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山西黒(Shanxi Black)のしらべ
中国産御影石の中で、最もポピュラーな黒い御影石をご紹介します。中国内陸部の山西省に石切り場がある山西黒(さんせいくろ)と言う御影石です。黒御影石と言えば今までベルファーストやジンバブエなどが主流でしたが、南アフリカなどで採掘される黒御影石よりも安価なため日本でもよく使われるようになり、今では一番使われている黒御影石です。山西省で採掘される黒御影石なのでサンセイクロと呼びます。
原産地
中華人民共和国の内陸西部に山西(さんせい、シャンシー)省があります。宇宙からも見える万里の長城の南側一部に接している地域です。鉱物の埋蔵量が多く、昔から鉱山業の栄えた土地です。特に石炭の埋蔵量が中国国内の約五分の一とされ、産出量は四分の一を占めています。山西省にあるほとんどの地区に炭鉱があることが、それを証明しています。また、古くから鉄の産地としても知られています。現在では、それらの鉱物を利用した自動車や重機製造などの重工業が盛んに行われています。
特徴
中国産の黒御影石の中で一番よく使われている黒い御影石です。黒雲母を基本とした石で、石目の小さい均一な結晶を持ちます。吸水率は低いのですが、硬さが若干落ちるようです。また、稀にゴールドスポットと呼ばれる金色の粒子が入っている物もあります。生産量は多いのですが、丁場で品質の良し悪しの差が出ます。その結果、石材のランクに幅が出てきています。非常に良い石材と少し劣る石があると言うことです。ヨーロッパ産などに比べて価格が低いので使用量が多く、その為大量に採石しているので、最近では全体的に昔ほど良い品質のものが産出されなくなっています。
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
留意点
黒は汚れが目立ちます。
特に鏡面加工の製品が屋外に使われているときは注意が必要です。最近の酸性雨や排気ガス等で、汚れがひどくなることがあります。経年劣化が少し劣る石材なので、長い年月風雨にさらされていると、うろこ状に剥がれるような状態になることもあります。汚れが付いたら早めにお掃除をすることをお勧めします。また、ツヤ消しの加工の場合でも元が黒い石ですので、他の色よりはホコリなどの汚れが目立つようになります。
適した製品
硬さが若干落ちると言うことは加工がしやすいです。
記念碑や銘版
基本的に御影石は季節変化などに強いので、屋外に設置してある記念碑やモニュメント、企業の銘版に使われます。黒い色は高級感があるので、イメージが高くなるようです。加工も比較的容易ですからデザイン性の高い製品が作り出されています。
置物
最近はおしゃれな小物も作られています。黒い色ですので、ツヤの有り無しで模様も作れます。庭先に置く動物などを模したかわいいオブジェや、もう少し小さめの部屋に飾る置物など、多様な製品が作り出されています。LEDライトを使った照明に使うスタイリッシュな器具もたくさん作られています。黒い色ですが、デザインによっては暗いイメージでなく、お洒落な空間を作り出すためのよいアイテムになりますね。
まとめ
中国産の黒御影石の代表と呼ばれる山西黒です。黒い御影石は価格が少し高いのですが、山西黒はその中でも割と普及的な値段で、日本にもたくさん輸入されています。高級感がある割には求めやすい黒御影石です。様々な所で使われているのを目にすることも多いのではないでしょうか。
参考価格(㎡単価、消費税別、運賃別)
本磨き、ジェットバーナー仕上げ共
300角…9600円
400角…9600円
300×600…9600円
600角…18000円
2019年3月のしらべ