カシミールベージュ(Kashmir Beige)インド産ベージュ系御影石のご紹介

カシミール・ベージュのしらべ

 

世界で一番高い所にある地域の名前が付いている御影石があります。標高八千mを超すカラコルム山脈のあるカシミール地方です。ここの大地の色を映した御影石の「カシミール・ベージュ」をご紹介します。

「カシミール・ベージュ」の原産地

 

インド共和国の北東部にラージャスターン州があります。インドの州の中では面積が一番大きく、パキスタンとの国境がある所で、タール砂漠やジャングルもある自然豊かな地です。歴史も古く、インダス文明がこの地域でも花開いていました。この地域は、シルクロードからインド亜大陸へと向かう為の中継点のような役割を果たしている所もあり、交易の要所となっていた街もありました。その為、古代から多くの王朝が興っては衰退して消えていきました。それぞれの王朝が信仰する宗教の寺院などが多く残され、各王朝の歴史を物語っています。また、王朝が変わる時に起こりえた戦争の時代に作られた要塞も残っています。それぞれの王朝を象徴するような壮大な六つの城や、丘陵要塞と呼ばれる建物群、様々な神様を祀った寺院などが「ラージャスターンの丘陵城砦群(または、丘陵要塞群)」として世界遺産に登録されています。これらの城の中には、ベンガルトラの保護区の中に建つものや、現在も住人のいる城も含まれています。

 

「カシミール・ベージュ」の特徴

本磨き

JB仕上げ

「カシミール・ベージュ」は、薄いベージュが基本の御影石です。御影石の中では一風変わった模様のある石で、大理石に似た、流れるような柄があります。基本的には全体に生成りのような色合いですが、その中にグレーとわずかに濃い色の茶色の部分が模様を作り出しています。全体的に薄い色合いなので、鏡面加工の表面では柄がはっきり見えますが、ツヤを落とした表面のものは模様の無い均一な色に見えます。地色はグレーから薄い茶系で、その中に少し濃い茶色や黒の粒子が入っています。小さいサイズの石板では、模様の分かりにくいものもありますが、大きいサイズのスラブ材などでしたら、ほとんどの場合で流れ模様がよくわかります。「カシミール・ベージュ」の流れ模様は、大理石に見られる模様とは少し雰囲気が違い、御影石特有の小さな粒が並んでいるような感じになります。粒子が多めに入っている所は黒っぽく見えますが、全体的に控えめな色合いの御影石です。

 

「カシミール・ベージュ」を取り扱う時の留意点

 

独特の模様があります

「カシミール・ベージュ」には流れるように見える模様があります。その為、複数の石板を使う場合には向きに気を付ける必要が出てきます。流れ模様は、多少波うつような感じになっている部分もありますが、たいていの場合に於いて平行に入っています。従って壁や床など広い部分に使われる時には、デザインに従って流れ模様の向きを考慮しながら使用してください。

 

色の名称について

ベージュと言う色は、薄い茶色と表される事もありますが、真っ白ではない色と考えるのが一番近いようです。似たような表現では、アイボリー(象牙色)やクリームなどがあります。このような色の表現の仕方によって、名称も変わる事があります。「カシミール・ベージュ」もヨーロッパなどでは「カシミール・クリーム」と名付けられている場合が多く見かけられます。商業上の名称なので、印象の良い名前が付けられる事は当然とも言えますが、このような名前の違いがある事を念頭に入れておいてください。

 

「カシミール・ベージュ」に適した製品

 

目立たない薄い色なのでどこにでも使えます

 

建材として

床材や壁材に使用されます。落ち着いたベージュ系の色合いは和風、洋風どちらにも似合います。和風建築の玄関口にある上がり框なども、「カシミール・ベージュ」で設えれば高級感も添えられることでしょう。

 

調度品

キッチンや洗面台のトップ、テーブルなどにも使われます。「カシミール・ベージュ」は控えめではありますが、素朴で柔らかい色合いなので、リビングなどのくつろぎの空間にはぴったりの素材ではないでしょうか。

 

タイル状の石材を様々に使いこなす

最近はインターネットなどの通信販売で、タイル状の石材を簡単に求めることができます。通常は片面を鏡面加工されたものが、多く流通しています。サイズも厚みも各種ありますので、いろいろな使い方ができます。ノートPCの台にしたり、夏場のペットのクールマットに使ったりと多様な使い方が考えられています。「カシミール・ベージュ」は優しい雰囲気があるので、どんな場面にも似合うでしょう。

表面の仕上げについて

 

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

 

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

 

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

「カシミール・ベージュ」のまとめ

 

カシミール地方は、「カシミール・ベージュ」の原産地であるラージャスターン州ではありません。原産地の北部に隣接した地域です。広大なアジア大陸の中央に近い山から切り出されている御影石に先人達が見出した色合いや、風合いで名前が付けられています。控えめな色合いの「カシミール・ベージュ」ですが、だからこそどんなシーンでも使うことができる石材と言えるのではないでしょうか。

参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)

本磨き、ジェットバーナー仕上げ共

400角………13386円
400×600 …14173円
600角………17323円

2022年11月のしらべ

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