ターニングトルソ(Turning Torso)

「ターニングトルソ 」のご紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北欧のスカンジナビア半島で一番高い建物が、少々変わった外観をしています。
日本語では「回転する胴体」または、「変化する胴体のみの彫像」と表すこともできる「ターニングトルソ」をご紹介します。
北欧の街に建つ、ねじれたランドマークタワーです。

「ターニングトルソ 」の設計者

「ターニングトルソ」の設計者であるサンティアゴ カラトバは20世紀の半ば1951年にスペインで生まれました。ヨーロッパの各地で建築や構造学、都市計画などを学び、美術の勉強もしてきました。建築家として活動を始めた当初は、橋や駅、空港など公共の場の建造物がほとんどでした。多くはコンペと呼ばれる建築競技会で勝ち取ったものです。彼の作品は白を基調としたものが多く、シンプルで未来的なイメージを持っています。しかし、そんな中にも柔らかさを持たせることができるのは、見た目の動きがあるからです。これは「キネティック・アーキテクチャ(動きのある建造物)」と呼ばれ、彼の得意とする方法です。芸術家でもある彼の作品には、彫刻などと同名の建物もあります。一例が「ターニングトルソ」で、スウェーデンのベイエリアに建つビルと同じ形のスチール製の彫刻を作成しています。このようなことから、彫刻的な美しさと、見る角度によって動きのある建造物を作り出せる建築家と言えます。

 

「ターニングトルソ 」の所在地

北欧の国、スウェーデン王国の南端に位置するスコーネ県マルメに「ターニングトルソ」が建っています。エーレスンド海峡(または、オーレスン海峡)を挟んで、対岸にはデンマークのコペンハーゲンがあります。古くから港湾都市として栄えてきましたが、15世紀の頃にはデンマークの領土で最大の人口を抱える都市でした。幾多の戦いを経て、17世紀にはスウェーデンの支配下に入った地域です。第二次世界大戦の時には幸いにも戦火を逃れたため、中世の建物が多く残されました。市庁舎はその代表的建物と言えます。近代では、2000年に開通した国境を超える橋が掛けられ、デンマークまで車や鉄道で渡れるようになりました。この道は、オーレスン・リンクと呼ばれ、全長約16kmあり、美しい姿を見せるオーレスン橋が約8km、人工島のペベルホルム島上は約4kmあり、島からデンマークまで約4kmの海底トンネルで構成されています。オーレスン橋の上に国境がありますが、掲示だけで、検問等を行う場所は作られていません。「ターニングトルソ  」が建つ近辺からは美しいオーレスン橋の全景を見ることが出来ます。

「ターニングトルソ 」の特徴

「ターニングトルソ  」は、2005年に完成したスカンジナビア半島で一番高いビルです。細長い直方体をぐるっとねじったような形で、5階層ごとに区切られていて、9つのブロックで構成されています。白い四角のブロックを、ひねりながら重ねていったような形をしています。らせんを描くような構造をしていて、1階から最上階までで、1ブロックに10度づつ9ブロックで90度ずらされています。一見すると四角い建物を捻ったように見えますが、実際の平面は正方形に三角形を付けたような形になっています。ねじれた構造になっているので、不安定な感じもあるようですが、建物の中心には円形の芯が作られています。5階ごとにあるメンテナンスのための階層がアクセントを持たせていて、サイコロを積み重ねたようなイメージがあり、2面は強度を持たせるためにパイプ状の柱が添えてあります。下層階はオフィスやカフェなどが入り、高層階は高級住宅になっていて、最上階の53階と54階は会議室になっています。未来的な白いビルなので、クールなイメージもありますが、捻った形が柔らかさを出している為にエレガントなシルエットを見せてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

「ターニングトルソ 」のまとめ

高い建物が少ない街なので「ターニングトルソ」は遠くからでもよく目立つ建物です。上の階からの眺めは素晴らしいものがあるのでしょうが、残念ながら展望室は備えていないので、関係者以外は立ち入ることができません。しかし、マルメの街のランドマークになっている「ターニングトルソ」は外観だけでも面白いビルなので、わざわざ見に来る観光客もいるようです。北欧の青空を背景に建つ白いビルは、近代的な美しさがあり、一見の価値があるのではないでしょうか。

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