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ピンクポリーノ(Pink Porrino)のしらべ
石材には硬くて冷たいイメージがありますが、色や模様、柄によってはそのような印象の少ない物もあります。情熱の国と言われるスペインで採石されている「ピンク ポリーノ」は、その色合いからキュートな感じのする御影石です。
「ピンク ポリーノ」の原産地
御影石の「ピンク ポリーノ」を採石している場所はスペイン王国の北部、ポルトガルとの国境に近いガリシア州ポンテベドラ県オ・ポリーニョにあります。
この地域には太古より人々が暮らしていたことが分かっていて、旧石器時代に集落があった痕跡が残っています。古くから交易の要所としての役割があった街ですが、現在も内陸部とスペイン最大の漁港があり、港湾都市でもあるビーゴと言う街を結ぶ要になっています。
その為、道路や鉄道などの陸上交通網がとても発達しています。市内には中世の面影を残す建築物が多数残されていて、市の庁舎も趣のある石造りの建物です。
この地域の産業は、機械や自動車製造などの重工業が発達していますが、花崗岩の産出はスペインでの代表的な地域になっています。
採石場の南側には渡り鳥などが営巣する湿地帯が広がり、豊かな自然を育んでいます。花崗岩の採石場とほぼ隣接している場所なので、産業の拡大と自然保護のバランスを取ることがこれからの課題となっているようです。
「ピンク ポリーノ」の特徴
「ピンク ポリーノ」は、その名が示す通り石全体がピンク色をした御影石です。
花崗岩の特徴である、黒い雲母の粒と白い石英の粒も見える、石目が中程度の石材です。
ピンクの地色に黒い点がはっきり見えるので、全体が引き締まり、まとまったような印象があります。
ピンクの色を出しているのは、花崗岩に多く含まれる長石(ちょうせき)が引き出している色で、長石にカリウムが入っている為です。カリウムの含有量が多いと、花崗岩の色がピンクになり、さらに増えると赤くなる特徴があります。
このカリウムを多く含む長石をカリ長石と言います。天然石なので、同じ山から採石された石でも、色の見え具合は違ってきます。
少し黄色味のあるサーモンピンクや柔らかい赤味の少ないピンクなど、色味の違いや濃さに差が出てきます。同じような色合いでも、黒い粒に見える黒雲母の量や大きさによっても印象が変わってきます。
また、石材として表面を加工した時の方法でも見た目の雰囲気が変わることもあります
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凹凸があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。
JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色味が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
「ピンク ポリーノ」を取り扱う時の留意点
重いです
石材は緻密な素材です。密度が高いと言うことは、サイズが小さくても重量があると言うことです。
御影石は、壁や床材のように大きく使用するだけでなく、オブジェや雑貨などの小物にも利用されています。熱伝導率が低いと言う利点を利用して、お皿も作られていて、持ち運ぶ頻度も上がります。見た目に反して重いので、持ち運ぶ時には注意が必要です。
落とすと、床などに傷を付ける可能性が高く、その石製品も欠けたり傷が付いたりすることがあります。また、ケガをする可能性もあるので最新の注意を心掛けてください。
名称について
商品に気を引くような名称を付ける事は、知名度を上げるためには必要な事です。
「ピンク ポリーノ」も商品名なので、他にも複数の別名がつけられています。スペイン語でピンクはロサと言うので、「ロサ ポリーノ」または、「ローザ ポリーノ」と言われる事があります。また、ポリーノは採石される場所の地名を指していますが、ポリーニョまたは、ポルリーノなどの名称が使われる事もあります。名称は複数明記されることもあるので、産地などを確認して購入される事をお勧めします。
類似品について
中国で採掘される桃色御影石でピンクポリーノに似ている石種(G367、G635など)があり、価格が安いため近年ではピンクポリーノの使用量が大幅に減少しています。
「ピンク ポリーノ」に適した商品
タイル状の石板で
御影石は様々なサイズのタイル状の石板でも売られています。長い時間をかけて出来上がった御影石は様々な変化に強い特徴を持っています。
例えば、耐電性があることでノイズを発生させないので、オーディオのスピーカーを置く台に利用されます。重量もあることから、振動が広がらない事も利点となっています。
また、熱伝導率が低いので、夏の気温が高い時期にペットたちが気持ちよく過ごせるクールマットにも使えます。ペット達には冷房が効きすぎる事はよくありませんが、熱中症になる可能性もあります。
石材なので、ダニなどの不快害虫が発生する心配もありません。使用目的によってサイズを決めるとよいでしょう。
外壁など屋外に
御影石は風化や劣化に強いので外壁にも利用されます。
「ピンク ポリーノ」の優しい色合いでしたら、大きなビルでも威圧感が抑えられるのではないでしょうか。
また、門柱から続く外壁に様々な表面加工のものが使われ、スタイリッシュな石塀も作られています。
「ピンク ポリーノ」のまとめ
「ピンク ポリーノ」の採石場があるオ・ポリーニョは、スペインの代表的な花崗岩の産地です。街の南には市街地に匹敵するくらいの広い採石場があり、古い石切り場には雨水などが溜まって池の様になっている所もあります。
「ピンク ポリーノ」の採石はこの地域の経済の一端を担っている産業の一つですが、環境問題が必ず起こってきます。隣接する自然豊かな森の動植物と同じく、花崗岩も地球の宝として大事に使うことが不可欠となるのではないでしょうか。
参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)
本磨き。ジェットバーナー仕上げ共
300角…13699円
400角…13699円
300×600…13701円
600角…18913円
2022年12月のしらべ
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