アドニブラウン(Adoni Brown)インド産茶系の御影石のご紹介

アドニ・ブラウンのしらべ

アースカラーと呼ばれる色があります。地球の色と言われる色で、木々の緑や空、または海の色があります。石材でアースカラーと分類される場合は、地面の色を表す褐色や茶色の石材を示します。その大地の色をした御影石の「アドニ・ブラウン」をご紹介します。

「アドニ・ブラウン」の原産地

インド共和国の南東部にあるアーンドラ・プラデーシュ州のアドニと言う街に御影石の「アドニ・ブラウン」の採石場があります。インド亜大陸と呼ばれる国土の大半は、デカン高原と言う高原地帯で成り立っています。アドニはこの高原地帯のほぼ中央に位置します。デカン高原は巨大な玄武岩で構成された大地ですが、非常に古い時代の岩石なので、地表部分は風化していて、その土壌が様々な作物の栽培に適した土となっています。特に綿花の栽培が盛んで、黒い色をしたこの地の土を「黒色綿花土または、レグール土」と呼んでいます。また、アーンドラ・プラデーシュ州はインド国内で最大の医薬品生産地で、古くから日本の医薬品を製造してきた「富山の薬売り」で有名な富山県と友好都市提携を結んでいます。数年後には州を分離して新しい州都ができますが、その建設のために日本からも多種多様な技術提供や提携が盛んに行われています。現在の州都であるハイデラバードは、新しい州の州都になる予定です。

「アドニ・ブラウン」の特徴

本磨き

JB仕上げ

「アドニ・ブラウン」は名前が示す通り茶系の御影石です。茶系は色の幅が広く、濃い色をしたものは黒に近い見た目となり、薄いものはベージュや生成り色にも適応されます。また、赤味が多いものと、黄色味の多いものでは随分と見た目が変わってきます。「アドニ・ブラウン」は、ミルクココアのような色、あるいは、古い写真に見られるような薄めのセピアカラーに近い色合いをしています。砂の様な茶色と白の粒子が固まったような見た目で、全体的に小さめの均一な石目をしています。石材は様々な大きさで呼び名があります。その中で大きな板状の石材を「スラブ材」と呼びます。スラブ材で見ると「アドニ・ブラウン」の全体的な柄や模様がよくわかります。緻密で硬い部類の御影石なので、吸水性も低く季節変化や化学作用にも強い耐久性に優れた良質な石材と言えます。そのため、屋外の使用にも十分耐える御影石です。環境石材や記念碑等のモニュメントにも使うことができる素材です。

「アドニ・ブラウン」を取り扱う時の留意点

安全に利用するために

御影石は耐久性に優れ、風雨にもあまり影響を受けない良い建材です。建物の内外にも多く使用されています。天然石の高級感もあり、人工の素材とは一線を画しています。しかし、使用するにあたっては安全に注意する点があります。ツヤのある鏡面に磨かれた御影石はとても綺麗ですが、床や階段の踏み板部分に使われると危険を伴う事があります。水濡れした時に非常に滑りやすくなると言う点です。特に屋外の場合ですと雨や露で濡れる可能性が高くなります。このような危険性を排除するためには、表面の加工を多少凸凹にすれば安全に歩行することができます。

色合いの違いについて

「アドニ・ブラウン」はいわゆる中間色に当たる色合いをしています。薄めの茶系とも呼ばれますが、とてもあいまいな色となっています。加えて、天然の石なので同時期にほぼ同じ場所で採石されても色の雰囲気が変わる事があります。このことから、採石の時期や深さなどが変わると、色味や濃さに違いが出てくる可能性が大きくなってきます。多くの量を同じ場所に使う場合や、後々の補修に使用する時には、この事を念頭に入れておいてください。

「アドニ・ブラウン」に適した製品

均一の柄と柔らかい色合いを生活空間に

天板

キッチンや洗面台のトップに使われます。吸水性が低く酸やアルカリの化学作用にも強いですが、毎日使う場所なので撥水処理を施したものを使われるのがよいようです。鏡面に磨かれた「アドニ・ブラウン」のツヤのある温かい色合いは、お部屋のグレードアップに一役買えるでしょう。

内装材

床や壁の装飾に使用されます。模様と言えるほどの柄が無い、均一の色をしているのでどこにでも違和感なく使える内装材です。「アドニ・ブラウン」はベージュ系の薄い色ですので、屋内の他の調度品やインテリアと調和を取る事のできる素材と言えます。石材の冷たいイメージを上書きする柔らかい色は、優しい雰囲気のある空間に仕上げる事ができるのではないでしょうか。

表面の仕上げについて

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

「アドニ・ブラウン」のまとめ

「アドニ・ブラウン」のような中間色を表す色の名前は数多くあります。単に薄い茶色と言うだけでは、なかなかイメージできないのではないでしょうか。その上、大自然が作り上げた石なので、単調な色合いにはなりません。セピア色と紹介しましたが、セピアとは古代ギリシャ語で、イカ墨やコウイカを表す単語です。イカ墨が様々な化学作用や経年劣化によって少し古めかしい色になってくるようです。海の生き物が創り出す色と、大地の奥に眠っていた岩石の色が似通っていたことも、自然が創り出した素晴らしい偶然かもせれません。