ハルパ・レイキャヴィク・コンサートホール&会議センター(Harpa Reykjavik Concert Hall and Conference Centre)

「ハルパ・レイキャヴィク・コサートホール&会議センター」のご紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

北国では長い冬が終わりを告げ、短いながらも訪れる春から夏への季節はお祝いをしたいくらい待ち遠しいものではないでしょうか。アイスランドの夏の始まりの日は喜びとともに、「ハルパ」と呼ばれています。その「ハルパ」の愛称を持つホールが「ハルパ・レイキャヴィク・コサートホール&会議センター」です。 

「ハルパ・レイキャヴィク・コサートホール&会議センター」の設計者

「ハルパ・レイキャヴィク・コサートホール&会議センター」の設計を担当した光の巨匠と謳われているヘニング・ラーセンは、1952年にデンマークの西部にあるオプスンドと言う町で生まれました。デンマークは比較的緯度の高いところにある国で、長い冬と短い夏を繰り返す地域です。冬季は日照時間が少なく、日の光が差す時間をとても大切にしています。明かりと言う点からみれば人工照明も大事にしてきました。彼が子供の頃には田舎の照明と言えばランプくらいでした。現在の人工照明とは比べ物にならないくらいの小さな灯りでしたが、唯一の灯りとして大事にされていました。その様な環境の中で育ってきたヘニング・ラーセンは、建築物を作る時には明るさと空間のバランスに重きを置いています。単に明るい空間と言うだけでなく、建物の周りにある森の木々や、水の流れ、水面に反射する陽光など、自然の光と共存するような建物を目指していました。このような思いもあったことから、外観に自然の様々な物をモチーフにしている事も彼が作り出す作品の特徴の一つとなっています。 

「ハルパ・レイキャヴィク・コサートホール&会議センター」の所在地

北大西洋に浮かぶ島、アイスランドの首都であるレイキャビクの港に「ハルパ・レイキャヴィク・コサートホール&会議センター」が建っています。アラスカと同じくらい緯度の高いところで、世界で一番北にある首都となっています。ヨーロッパ大陸とグリーンランドの中間点で、北大西洋の暖流と寒流のぶつかり合う場所なので昔から良い漁場に恵まれていました。また、暖流のおかげで高緯度の割には比較的温暖な気候です。夏季は気温がそれほど上がりませんが、冬季もあまり下がりません。この都市は、多くの事柄でクリーンエネルギーを活用していることは、世界リードしている地域と言えます。例えば、暖房や給湯には地熱エネルギーを利用し、路線バスに燃料電池車を導入したのも世界初となっています。 

「ハルパ・レイキャヴィク・コサートホール&会議センター」の特徴

全面ガラスの建築物は他にもありますが、「ハルパ・レイキャヴィク・コサートホール&会議センター」は他と一線を画しています。透明で巨大なハチの巣の様な外観です。天井の高い広い空間が屋内にありますが、明るい水晶の洞窟にいるようです。この形状は設計者のヘニング・ラーセンが、この地域でよく見られる「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と言う玄武岩の形状をイメージしているとのことです。火山から流れ出た溶岩が時間をかけてゆっくりと固まる時に柱状に形作られたもので、六角柱の岩石が寄り集まったように見えます。南側の外観は、12面体に組まれた鉄骨に透明のガラスがはめ込まれていて、所々に薄い色の付けられたガラスが使われています。これは、ガラスのレンガとも言われています。色のついたガラスは極地の夜空を彩る、オーロラの光を思い起こさせるようになっています。港のすぐそばに建てられているので、波の静かな時には水面に移る「ハルパ」のガラスの煌めきが2倍になったように見え、夕闇の中で映る姿は幻想的な美しさがあります。また、LEDが組み込まれているので、人工的に作り出される光のオブジェのように見えるときもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハルパ・レイキャヴィク・コサートホール&会議センター」のまとめ

2007年に建築工事が開始されましたが、アイスランドの経済が停滞したことで一時は建設が中止になる可能性も出ていましたしかし、周辺の開発計画は多少縮小されましたが、「ハルパ・レイキャヴィク・コサートホール&会議センター」は、無事2011完成しました。1万枚以上のガラスを使って作られた「ハルパ」は、白夜と極夜を繰り返すこの地の一つの新しい明かりとも言えるのではないでしょうか。 

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