯ですが、あまり高い山はありません。海と山が近い為に川は急で短く、山からの栄養素が短期間で海に近い平野に届けられています。
肥沃な平地では、ブドウやオリーブなどの果樹栽培が盛んに行われています。
「クレマ マーフィル」の特徴
大理石の「クレマ マーフィル」は、スペイン王国でも最大の産出量を誇る地域から切り出されています。地色は、白に近い薄い茶色から黄色っぽい色まであり、採石場の違いで少し色が変わってきます。しかし、元々色の薄い石なので、大きな差が出る事はありません。「クレマ」はスペイン語でクリーム色を指し、「マーフィル」とは象牙の事を表している単語です。「クレマ マーフィル」を直訳するとクリーム色の象牙と言うことになり、正に象牙のような柔らかい色をしている大理石です。柄は少なく、淡い模様が見られるくらいで、わずかに色の違うスジ模様が入っています。模様が少ないので、小さい作品や、狭い場所の柄合わせなども問題なく使用することができます。明るい色調で温かみのある大理石で、やさしい風合いの「クレマ マーフィル」は、使う場所を選ばないのが良いところです。大きな模様や細かな柄がたくさん入っている石ではないので、疵やピンホールは比較的少なくなっている使いやすい石種となっています。
「クレマ マーフィル」を取り扱う時の留意点
石の性質を知る
大理石は石灰岩の一種なので、その性質から石と言うイメージとは裏腹にデリケートな岩石です。酸性やアルカリなどの化学作用に弱く、また、傷も付きやすい石です。特に屋外に使った場合、比較的短期間でコケやカビが生えることもあります。以外に手のかかる石なのですが、きちんとお掃除やメンテナンスを行えばいつまでも美しい持ち味を保てます。
お手入れ方法
「クレマ マーフィル」は薄い色の石なので、汚れが付着するととても目立ちます。ピンホールなどが少ない石ですが、それでも大理石は比較的吸水率の高い石です。日常的なお手入れは柔らかい布で乾拭きをすることが一番です。汚れがひどい時には硬く絞った布で拭いて下さい。どうしても洗剤を使う場合には、大理石専用の洗剤が一番よいのですが、薄めた中性洗剤でも使えます。洗剤成分が残っているとシミの原因になってしまいますので、洗剤を使った後は必ずふき取ってください。また、石を痛めてしまうので、強力な洗剤やカビ取り剤などは絶対に使用しないでください。
「クレマ マーフィル」に適した製品
インテリア雑貨など
近年では技術や工作機械などが向上してきているので、昔に比べると緻密な細工も出来ますし、サイズの小さい物も容易に作成できるようになっています。「クレマ マーフィル」は、やさしい質感と、淡い模様の大理石なのでお部屋を彩る置物などが作られています。また、厚みの薄い石板を利用して照明器具にも使われます。テーブルやカウンターのトップにも使われ、柔らかい色合いの「クレマ マーフィル」は温もりのある室内に高級感も添えることができるでしょう。
内装材
模様が少ないので、ちょっとした小さい面積の場所にも使えます。最近は、床の全面を大理石張りにするのではなく、要所々々に使用する方法も編み出されています。床の一部分に大理石を使って、アクセントをつければ、イメージの向上を図ることができるでしょう。柄合わせをする必要もなく、上下の向きも考慮しなくてよいので、タイル状の大理石を無駄なく使うことができます。ただし、大きく色味が変わる事はありませんが、多少の差がある事は念頭に入れておいてください。
「クレマ マーフィル」のまとめ
大理石の「クレマ マーフィル」は名前が示すように象牙のような色をしています。古来より洋の東西を問わず、芸術品を作るために使われてきた象牙ですが、現在は取引のほとんどが禁止されています。鏡面に磨かれた大理石の「クレマ マーフィル」は、同じく磨き上げられた象牙の色や淡い模様とよく似ています。石と生物が持っていた牙が似た様相をしている事は偶然かもしれませんが、どちらも地球の恵みには違いありません。大理石の流通量も増えていますが、限りある資源であることは間違いなく、大事に使っていけるとよいのではないでしょうか。
参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)
300角…14014円
400角…14488円
300×600…16076円
600角…19701円
2022年11月のしらべ
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