タンブラウン インド産茶系御影石のご紹介

タンブラウン(Tan Brown)のしらべ

特徴的な色合いが魅力的な御影石の「タンブラウン」をご紹介します。インド亜大陸のほぼ中央の大地から切り出されている、シックな御影石です。和風にも洋風にも使える人気のある石種です。

 

 

 

 

 

「タンブラウン」の原産地

インド共和国のほぼ中央に位置する国内で一番新しい州がテランガーナ州です。21世紀に入って州の再編が行われ、アーンドラプラデーシュ州から分割された州です。「タンブラウン」の採石場があるのはカリムナガルと言う街の郊外で、デカン高原の中央部分を占める州の中央に近い内陸地です。州の重要な都市の一つであるカリムナガルは、紀元前3世紀の頃に栄えた古代王朝の首都を務めた歴史があります。内陸の街ではありますが、マネア川と言う大きな川があり、街の南西部はダム湖に接しています。気候は年間を通した平均気温が20℃前後で、夏季のモンスーンの時期に大量の降水があります。経済は、稲作と綿花の栽培が主に行われている農業と、花崗岩の採石によって賄われています。多くの採石場がある事から、「花崗岩の街」と言う呼び名もあります。近年では様々な事柄のIT化も進められ、国内で100あるスマートシティの一つとして認定され、更なる開発に取り組んでいます。

「タンブラウン」の特徴

 

本磨き

 

ジェットバーナー仕上げ

「タンブラウン」は名前の通り、基本的には濃い褐色の御影石です。独特の色調を持っているのが一番の特徴の石材です。地色は黒い色に見えますが、濃い青色をした鉱物です。菫青石(きんせいせき、コーディエライト)と言って、「タンブラウン」を構成する主な鉱物です。菫青石の発色が綺麗な石は「アオイライト」と呼ばれ、インドでの産出が多く、パワーストーンや宝石の一つに挙げられていています。地色の中に見える赤茶の塊がカリ長石で、比較的大きな結晶を見る事ができます。赤い部分の大きい塊の中には、ひび割れのようなスジも見られます。赤や赤茶の塊を囲む黒っぽい地色の部分は、広い面で見ると流れ模様のように見える石もあり、茶色の結晶が浮かび上がるように見える物もあります。この複雑な模様の中にある赤い色が多い赤目と言われるものと、赤い部分の少ない黒目と言われる石があります。赤目と黒目では、見た感じがかなり違ってきます。石質は安定していて、色の割にはどこでも違和感なく使えることで人気のある御影石です。

表面の仕上げについて

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凹凸があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色味が薄くなります。

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

「タンブラウン」を取り扱う時の留意点

 

一風変わった色合いだからこそ気をつけること。

少しの面積でも色調が変わってきますので、床や壁など広い場所に使う場合は注意が必要です。タイル状の「タンブラウン」でも、均一の色にならないことがあります。赤味の強い部分と、黒っぽい部分に分かれたり、白い部分が多く入って柄が多少大きくなったりすることがあります。上下左右のバランスを見ながら、使う場所の雰囲気と合わすことにより、重厚な感じを併せ持つ高級感を作り出せるでしょう。また、濃い色ですので、鏡面加工の場合は傷が付くと目立つ可能性があります。

複数の採石場があります

「タンブラウン」はカリムナガルの街の近郊に複数の採石場があります。基本的には構成する鉱物などの違いはありませんが、天然の石なので色味が変わる事があります。特に、赤や赤茶の部分の色の雰囲気が変わると、石全体のイメージも変わってきます。大量に使用する場合には採石場の情報も入手する方がよいでしょう。

「タンブラウン」に適した製品

 

建築物の内外に広く使われます。

床や壁に

マンションのエントランスやホテルの玄関の壁に使われる例があります。高級感があり、粋な色合いの「タンブラウン」は、お客様や、そこに住む人々を迎える場所にぴったりのグレードの高い空間を演出できることでしょう。また、床材としても濃い目の色合いは安定感を引き出すことができるので、落ち着いた雰囲気が期待できます。色が濃いので、薄い色の石と組み合わせればスタイリッシュな床を作る事も出来ます。床に使用される場合は、足元の安全の為にもツヤを抑えた表面にされる事をお勧めします。

天板

「タンブラウン」は、高級なキッチンの天板にも使われます。基本は濃い目の色なので、落ち着いた感じに仕上がります。吸水性が低く、酸やアルカリなどの化学作用にも強いので、お手入れも簡単です。そうは言っても天然の石なので、お掃除のときは中性洗剤を使うことをお勧めします。洗剤を使った後はしっかり洗剤成分を拭き取ってください。残るとシミになる場合があります。色調が茶系なので、木材との調和も取れるのではないでしょうか

 

 

 

 

 

 

「タンブラウン」のまとめ

「タン」とは薄い茶色を示す色の名称で、日焼けなどの和訳もあります。「ブラウン」は英語で褐色を意味しています。まるで油絵の一部分のような模様を持つ「タンブラウン」は、独特の色調をうまく使いこなせれば、オリジナリティあふれる空間を作り出せるのではないでしょうか。

 

参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)

本磨き、ジェットバーナー仕上げ共

300角…12597円
400角…12597円
300×600…13397円
600×600…17323

2022年12月のしらべ

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