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「オマーン アクロス エイジズ 博物館」のご紹介
アラビア半島はほとんどが乾燥した気候で複数の砂漠も存在していて、不毛の地の様相を呈しています。そのような荒れ地に見える大地に美しい模様が描き出されている場所があります。半島の隅に近い所に建設された施設は、世界で最も美しい博物館と称されています。「オマーン アクロス エイジズ 博物館」は、幾何学模様が美しい庭園に囲まれた博物館です。
「オマーン アクロス エイジズ 博物館」の設計者
「オマーン アクロス エイジズ 博物館」のデザインと設計を手掛けたのは、オーストラリアの建築事務所、「コックス・アーキテクツ」です。この事務所は、1939年にオーストラリア最大の都市、シドニーの北に位置するキラーラと言う町で生まれたフィリップ・サットン・コックスが開設しました。彼は、幼いころから建築に興味を持っていましたが、中等教育を終える頃まで真剣に将来の道を考えることはなかったようです。中等教育を終える間際になって本格的に建築家を目指そうと決め、学費は国からの奨学金で賄うことにしました。大学を卒業してから5年間は、建築家としての基礎を学びながら経験を積んできました。1967年に独立して、建築事務所「フィリップ コックス アンド アソシエイツ」を開設しました。多くの仲間を得て大きくなった事務所の名前を「コックス・アーキテクツ」と改名して、現在はオーストラリアを代表する企業へと成長しています。この事務所は、学校や博物館、美術館など公共の施設を多く手掛けていて、当該の施設や建設地の意味や意義を考慮したデザインを心がけることを重要と考えています。オーストラリアを始め世界中にこの事務所が手掛けた建築物があり、中東のアブダビとドバイにもオフィスを構えましたが、2015年にフィリップ・コックスは第一線を退いています。彼は、大学卒業後に初めての賞を受賞した後にも数々の建築賞を受けています。そして、1988年には国からの勲章を授与されています。
「オマーン アクロス エイジズ 博物館」の所在地
「オマーン アクロス エイジズ 博物館」は、アラビア半島の南東に位置するオマーン国のニズワと言う名の街の近郊に建設されました。この国は、アラビア海とペルシャ湾に通ずるオマーン湾に囲まれていますが、国土の大半は乾燥した気候になっています。ニズワは、オマーン湾に面している首都のマスカットから南西へ約140kmに位置していて、およそ1,500年前に栄えた国の首都も務めていた歴史がある、国で最古の都市の1つです。国の北部に横たわるハジャル山脈の南側の麓に広がっていて、オアシスの街として交易の重要な拠点となって栄えてきました。年間を通して暑く乾燥した気候ですが、古代の灌漑構造によって常に水が供給されています。ファラジと呼ばれる灌漑用の水路は数千年前に建設されたと言われていますが、正確な建設開始時は分かっていません。アラビア半島に広く繋がっている3,000以上の水路は現在も使用されていて、ユネスコの世界遺産にも登録されています。ニズワの街でも水路は活用されていて、古くから果樹の栽培が行われています。交易の中心でもあったことから、ニズワ・スークと呼ばれる市場があり、観光の名所にもなっています。特産品としてはナツメヤシや、様々な意匠を凝らした陶器や壺などがあり、カンジャルと呼ばれる細工を施した伝統的な銀の短剣もあります。この市場は品物の売り買いだけでなく、社交の場として現在も機能しています。
「オマーン アクロス エイジズ 博物館」の特徴
2023年に開館した「オマーン アクロス エイジズ 博物館」は、建物とその周辺に造られている庭が調和した美しい外観の施設です。幾何学模様を主体としたアールデコを思い起こさせるような庭園から、周囲に聳える山脈と渓谷を題材にした印象的な建物が立ち上がっています。山々の形を印象付けるために、鋭い鋭角を代表に各所に三角形が用いられているデザインになっています。大きく張り出している鋭角の部分は、柱で支えていない構造になっている為、ひし形を多用した鋼鉄製の骨組みにして強度を上げています。このような構造になっていることから、館内はとても広く、最大で100m以上の広い空間に柱が設置されていません。外壁には、近隣で採石される大理石などが使用され、周辺の乾燥した土地の中に白く浮かび上がっているように見えます。外壁に使われた石材から出る廃材は、庭園の舗装などに使用され、廃棄が出ないようにされました。人工空調を極力使わないで、館内の温度を一定に保つ為に様々な工夫が凝らされています。日中はとても高温になり、夜間には気温がかなり下がる乾燥地帯の気温差を利用するために、蓄熱材が使用されています。また、傾斜した屋根や壁も室内温度や明るさを保つために配慮されています。朝日の直射日光を遮るように東側は低く、西側には傾斜した壁に下向きの窓が取り付けられ、直射熱を防ぎ自然光は取り入れられるようになっています。加えて、高さが25mもあるガラス壁には暑さが6cmで4層になったガラスが使われています。
「オマーン アクロス エイジズ 博物館」のまとめ
「アクロス エイジズ」とは簡単に訳すと「歴史」を意味しています。オマーンの古代から現在に至るまでの長い年月を紹介しているのが「オマーン アクロス エイジズ 博物館」です。オマーンの古い建築物や周囲の自然の姿を取り入れてデザインされた「オマーン アクロス エイジズ 博物館」は、その収蔵品にふさわしい外観を誇っています。
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