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シルバーブロンズ(Silver Bronze)のしらべ
無彩色ですがオリジナリティあふれる御影石があります。少し濃い目のグレーで、周りを引き立ててくれて、天然石の高級感も味わえる石材です。「シルバーブロンズ」と言う名で、世界で最も雨が多く降ると言われるインドで切り出されています。
「シルバーブロンズ」の原産地
古代からの歴史を持つ、インド共和国南部のアーンドラプラデーシュ州が「シルバーブロンズ」の採石される所です。インド洋北部の東側にあたるベンガル湾に面した地域で、インド亜大陸の東西にある山脈の内、東ガーツ山脈に添うような地形の所です。地下資源が豊富で、世界で一番大きなカットされたダイヤモンドの「コ・イ・ヌール」が産出した場所です。このダイヤモンドは、イギリス王室の王冠に装飾されていて、代々女性だけが身に着けています。また、アルミニウムの原料となる岩石のボーキサイトも世界で十指に入る産出量と埋蔵量を誇っています。他にも様々な鉱石や、石油、天然ガスが採掘され、石灰岩の産出量はインド国内でも上位に入ります。古い歴史のある場所ですが、未来を見据えた地域でもあります。その代表は、サティシュ・ダワン宇宙センターです。今までに観測ロケットや、いくつかの衛星も打ち上げています。現在は有人の宇宙飛行に向けた計画も進行しています。新旧入り混じる素晴らしい地域です。
「シルバーブロンズ」の特徴
一言で灰色または、グレーと言っても様々な色があります。ライトグレー、シルバーグレー、ダークグレー等、日本語では鼠色、薄墨色、砂色など、全て違う色です。「シルバーブロンズ」は、その様々なグレー系の色が入り混じる御影石です。わずかに茶色も混じるので、ブロンズの名前も付いています。「シルバーブロンズ」の色は色々なグレーで成り立っているので、地色と模様を作り出している色などの区別はあまり見受けられません。特徴的なのは、グレーの中に濃さの違う灰色の比較的大きい塊が入っている事です。近くで見るとよくわかりますが、多様な濃さのグレーが入り混じる独特の模様を作り出しています。全体を見ると少し濃いグレーですが、表面加工の種類でもさほど色の差は出ません。ツヤがあっても、ツヤがなくても色味に大差はありません。したがって、使う場所を選ばない、どこにでも違和感無く使用できる種類の御影石と言うことになります。
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凹凸があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色味が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
「シルバーブロンズ」を取り扱う時の留意点
お手入れは大事です
「御影石はお手入れが簡単だから」と言うのを聞くことがありますが、こまめにしてこそ簡単なのです。御影石はキズが付きにくく、酸などの化学作用にも比較的強いです。屋外に使う場合の雨や雪による季節変化に対しても劣化しにくいです。でも、汚れたままにしておくと表面がうろこ状に剥がれるような状態になったり、ツヤがなくなったりします。例えばキッチンの天板などに使われた場合は、毎日の簡単なお掃除でいつまでも美しく高級なイメージを保つことができます。
色味について
先に紹介した通り、「シルバーブロンズ」はグレーが基本の御影石で、わずかに銅色が見られる事でこの名前が付けられています。しかし、ブロンズ色の全く見られない石もあって、「シルバーグレー」と名付けられている石材もあります。模様の見た目などに違いはあまり無いのですが、色の雰囲気が変わります。このような色の違いもある事を念頭に入れて使用してください。
「シルバーブロンズ」の適した製品
デスク周りに
近年では加工機械や技術も向上してきているので、以前ではできなかった細かい細工もできるようになってきています。無彩色ですが、お部屋のアクセントにもなるオブジェなども作られています。また、適度な大きさの石板は、鏡面加工で滑らかな動きが得られる、マウスパッドに利用できます。天然石の重量がありますから、マウスパッドが動きません。移動する時に机に傷が付かないように、フェルトやタオルを敷くとよいでしょう。「シルバーブロンズ」は特徴的な模様なので、デスク周りを個性的に彩ってくれるのではないでしょうか。
お庭のアクセントに
和風の庭園でしたら手水鉢や灯篭などがあります。最近は洋風に合うモダンなデザインの屋外照明器具も作られています。また、いろいろな置物もあります。猫やフクロウなどのかわいい動物をかたどったものや、キノコやボールのような形状の物なども作られています。派手な色合いではありませんが、お庭の雰囲気を壊すことなく、イメージアップを図ることができるでしょう。
「シルバーブロンズ」のまとめ
御影石は、探してみると結構身近に使われています。基本的には硬い部類の石ですが、最近ではオブジェなど色々なものが出回っています。建築用だけでなく、様々なアイディアや、ちょっとした飾りなどを作ることで、御影石の「シルバーブロンズ」をもっと身近に感じる事ができるのではないでしょうか。
参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)
本磨き、ジェットバーナー仕上げ共
400角…12598円
300×600…13397円
600角…17323円
2022年11月のしらべ
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