テキサスピンク(テキサスパール)アメリカ産ピンクの御影石のご紹介

テキサスパール(Texas Pearl)のしらべ

北アメリカ大陸の中央部には、南北に連なるグレート・プレーンズと呼ばれる大平原があります。台地状に肥沃な土地が広がるグレート・プレーンズの南端から、大地の色を写した御影石が採石されています。太陽の光を受けてきらめく「テキサス・パール」をご紹介します。

 

「テキサス・パール」の原産地

アメリカ合衆国のテキサス州は広大な面積を抱えていて、その広さは日本の約二倍相当あります。州のほぼ中央に位置する、バーネット郡のグラニットショールズと言う町に「テキサス・パール」の採石場があります。州都オースティンの北西約50㎞でコロラド川にあるリンドン・B・ジョンソン湖の畔にある町です。この湖の以前の名称は町の名前と同じくグラニットショールズ湖でしたが、20世紀中頃の大統領にあやかった名称に変更されました。グレート・プレーンズ南端のエドワーズ高原に位置するこの町の経済は、名前が示す通り花崗岩の採石が主な産業として担っています。町の名前のグラニットは花崗岩の事で、ショールズとは浅瀬や砂洲を表す単語です。単独の自治体としては新しく、1966年に広範囲にわたる地区の1地区から独立した自治体として、住民の投票によって決まりました。町としての歴史は浅いのですが、これから発展していく要素がたくさんある町となっています。

「テキサス・パール」の特徴

本磨き

 

ジェットバーナー仕上げ

「テキサス・パール」は、アースカラーと言われる茶色系または、ピンクの御影石です。ピンク色から赤茶色と濃いグレーの入り混じったような地色に白っぽい部分も混ざっています。「テキサス・パール」の一番の特徴は、大き目のピンク色をした塊が見える事です。このピンク色は、ありふれた鉱物の一つで、長石類の中のアルカリ長石(カリ長石とも言います)の色です。たいていの御影石は小さな粒子の集まりの様で、砂を固めたような見かけになる石が多いのですが、「テキサス・パール」には透明感があり、柄は大きめで華やかな雰囲気を持っています。御影石のほとんどが花崗岩で、基本的な構成鉱物の石英と長石と黒雲母から成り立っています。この中の石英がグレーの透明の物質で、光を反射して真珠のようにキラキラと輝きます。また、黒雲母の小さな粒子が点々と入っている事で、石全体の色合いが引き締まる感じになっています。石質は安定していて、良質の石材が産出されています。

「テキサス・パール」を取り扱う時の留意点

柔らかめの色ですが、天然の石は硬いのです。

キッチンや食器棚の天板に使われることがありますが、気をつけなければいけない点があります。食器は基本的に陶器やガラス製品が多く使われています。御影石の天板はステンレス製等に比べると、なにげなく置いたお皿などが欠けたり割れたりする可能性が高くなります。天然石は硬いと言う事は当然の事のようですが、意外と気にしていないものです。ずっと使い続けていると慣れてくるようですが、初めて御影石の天板を使う時には細心の注意が必要となります。しかし、御影石のキッチンは、このような煩雑さを上回る素晴らしい設備となるのではないでしょうか。

色合いと名称について

「テキサス・パール」は大き目の柄が特徴的ですが、大きく見える長石の色によって雰囲気が変わる事があります。カリ長石の色がピンク色をしている石材は「テキサス・ピンク」とも呼ばれます。また、黒い粒子の入り方によってもイメージが違う事もあります。自然の産物なので、このような色合いの違いがある事を念頭に入れて利用してください。

表面の仕上げについて

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます

「テキサス・パール」に適した製品

温か味のある空間に仕上げられます。

ガーデニング用品

「テキサス・パール」の大地の色合いがお庭のオブジェなどに似合います。花や低木の樹々を植えた隙間などに、御影石製の置物や照明器具を置くと、お庭のイメージが一段とアップすることでしょう。デザイン性の高いものや、かわいい動物などを模した製品が多く作られています。また、様々なサイズのベンチなども作られているので、お庭でのティータイムも楽しめるのではないでしょうか。

キッチンやダイニングの調度品

天然石のキッチン天板やテーブルのトップは高級感があり、あこがれの調度品ではないでしょうか。「テキサス・パール」は、石材の持つちょっと冷たいイメージを払拭する暖色が特徴で、大きめの柄と相まって明るい雰囲気を作り出せます。緻密な石材ですので、お手入れも比較的楽にできます。「テキサス・パール」は華やかな空間を作りあげ、グレードをアップさせる良いアイテムとなるでしょう。

「テキサス・パール」のまとめ

昔から欧米では一般の家屋は石造りが多かったので、調度品も石材を使ったものが多く作られてきました。日本の家屋での石材使用は基礎や敷石などが主な使い方でした。最近では、調度品やお部屋の飾りとしての置物など様々な製品が作られています。これからも、「テキサス・パール」の色と大きめの柄を生かせる、新しい製品が次々と作り出されていくのではないでしょうか。

2022年12月のしらべ

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