グリーンオニックス パキスタン産光を透過する大理石のご紹介

グリーンオニックス(Green Onyx)のしらべ

宝石にも分類される大理石があります。大理石は基本的には石灰岩ですが、「グリーン オニックス」は宝石の瑪瑙(めのう)と本質的には同じものです。
乾燥した不毛の地と思われる大地の奥深くから掘り出されるのは、瑞々しく艶やかな「グリーン オニックス」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グリーン オニックス」の原産地

パキスタン・イスラム共和国の一番広い州であるバロチスタン州の南西部にある、チャーガイ山地で「グリーン オニックス」は採石されています。アフガニスタンとの国境が間近にある山岳地帯で、乾燥した土地が広がる場所です。

この地域は鉱物資源が豊富な所で、銅や金の鉱山もありました。「オイルインクォーツ」と言う石油が封じ込められた珍しい鉱物もあります。この石はブラックライトを当てると、青く光る性質を持っています。

チャーガイには、隣国アフガニスタンからの難民が農場を営む小さな村があります。地下水を利用した有機農業で栽培された作物は、自らが消費するものと、近隣の街であるダルバンディンで売られるものがあります。

元々砂漠に近い土地柄なので、農作物が出来るようになるまでは困難を伴ったようです。現在は、およそ60㎞離れたダルバンディンに新鮮な野菜を供給できる貴重な場所となっています。しかし、地下水にも限界があり、未来を見据えての課題があるようです。

 

 

「グリーン オニックス」の特徴

本磨き

瑪瑙(めのう)は様々な鉱物で構成されていて、見た目の色合いなどで多くの名称があります。中でも美しい縞模様が見られる石が縞瑪瑙と言う名で、オニックス(または、オニキス)とも言います。

オニックスの語源は古代ギリシャ語の「爪」を表す単語です。瑪瑙は基本的に、石英の細かい粒が固まって出来た鉱物の変種である玉髄(ぎょくずい)と石英そのもの、蛋白石(オパール)で構成されています。その中に色を引き出す岩石や鉱物が含まれています。

「グリーン オニックス」はその名の通り、主に緑色をした石です。緑色も薄い色から濁った色、モスグリーンのような濃い緑の物があります。その中に赤や茶色、白など様々な色の鉱物が層を成すように見えます。その様子が縞瑪瑙の名前を表しています。

地色や模様の色、入っている量など、正に千差万別で全てが一点ものと言っても過言ではないでしょう。石英を多く含んでいることから透明感もあり、石材と言うよりガラス細工のようにも見えます。

「グリーン オニックス」を取り扱う時の留意点

割れやすい

色々な鉱物で構成されていることから、一枚岩とは言えない石材です。比較的硬い石ですが、大変美しい色合いなので、身近な雑貨品なども作られています。

石材にしては珍しい食器も作られますが、厚みが薄い事が多々あります。石材を手で移動する事はあまりありませんが、小さいサイズの物も作られるので、手に持って移動させる場合もあります。
このような事から壊れやすい場面が多くあり、ガラス器や陶器などと同じように丁寧な扱いをしてください。逆に厚みのある物では重量がかさばる事もあります。落としたりぶつけたりするとケガをすることもあるので、注意が必要です。

色に幅があります

「グリーン オニックス」は地色が緑色をしているので、この名前が付いています。しかし、石板状に切り出した場合にはどのような色が出るかわからない時もあります。

赤や茶色の部分が多く出た場合には、緑色には見えない事もあります。また、色が非常に薄く白っぽい色味になる事もあります。サンプルの色と違う場合もありうることを念頭に入れておいてください。

 

「グリーン オニックス」に適した製品

雑貨品

オニキスのインテリア雑貨は古くから作られています。アンティークもたくさんありますが、現在でも様々な物が作られています。

飾り物としてのオブジェだけでなく、デスクの上をワンランク上に出来るステーショナリーや、食器として、お皿やグラスも作られています。また、オニキスは半透明に見え、光を通すのでランプにもできます。

シンプルな形でも「グリーン オニックス」の豪奢な見た目は、そのまま模様として使えます。明かりを灯した時と点けない時と、どちらの場合でもお部屋の印象をアップできるのではないでしょうか。

床や壁

「グリーン オニックス」は大きな模様も見られる石材です。そのまま、衝立の様なアクセントとしての壁に利用できます。縞模様が細い物や、柄が小さめの物は小さいタイル状にしてモザイク模様を作ることもできます。模様をうまく使うことで様々な表情を引き出すことができます。

 

 

 

 

「グリーン オニックス」のまとめ

大理石は、建築や芸術品などの材料とする石材としての名称で、学問上では大理石と言う石はありません。学問上では「結晶質石灰岩」と言われる石がほとんどですが、緑色をした蛇紋岩や瑪瑙の一種であるオニキスも大理石と称される事があります。

英語でマーブルと表しますが、「輝く石」と言う意味の古代ギリシャ語が語源と言われています。古来より美しい表面を引き出せた石材は、神殿や宮殿を飾るために珍重されてきました。「グリーン オニックス」も、その役目を果たしてきた石材の一つと言える素晴らしい石材です。

2022年11月のしらべ

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