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スウェーデンマホガニー(Sweden Mahogany)のしらべ
高級家具や楽器を作るための材料となる、高品質の木材の名を冠した御影石があります。
北欧神話が息づく深い森を抱く大地から産出する「スウェーデン マホガニー」は、木材を思わせる茶系の御影石です。
「スウェーデン マホガニー」の原産地
スウェーデン王国の南部一帯はイェータランド地方と言います。その中にあるスモーランド地方のカルマル県フリビックと言う所に、御影石の「スウェーデン マホガニー」を採石している場所があります。
フリビックは、氷河の浸食によって形成される海岸線の特徴的なフィヨルドの奥に位置する所です。スモーランドとは現地の言葉で、「小さな国」と言う意味を持っています。
北欧の特徴的な自然が豊かな地域で、五千以上の湖や川があり、北欧神話に出てくる、大地の妖精のノームや丘の人々と呼ばれるトロルが住んでいるような深い森と牧草地が点在しています。
このような豊かな自然を守るために、大小合わせて数百の自然保護区があります。
北極圏に近いバルト海に面した独特の海岸線は、およそ200㎞にも及び、カルマル海峡を挟んで浮かぶスウェーデン第二の島、エーランド島には世界遺産に登録された地域もあります。
また、この地方には世界的に有名な家具、雑貨メーカーが発祥した町があり、現在も会社の拠点であり、記念館も作られています。
「スウェーデン マホガニー」の特徴
名称に使われているマホガニーは高級木材ですが、基本的には赤味のある茶色をしています。しかし、「スウェーデン マホガニー」は特徴的な色合いから、ブラウンともマルチカラーとも言われる御影石です。茶色は赤寄りの色と黄色寄りの色がありますが、ブラウンと言われる場合の「スウェーデン マホガニー」は、赤寄りの茶色をしています。
結晶がはっきりと見える鏡面加工では、赤茶の結晶と黒の粒子があり、グレーの結晶は紫色を帯びている場合もあります。このように色々な色を見出せる石は、マルチカラーと呼ばれることが相応しいように見えます。表面の粗い加工の石は、色が混じるようになるので、薄いピンクから、ライトグレーに見え、黒い粒子がたくさん入っている場合ではこげ茶色にも見えます。
石目は小さい物が多いので、より一層色が混じっているような見た目になり、名前の通り木材のマホガニーの様な色に見えるものもあります。
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凹凸があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色味が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
「スウェーデン マホガニー」を取り扱う時の留意点
水濡れについて
御影石は環境の変化に比較的耐性のある石材です。その為、屋外でも使用されますし、床材としても利用されています。その様な場合には水に濡れる可能性も大きく、鏡面に加工された石を使うと滑ってしまう可能性が大きくなります。その様な危険性を回避するためにも、表面の加工は滑りにくい物を使用する事をお勧めします。
また、浴室に使われる事もありますが、滑りにくい表面にしても、石鹸カスや皮脂汚れが付着すると、滑る事があります。清潔と安全を保つためにも、適切なお掃除を行ってください。
色巾が広いです
「スウェーデン マホガニー」は、茶系の御影石と紹介されますが、物によってはマルチカラーと言っても差し支えの無い石もあります。これは、色の範囲が広い事を表している査証とも言えます。
基本的には、名前の通り木材のマホガニーに似て、赤味のある茶色をしています。しかし、黒い粒子が多く入っていれば、色が濃く見えてこげ茶色に見える事があり、グレーの部分が紫を帯びるような場合もあります。特に広い範囲に使用される場合には、このことを念頭に入れておいてください。
「スウェーデン マホガニー」に適した商品
調度品など
「スウェーデン マホガニー」は、その色合いからテーブルやベンチ、チェストのトップに使われます。高品質の木材であるマホガニーも高級家具の素材に使われています。落ち着いた色と石材製の高級感ある調度品は、お部屋の質を上げる事の出来るアイテムと言えるでしょう。
また、雑貨品も作られていて、小型のオブジェや、ペーパーウェイトなどのステーショナリーも様々な物があります。加工技術と機械の性能が上がってきているので、小型の物でも細かな細工が出来るようになっています。
浴室
御影石は水濡れに耐性があります。特に「スウェーデン マホガニー」は吸水率も低い方なので、浴室にも使えます。壁には鏡面加工を、床には滑りにくい少しザラついた加工の物が使われます。加工方法の違いで、色の見かけも変わってきますので、同一の石を使っても単調にはならないでしょう。穏やかな色の「スウェーデン マホガニー」は、ゆったりした時間を過ごす空間を演出する良い素材と言えるでしょう。
「スウェーデン マホガニー」のまとめ
御影石の「スウェーデン マホガニー」は、数多くの湖と、北欧神話が息づく森のある地域から切り出されています。その色合いは、この地の雰囲気にとても合っている色と言えるでしょう。北欧の国とは言え、スモーランド地方は南部地域なので長期間雪に閉ざされる事はありません。この地で眠っていた御影石が、温もりのある色をしていたことは、自然な事だったと言えるのではないでしょうか。
参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)
本磨き、ジェットバーナー仕上げ共
300角…19998円
400角…19998円
300×600…20016円
2022年12月のしらべ
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