G386 中国カパオと呼ばれる赤御影のご紹介

G386のしらべ

中国産の御影石は番号が付いていて、最初の数字は産地を表しています。ナンバーズ・グラニットと呼ばれているので、似た色の御影石を間違えることはありませんが、商業的には味気ない物を感じます。そこで、他の国で採石されている御影石で似た色の石の名前を借りる事があります。「G386」はブラジル産御影石の「カパオ・ボニート」に似ていることから「中国カパオ」と呼ばれることもあります。

「G386」の原産地

御影石の「G386」は、中華人民共和国の東部中央に位置する山東省で採石されています。中国は大変古い歴史の有る国で、十四世紀から十七世紀にかけて栄えていたのが、明(みん)の時代です。その時代に長編小説として確立された物語が「水滸伝」です。その舞台に設定されていた場所が山東省にあります。物語の中心的場所が「梁山泊(りょうざんぱく)」と言う広大な沼沢地に設定されていて、山東省の中央部に位置していました。「水滸伝」の「滸」は「ほとり」と言う意味があり、「水滸」は、「水のほとり」を表しています。日本に入ってきたのは江戸時代で、中国で書かれた小説を翻訳した伝奇小説の草分け的存在の物語です。「西遊記」などと並ぶ中国三大奇書の一つに挙げられている物語なので、小説を元に様々なドラマや映画も作られています。数年前には中国で新しいドラマを撮影するために、日本円で数十億円をかけて舞台となる街が作り上げられました。現在では、テーマ―パークの「水滸伝パーク」として観光客に開放されています。

「G386」の特徴

本磨き

 

ジェットバーナー仕上げ

「G386」は中国産の赤御影石の代表的な石材と言われています。南米のブラジルから産出している「カパオ・ボニート」によく似ている色と石目をしています。御影石の赤と言うのは深紅ではなく、赤茶色をしたものが大半を占めています。これは含有鉱物の鉄分が溶け出して酸化した、いわゆる錆の色がほとんどです。構成物質の長石がこの錆に染まって赤い色を出しています。また、含有するカリウムが多いと長石は赤くなる性質があります。石目は中くらいで、グレーと白い結晶が混じっています。「G386」は、基本的に赤い御影石ですが、赤い部分の量に大きく違いが出る事があります。赤い所が多く、白やグレーの粒が少ないものは全体が濃い色合いになります。赤い部分と白やグレーの部分が同等に入っているものは、まだら模様のような柄が見られるようになります。有色の部分が赤茶色から黄色っぽくなる色味の違いで、「G386」の後に数字を付帯して分けている場合もあります。現在、G386-7は閉山となりましたが、G386-8は稼働しております。

表面の仕上げについて

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

 

留意点

御影石は自然の産物であることを念頭に入れる。

御影石の「G386」は比較的濃い有色の石材です。石目も中くらいで、柄はあまり大きくありません。このような御影石の場合、採石された場所や時期によっては色が若干変わる事があります。地表に近いところから採石されたものと、地中深くから切り出されたものでは色の濃さも違ってきます。「G386」の様な赤系の御影石では、深い所から採石されたものは黄色味を帯びてきます。このように色が変わるのは自然の産物ならではの特徴とも言えますが、広い場所や、追加で石材を購入する際には注意が必要になります。

 

足元の安全の為に

御影石の表面処理にはいくつかの工法があります。「G386」のような濃い色合いの石は床材や階段の踏み板部分など、足元に安定感を与える事ができる色合いの石と言えます。しかし、石の特徴がよく現れる鏡面加工にされると、水に濡れると非常に滑りやすくなります。歩く人の安全の為にも、表面の加工には滑りにくい方法を選んでください。

「G386」に適した製品

劣化や風化に強いので、屋外や床面に使う事ができます。

 

床や階段

御影石の「G386」は比較的濃い赤い色をしているので、床一面ではなく部分的に使われることがあります。白やグレー等の薄い色と合わせることによって、お互いの色をよりよく引き出すことができます。床に使われる時は、歩く人の安全のために表面にザラつきを持たせた加工が施されます。しかし、ツヤを抑えた加工になると、色が薄くなる傾向にあるので、一部を鏡面加工にすれば1枚の石材で模様を持たせるようにもできます。

ガーデニング

サイコロ状の石材を多数組み合わせて、花壇の仕切りなどに使う事ができます。また、板状の御影石を使い、踏み石や飛び石に利用されます。最近では加工技術や機械の性能も向上しているので、石製のオブジェも小型でポップな感じの物がたくさん作られています。「G386」の赤茶の色はアースカラーと言えるので、お庭の雰囲気をアップさせる素材となるのではないでしょうか。

386」のまとめ

御影石が出来上がるのは数億年から数十億年と言う、気の遠くなるような時間がかかります。その中でも有色の石は様々な偶然が組み合わさって色が決まります。赤い色の「G386」は、長い時間と奇跡の様な自然の偶然で出来上がっている地球の贈り物と言っても過言ではないのかもしれません。このような素晴らしい素材は、まだまだ新しい使い方も考えられるのではないでしょうか。

参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)

300角…9290円
400角…9290円
300×600…9299円

2022年12月のしらべ

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