浪花白 中国産グレー系白御影石 のご紹介

浪花白(Ran fa pai)のしらべ

中国大陸の南東部から切り出されている、美しい模様の御影石があります。海の波が寄せては返す様を思い起こさせるような模様のある、白御影石の「浪花白(なみはなしろ)」をご紹介します。

「浪花白」の原産地

広東省は中華人民共和国の南東部に位置し、中国の特別行政区であるマカオや香港を取り囲むように広がっています。「浪花白」の採石場は、広東省の南部にある信宜市(しんぎし)の周辺にあります。地域の経済は農業や地下資源の採掘が主に担っています。水資源が豊富で、肥沃な土地が広がっているので、米や小麦などの穀物や果樹、植物油採取のための作物栽培が盛んに行われています。また、養鶏などの畜産も行われていて、広東省の食糧生産を幅広く請け負っています。多種にわたる地下資源も多く、金や銅、スズなどの金属鉱石や翡翠や玉などの宝飾品になる鉱物が採掘されています。血液を凝固させる特徴のある鉱物の「カオリン」も採掘されていて、医療品の製造に使われています。信宜市は茂名市の一地区で、茂名市は中国でも有数の重要な港湾都市となっていて、古くから交易の拠点となっていました。鉱山から切り出された御影石をはじめとする様々な物品を輸出するためにも、輸送コストを下げられる利点のある場所です。

「浪花白」の特徴

本磨き

ジェットバーナー仕上げ

「浪花白」の一番の特徴は、御影石ではあまり見ることのない珍しい模様があることで、山から切り出された原石を切る方向で模様の違う御影石です。「浪花白」の名前の由来となる模様は、「柾目(まさめ)」と言われる、原石を縦方向に切り出した石材です。白御影石と分類されていますが、大きなサイズのスラブ材と呼ばれる石材を見ると、グレーに見えます。白地に黒の線模様が幾重にも重なって、海の波が白い波頭を伴って寄せては返すように見える、珍しく且つ美しい御影石です。原石を水平に切り出す「平目(ひらめ)」と呼ばれる石材は違った柄を持っています。白い部分の周りを囲むように黒い線が入っていて、柾目の石とは別の御影石の様に見えます。見方によっては、濃いグレーの海から浮かび上がる白いあぶくのようでもあり、無彩色の花が咲き乱れるようでもあります。含有鉱物の影響でサビが出ることがあり、無彩色の石ですので、サビが出ると目立ちます。しかし、適切なコーティングやお手入れでサビを防ぐこともできますし、万が一サビが出た時にも早めの対処で取り除くこともできます。

表面の仕上げについて

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

「浪花白」を取り扱う時の留意点

岩石の特徴としての欠点があります。

御影石はほとんどが花崗岩ですが、「浪花白」は学問上では「片麻岩(へんまがん)」と言う岩石です。構成物質は花崗岩とほぼ同じですが、出来上がり方が少し違っています。一番の特徴は、積み重なった地層のような縞模様があると言う事です。この模様は構成物質の違いを表わしていて、比較的柔らかい部類の石ですと剥がれてしまう事があります。「浪花白」は割と硬い部類ですが、柾目の薄いタイル状の石板ですと衝撃などで簡単に割れてしまいます。硬い石材ですが優しく扱ってください。

模様に方向があります

柾目の「浪花白」は白地に黒い線が入ったような、極端に言うとストライプに似た模様があるので、模様に向きがあります。タイル状の石板を数多く使用する、壁や床など広い面に使う時には注意が必要です。しかし、意図的に向きを変えて組み合わせる施工例もあり、デザインや建物全体のイメージと照らし合わせて使い分けると、一味違った感じになるでしょう。

「浪花白」に適した製品

特徴的な模様を生かして

天板や棚板

テーブルのトップや食器棚やニッチ(壁にくぼみを付けた飾り棚)の棚部分に使われます。柾目の「浪花白」は模様が大きめの縞模様をしていますが、無彩色なので自己主張することはなく、お部屋の他の調度品と調和のとれる素材です。また、平目の「浪花白」でしたら、無彩色ではありますが、その模様が華やかさも醸し出してくれるのではないでしょうか。天然石の高級感と、モノトーンの清潔感ある雰囲気を持たせることのできる調度品になるでしょう。

壁や床材

「浪花白」は白と黒の無彩色モノトーンではありますが、かなり目立つ模様があるので、部分使いにされている例が多く見受けられます。例えば階段の踏み板の中央部だけに「浪花白」を使い、ほかの部分は違う御影石を使用しているデザイン性の高い施工がされている所があります。また、壁の上部または、下部だけに使ったり、柱の飾り板にしたりとスタイリッシュな使い方ができます。

 

「浪花白」のまとめ

大地から切り出された岩石に、繰り返し寄せてくる白波を見出した先人には、「浪花白」がまさに地球からの贈り物のように見えたのではないでしょうか。悠久の時間と地球の圧力と様々な鉱物が寄り集まって出来上がる御影石の「浪花白」の紋様は、人工的に作られた模様とは違う、一つとして同じものが無い、ある意味貴重な自然の産物なのではないでしょうか。

参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)

本磨き、ジェットバーナー仕上げ共

300角…9920円
400角…9920円
300×600…9929円

2022年11月のしらべ

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