ロレックス・ラーニング・センター(Rolex Learning Center)

「ロレックス・ラーニングセンター」のご紹介

大学の運営には多額の費用が必要です。校舎を始めとする建物を作ることや、研究の為など様々な事柄に経費がかかります。国や自治体からの補助も受けられますが、企業の援助も大きな助けになります。「ロレックス・ラーニングセンター」は、建設費用の融資額が一番多かった時計メーカーの名前を冠しています。

「ロレックス・ラーニングセンター」の設計者

二人の日本人建築家が共同で運営している「SANAA(サナア)」が「ロレックス・ラーニングセンター」を手がけました。1956年に茨城県で生まれた、妹島和世(せじま かずよ)は大学で建築を学んだ後、著名な日本人建築家の元で経験を積み、自らの事務所を開設しました。事務所の開設当初は、商業施設などを主に手掛けていました。次第に公共の施設などの案件をこなすようになり、建築だけでなく他の分野のプロジェクトにも参加するようになりました。一例をあげると、西武鉄道の特急列車の基本デザインを担当したのが彼女でした。西沢立衛(にしざわ りゅうえ)は1966年生まれで横浜出身です。大学卒業後に妹島和世の事務所に入り、数年後に共同でSANAAを立ち上げました。更にその数年後には彼自身の事務所も設立しています。数々のプロジェクトを手掛け、その功績が世界中で認められ、多くの名誉ある賞を受賞しています。特に建築家のノーベル賞と呼ばれるプリッカー賞においては、妹島和世は世界でも二人目、日本人では女性初の受賞と言う栄誉を授かっています。二人はSANAAの運営と、それぞれ自分の事務所運営の二足のわらじで活躍しています。

「ロレックス・ラーニングセンター」の所在地

スイス連邦のローザンヌにある工科大学の学習拠点が、「ロレックス・ラーニングセンター」です。スイスは歴史の中の様々な要因から公用語が4つあります。ローザンヌはフランスとの国境を接することもあり、フランス語圏の街です。オリンピック委員会の本部があることで有名な街で、別名オリンピック・シティとも呼ばれ、オリンピックの歴史などを紹介した博物館もあります。街の歴史は古く、ローマ人が野営地として建設したことが始まりだったようで、その頃からローザンヌと言う名で呼ばれていました。フランスとスイスにまたがるレマン湖の畔であり、素晴らしい風景が観光資源となっています。他には、ローザンヌ大聖堂に至る坂道にある、マルシェ階段と呼ばれる13世紀に作られた木製の階段が有名です。また、世界でもトップクラスの大学をはじめ、美術や音楽、職業関係の高等教育を行う学校が多くあり、国内でも有数の文化都市でもあります。

「ロレックス・ラーニングセンター」の特徴

「ロレックス・ラーニングセンター」は、2010年に完成した小高い丘の上に建つ平たい白い建物です。東京ドームの半分より少し狭いくらいの面積があるので、規模は大変大きいのですが、平屋作りのワンルームと言える建造物です。建物を俯瞰で見ると、複数の丸や楕円や歪んだ円のような形の出入り口や採光の為の穴が開いていて、イタリアのパン、「フォカッチャ」を思い受かべるような形をしています。水平面は緩やかな曲線を描いているので、完全に水平な床はほぼありません。壁の部分はガラスが多く使われていますが、床やそれに伴う天井が直線ではない為に、700枚以上使われているガラスの内、約600枚は少しづつ形が違うガラスが使われています。基本的にワンルームですが、一部大事な部屋は仕切りが付いています。床が穏やかに波打っているので、多少の高低差があり、それを利用して目的に応じた使い方がされています。平屋になった理由は、図書館やカフェなど様々な部屋を縦に分けて完全に仕切るのではなく、それらの境界をゆるやかな床の高さの違いによってゆるやかに区別されています。それぞれの部屋としてではなく、スペースとして利用できるようになっています。広い建物なので、入り口は中心部に近い所に作られていて、どこへも同じくらいの距離で行けるように考慮されています。

 

 

 

 

 

 

「ロレックス・ラーニングセンター」のまとめ

スイス連邦工科大学には、ドイツと国境を接するスイス北部にある国内最大の都市であるチューリッヒと、南部に位置するローザンヌにキャンパスがあります。区別するために、それぞれの地名を付けて呼ばれています。「ロレックス・ラーニングセンター」はローザンヌ校の多目的な学習拠点です。数十万冊の蔵書がある図書館をはじめ、学習室やレストランを備えています。この素晴らしい施設は、学生だけでなく市民や観光客などの一般にも開放されています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。