目次しらべ
大理石を注文するときの注意点
大理石は高価なものなので石材業者さんから直接安く買いたいと誰もが考えることですね。
その時の参考にしてください。
実際大理石を石材業者さんに直接注文したい時、石材業者さんにはどの様に頼んだらいいいのでしょうか?
初めて頼もうとする前に、大理石について最低限のことは知っておきましょう。
日本に輸入されている大理石の形状
原石(ブロック,Blocks)
原石とは写真のように石の塊のまま輸入されている石材です。
しかし原石の購入というのはリスクが高いです。
原石で購入しても石材の中のクラック(ひび割れ)などは保証がないので、一般の方が原石で購入することはお勧めできません。
スラブ材(スラブ,Slabs)
写真のように原石から板材にしたものです。
通常表面は本磨きで仕上がっている場合が多いです。
石種によってスラブの大きさは異なります。
下記寸法が一つの目安となります。
縦 約1500~2500mm
横 約2500~3500mm
厚 20、25、30、40、50、60、80、100、120、150mm
規格品(石材タイル,Stone Tiles)
スラブ材からタイル状にカットしたものです。
下記寸法で輸入されているものが多いです。
300×300×10
400×400×10、400×400×13、400×400×15
300×600×13
400×600×15
600×600×20
400角は石種によって厚みが違います。
現地で加工するので±0.5mmの誤差はあります。
表面は本磨きで糸面を取っていますが、工場によっては糸面の太さが1mmくらいのものや2mm近くなっているものもあります。
300角は10枚、400角は4枚や5枚などダンボール箱などに入っています。
ダンボール箱が40個くらいで1つの木枠に梱包されています。
その木枠梱包は輸出入の時にクレート(Crate)と呼ばれています。
規格品は現地で梱包されるため日本ではダンボール箱の単位で販売するところが多いです。
1枚だけほしい場合は困りますね。
注文するときの情報
輸入されている大理石の形状がわかったところで、石材業者さんに注文するときのチェック項目です。
大きさ
大理石は通常1mm(ミリメートル)単位で注文します。
縦45.5cm、横60cmの石材を注文する時には455×600と言えばすぐにわかります。
もちろん45.5cm×60cmでもわかりますが電話、FAX、メールでの注文はmm単位にした方が間違いにくいでしょう。
厚さ
大理石の場合は必ず石の厚みのことを考えなければなりません。
大理石のオーダー品は石の厚みで価格は大きく異なります。
通常大理石の規格品の厚みは決まっています。
300角・・・10mm
400角・・・13mm、15mm
600角・・・20mm
600角以上のオーダーサイズで注文するときの厚みは20mmが一般的です。
オーダーサイズの場合はスラブ材と呼ばれる大きな板材から加工します。
スラブ材の厚みは20mm、25mm、30mm、40mm、50mm(50mm以上も石種によっては輸入されている)と石種によっては色んな厚みの石材が輸入されています。
大きいサイズで20mm以下に厚みを削ることも可能ですが別途費用がかかります。(大きさにもよりますが薄く削っても15mmくらいが限度と思っていいでしょう。)
1、石厚10mm
300×300以下の大きさなら厚み10mmがお勧めです。
何故なら300角の規格品からの加工であれば規格品の価格と加工代だけでいいのです。
(300角の規格品の厚みは通常10mm厚です。)
(規格品の在庫を確認してください。)
2、石厚13mm
400×400以下の大きさなら厚み13mmがお勧めです。
何故なら400角の規格品からの加工であれば規格品の価格と加工代だけでいいのです。
(400角の規格品の厚みは通常13mm厚です。)
(400角の規格品の中には数少ないですが15mm厚の規格品もあります。)
(規格品の在庫を確認してください。)
3、石厚20mm
600×600以下の大きさなら厚み20mmがお勧めです。
何故なら600角の規格品からの加工であれば規格品の価格と加工代だけでいいのです。
(600角の規格品の厚みは通常20mm厚です。)
(規格品の在庫を確認してください。)
4、石厚20mm(600角より大きいサイズ)
スラブ材と呼ばれる大きな板材は輸入される時に20mm厚で輸入されるものが多く石の大きさは石種によって異なりますが、およそ縦1500〜2500mm、横2500〜3500mmくらいだと思っていいでしょう。
安価に作るなら20mm厚ですね。
5、石厚30mm以上のオーダー品
製品を豪華に見せたいときや割れにくくしたい時には厚みの厚い石を使うときが多いです。
30mm厚や50mm厚のテーブルや、玄関框などは100mm以上の厚さの石材を使用することが多いです。
納品先
石材は重いので運送費が高くつきます。
そして1階軒下渡しが基本となっており、枚数が多いと前もってユニック車を指定したり荷下ろしのための人手が必要となります。
それ以外にオーダーサイズの製品は別途梱包費やパレット代とかの費用もかかります。
見積り依頼の際には納品先を伝えて運送方法も確認しましょう。
色や柄
大理石は特徴のある色や柄が入っているものが多く、それが豪華に見えたり、美しく見えたりします。
日本では大会社のビルのエントランスや高級ホテルのロビーなどで大理石が使用されるとき、壁に張ってある大理石の柄がものの見事にそろっているところが多いです。それはスラブ材から柄を合わせて切断してある大理石なので、規格品の大理石とは大きく違います。
ご覧になったようにスラブ材から柄合わせで製作した大理石を張った場合と、規格品の大理石を張った場合とは全く違った結果になります。
スラブ材から柄合わせする大理石は当然高い価格になってしまいます。
予算がなくて規格品を使用する場合は柄合わせは不可能で、同じような仕上がりを求めるのは無理があります。
せめて規格品を使用して色合いだけでも出来るだけ揃えたいという方は、必要枚数の2倍か3倍の量を買って自分の好きな大理石を選別するしかありません。
大理石に関して、予算を抑えて色柄を揃えるということは、困難だということです。
しかしガッカリすることはありません。
元々日本では大理石を使った建物の文化の歴史は短くヨーロッパとは違います。
本場イタリアではどうでしょうか?
参考になるかどうかわかりませんが、このバラバラの外壁は日本人が好んで使用するとは思えません。
しかし大理石の産出される国で育った人たちは、大理石を積んでいくときにやり替えるとかやり直すとかの風習がありません。
天然の大理石というのはこのような物なのだと、はるか昔から認識しているからです。
日本では日本人らしい大理石の使い方はあるかもしれません。
しかし天然の大理石を少し理解するだけで、規格品の色ムラは気にならなくなるかもしれません。
破損
大理石は割れやすいので破損はつきものです。
大理石の注文を納期ギリギリで発注すると、届いたときに破損していることがよくあります。
工場や倉庫から出荷するときには、もちろん破損した大理石をそのまま出荷することは考えられません。
運送途上での破損が大半だと思われます。
その場合保険適用とかで商品の再発送はしてくれるのでしょうが、その日に到着することはまずありえません。
大理石の割れ欠けは日常茶飯事だと思い、十分に納期は見ておいたほうが良いでしょう。
まとめ
大理石は天然の鉱物なので色や柄も不揃いなものが多いです。
しかし床や壁に使用すると豪華に見えることは間違いありません。
ピザ台やテーブルにも人気があり、最近ではペット用のクールマットでも人気があります。
大理石の特徴などを十分に理解したうえで、まだ大理石に接したことのない方は一度接してみてはいかがですか?
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