ポリクローム 「カレドニア」と似た茶系御影石のご紹介

ポリクローム(Poly Chrome)のしらべ

ポリクロームとは「多彩な」と言う意味があります。カラフルな御影石ではありませんが、茶色と黒と灰色の混在した様は多彩と言っても差支えないのではないでしょうか。落ち着いた色合いの中に、華やかなイメージもある御影石のポリクロームをご紹介します。

「ポリクローム」の原産地

カナダの南東部にあるケベック州サグネ市のラ・ベ地区に「ポリクローム」の採石場があります。カナダ国内の主要言語は英語とフランス語ですが、ケベック州はフランス語を公用語にしている唯一の州です。この地区は21世紀に入って他の2地区と合併してサグネ市となりました。市の名前の由来は、地区を流れるサグネー川から来ています。サグネー川は、アメリカ合衆国との国境付近に広がる五大湖から流れる出るセント・ローレンス川の支流の一つです。ラ・ベ地区は、17世紀にフランスからの移民が毛皮の貿易拠点として開いた町です。川が船で航行できる広さで、大西洋にも比較的近かったことが要因となっています。寒冷な気候ですが、ハウス栽培などを利用した農業が行われています。様々な農産品の中でもメープルシロップは、この地の特産品で、世界で流通しているメープルシロップの大半がケベック州で生産されています。カナダ国旗の意匠である、サトウカエデから採れる樹液を精製したものです。国旗に描かれている葉はメープルリーフと言います。

「ポリクローム」の特徴

本磨き

ジェットバーナー仕上げ

「ポリクローム」はブラウン系御影石の代表的な石と言われる事もある石材です。茶色と黒とグレーが柄を織りなしていて、黒い石の中から、濃淡のある茶色が大きく浮かび上がっているように見えます。結晶の大きな御影石で、「鬼御影」や「巨晶御影」と呼ばれる石材の一つです。石を構成している鉱物の内、長石が一番大きく、褐色や赤みを帯びた茶色に見えます。長石はアルカリ性を帯びると赤くなる性質があるので、アルカリ長石とも呼ばれ、このような花崗岩をアルカリ花崗岩と呼ぶこともあります。もう一つの主要な鉱物である石英も比較的大きな結晶で、わずかに赤味を帯びています。茶色の部分は半透明に見える所もあり、色の割に華やかさも持ち合わせていると言えるでしょう。大きい柄の御影石は吸水率が高いことが多いのですが、「ポリクローム」の吸水性は低くなっているようです。品質も良く、生産量も多いので安定した供給が望めます。したがって、屋内、屋外共に使用することができて、大きな物件にも対応できるので、ビルの外壁などにも使われています。

表面の仕上げについて

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

「ポリクローム」を取り扱う時の留意点

御影石(花崗岩)の特質を捉えた上で、注意すること。

学問上では御影石と言う名の岩石はありません。多くの銘柄の御影石は花崗岩です。花崗岩は色々な物質で構成されています。中には非常に熱に弱い物質もあります。この特質を利用して、高熱で表面を加工する方法もあります。しかし、通常は使用するときには高温になる所は避けた方がよいでしょう。また、柄の色の違いは物質の違いなので、「ポリクローム」の様に大きな結晶が入っているものでは、劣化の違いも出てきます。酸やアルカリに弱い物質の鉱物が含まれていることもあり、長い期間ではうろこ状に剥離することもあります。このような事柄を知った上で使うことが大切となります。

「ポリクローム」に適した製品

大きい模様を生かして

雑貨品など

「ポリクローム」は茶系の御影石なので、自己主張するような色ではなく、他の色を引き立ててくれます。フラワーポットなど、お花を飾るアイテムには最適ではないでしょうか。色は控えめですが、大きめの模様が華やかさを添えてくれるでしょう。また、屋内や屋外を飾るオブジェなども作られています。大きい柄があるので、単純な形状でも目にとまるような作品に仕上がっているようです。

天板

テーブルやカウンタートップに使われます。天然石は高級感がありますが、冷たいイメージもあります。しかし、「ポリクローム」の落ち着いた色と、ゴージャスとも言える模様でショップやお部屋の雰囲気を一段と上げることができるでしょう。同じように、洗面台や飾り棚にも向いています。「ポリクローム」はペグマタイト(巨晶御影)と言う岩石の一つで、様々な準貴石を産する石の仲間です。鏡面に磨かれた「ポリクローム」の天板には、それらの貴石と似た煌めきが見られる事でしょう。

「ポリクローム」のまとめ

「ポリクローム」とは「多彩」や「多色」の意味があり、単色を表す「モノクローム」の対義語となっています。「多彩」と聞けばカラフルなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。しかし、御影石の「ポリクローム」は一見すれば地味な雰囲気があります。ですが、「ポリクローム」は味のある色合いで、飽きることのない、長く付き合える石材としては最適な種類の石と言えるのではないでしょうか。