建築石材のクレーム(Claim of building stone)

シェアする

建築石材クレーム(Claim of building stone)のしらべ

建築石材にはクレームが付き物です。
建築業界は石材だけでなくクレーム産業と呼ばれているほどクレームが多い業界です。その中の石材のクレームを調べてみます。

石材のクレームは大理石のクレームが一番多いようです。

実際、石材のクレームにはどのようなクレームがあって、どのような対処方法があるのでしょうか?

建築石材クレームの種類

ひび(クラック)

ひびとは大理石に本来あった肉眼では見えないようなひびが、汚れや鉄分などによって目立つようになってくる現象です。

またひびのように見えますが、寒水と呼ばれる結晶の筋が走っていることがありますが、これはひびではありません。

【特に多い石種】
ペルリーノロザート、ペルリーノキャロ、ボテチーノクラシコ、ボテチーノフィオリート、ネロマルキーナ、エンペラードールダーク、エンペラードールライト、ロッソアリカンテ、ティノスグリーン、セルペジャンテ、トラバーチンなどの大理石

【対策】
補修業者による表面補修 → かなり目立たなくなります。

欠け、割れ

欠け割れとは、運送途上などで石材の角が欠けたり、割れたりすることです。
石材で一番多いクレームかもしれません。

【対策】
商品の石材が到着直後に開梱して破損が判明した場合、運転手に破損の確認をした後、販売者に連絡して交換してもらいましょう。

この場合販売者は、破損の原因が倉庫出荷時か運送途上か原因がどこにあろうが関係なく、交換もしくは返金に対応すべきだと思います。
ただし破損のため商品の到着が遅れたことによって損害が出た場合の責任は、販売者には無いと思ったほうがいいでしょう。

また石材到着後、数日経過して破損が判明した場合、破損の原因がたとえ運送途上で破損していたと予測されても、販売者に責任を押し付けるのは難しいです。
なぜなら購入者は到着時の商品確認を怠ったからだと言えます。

ここで重要なのは到着後の日数です。
商品到着後確認する暇がなく、2~3日経過してから破損がわかった場合は、補填してもらえないのでしょうか?ということもよく聞きます。

しかし販売者からすると運送会社の保険は適用されることなく、補填するなら自社で補填するしかないのが現状でしょう。

その場合、破損の原因が運送途上かどうか特定されないまま、ただ補填だけする販売者は無いと思っていいでしょう。

【結論】
購入者が商品到着時に確認すれば、どちらに責任があるか一目瞭然なので必ず確認されることをお勧めします。
もし商品到着時に破損の確認出来ないのであれば、買わないことです。
それでも買うのなら破損は自己負担と決めて買うか、倉庫か工場まで引き取りに行くことをお勧めします。

ピンホール

ピンホールとは、石材の表面に針でつついたような穴があることです。

そもそも石材には細孔と呼ばれる細かな穴が無数にあります。
細孔とは岩石の内部に閉じ込められた水分が蒸発して出来たものだと言われています。
細孔には石の内部に小さい穴があり外部に通じてない状態(閉孔)のものと、外部に通じている状態(開孔)のものとがあります。
その外部に通じている状態(開孔)の大きなもので、目に見える穴をピンホールと呼んでいます。
そしてピンホールは補修してある場合が多いです。

【特に多い石種】
ビアンコカララ、タソスホワイト、シベックホワイトなどの大理石

【対策】
補修業者による表面補修 → かなり目立たなくなります。

エフロ

エフロレッセンス(efflorescence)とは白華現象のことで、大理石を外部の床などにバサモルタルで施工した後に現れることが多い現象です。内部の床でも下地のモルタル部分にどこからか水分が浸み込んでくると現れることがある現象です。

【エフロの原因】
雨が降って大理石が濡れ、下地のモルタル部分にまで浸み込んで、その後乾燥してくると、モルタルの中のアク(灰汁)が水分と一緒に表面に出てきます。その時水酸化カルシウムが空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムになります。その炭酸カルシウムが石材の表面に白い粉のようになって噴き出てきます。それをエフロと呼んでいます。

エフロは石材がずっと濡れた状態や、ずっと乾いた状態の時は現れません。石材が濡れたり乾いたりした状態を繰り返すと、現れることがあると思っていいでしょう。

【対策】
補修業者による表面研磨でかなり目立たなくなります。
その後表面の保護剤を塗布するのがベターですが、またエフロが出る可能性は高いです。
エフロの枚数が少ないと張り替えたほうが早い時もあります。
大理石を濡れたり乾いたりするところに、モルタルで施工する時には専門業者と相談してから施工したほうがいいでしょう。

色ムラ

石材の色ムラは規格品の大理石などを張った時に、隣の石と色の濃淡や柄が極端に違ってたりすること。

【色ムラの商品】
色ムラのクレームで最も多いのは、規格品を使用した時でしょう。
まず石材の規格品とは何かを知る必要があります。

【規格品の製造工程と色ムラの原因】
石材の規格品とは、石材を300角とか400角とかに加工したものを箱に詰め倉庫に置いて、いつでも出荷できる状態の石材のことです。
(規格品には300角、400角、600角、300×600、400×600などがあります。)

規格品は海外の原産地近郊の工場で製造されているものがほとんどです。

海外で製造される規格品は、精度のいい製造機械を使用しているところが多く、寸法誤差や厚みの誤差はほとんどなく、製品の寸法精度に問題は無いと思っていいでしょう。
しかし規格品は大量に製造するため沢山の原石を使います。石材は原石ごとに色や柄が違うと思っていいでしょう。
その色や柄が違った原石から製造される規格品を、現地の人が箱詰めします。
箱詰めするその時に色や柄の違った商品が混入するのです。
この箱詰めする時に色ムラの無いように箱詰めすることは現在も非常に困難です。もし石材を色ムラの無いように選別して箱詰めするのなら、コストが大幅にアップして価格面で需要がなくなるでしょう。

【規格品の需要と特徴】
そもそも日本で規格品の需要が高まったのは、1980年代からです。
当時石材を使用するのにスラブ材からの加工品しかなく、石材は高価だが納期はかかるというのが常識でした。
時代は高度経済成長時代からバブル時代へと向かう頃です。
予算はあるけど、納期がないというのがネックでした。
当時は即納体制にあるイタリアンタイルなどが主流で、石材を使いたくても納期がかかるので使えないというのが実情でした。

その納期の問題を解決したのが規格品です。
デパートや店舗の改装など、短期間で工事を終わらせないといけない現場に石材が使われるようになりました。

規格品は納期は即納で、価格も安価です。
だからバブル崩壊後も価格が安いということで需要は落ちませんでした。

ただし規格品には色ムラがあります。このことを忘れてはいけません。

【対策】
補修業者による染色 → かなり目立たなくなります。
(壁はいいけど床だとまた染色の色落ちがあります。)
補修業者が補修できない場合は張替えしかないでしょう。