ピエトラドラータ イタリアの黄色い砂岩のご紹介

ピエトラドラータ(Pietra Dorata)のしらべ

自然は時としていたずらかと思われるような物を作り出すことがあります。イタリアで切り出されている砂岩の「ピエトラ ドラータ」は、まるで木材のような色と模様のある石材です。遠くから見ると、木の板と見紛うくらい似ている石です

「ピエトラ ドラータ」の原産地

イタリア共和国の北西部に位置するティレニア海に面したトスカーナ州に、マンシアーノ(または、マンチャーノ)と言う町があります。
州の北部には世界的にも有名な白い大理石を産出するカッラーラがあり、「ピエトラ ドラータ」を採石しているマンシアーノは州の南の端にあります。

ヨーロッパの各地には、石器時代の遺跡が見つかっている所がたくさんありますが、この町にも旧石器時代の遺跡があります。町の中心部には12世紀に建てられた要塞があり、現在は遺跡から発掘された遺物などを展示する博物館として利用されています。

豊かな自然のある場所で、フィオラ川の流域には自然保護区も設定されている地域があります。カワウソやヤマアラシ、オオカミなどの動物や、フクロウ、アオサギなどの鳥類もたくさん生息しています。

また、トルコの世界遺産にも登録されているパムッカレに似た石灰質の温泉があり、石灰華段丘(せっかいかだんきゅう)を構築しています。
40度を少し下回る温度なので、白い石灰棚と透き通るような青い温泉はスパリゾートとして人気があります。

「ピエトラ ドラータ」の特徴

本磨き

イタリア語でピエトラは石を、ドラータは黄金を表す単語で、「ピエトラ ドラータ」を直訳すると「黄金の石」となります。
この石の一番の特徴は、砂岩としては珍しく模様がある事です。
線のような模様が木目に見え、中には木の節のような形になった模様もあります。色は、黄金の名前の通り基本的には黄色系が多いのですが、黄土色や茶系、赤味を帯びたものもあります。

このような色と流れるような模様があるので、木材の板のような見た目になります。木の年輪や、砂漠や海岸の浜辺に見られる砂紋(さもん)のような模様は、グラデーションを作り出す色の濃淡が見られます。

砂岩はどんなに磨いてもツヤのある表面を導き出すことはできませんが、比較的平らにするいくつかの加工方法があります。
スラブと言われる大きいサイズの石材が平らな表面にされている場合には、流れ模様のある大理石のようにも見えます。
砂岩の中でも、砂粒の小さい緻密な部類の石種なので、利用できる場所の選択肢も広がります

「ピエトラ ドラータ」を取り扱う時の留意点

色や模様について

砂岩は基本的に模様の無い物が多く、色も均一な石がほとんどです。
しかし、「ピエトラ ドラータ」は中間色の色があり、大きな模様もある石です。自然が創り出したものなので、全く同じ石は存在しません。

同じ採石場で、同じ頃に切り出された石でも色味や模様の違う石はたくさんあります。このような事を念頭に入れ、特に広い場所に使用する場合には見た目の違いに注意が必要となります。

強度

砂岩は強度が弱い石種ですが、「ピエトラ ドラータ」は比較的緻密な砂岩なので、床にも使えます。

しかし、人が歩く程度なら大丈夫ですが、自動車などの重量物には耐えられない事があり、割れてしまう可能性もあります。
適切なコーティングが施されていれば、屋外でも利用できますが、車が通るような場所の使用は控えてください。

「ピエトラ ドラータ」に適した製品

壁材

美しい模様のある「ピエトラ ドラータ」は、装飾用の壁材として活用されています。砂岩は柔らかい部類の石なので、加工が容易にできます。その為、屋内の壁に使われる場合にはレリーフなどの装飾を施したものも使われています。

しかし、「ピエトラ ドラータ」には比較的大きな模様が現れている石なので、そのままでも十分印象深く、上品な室内空間を作る事が出来るでしょう。

大きなビルの外壁にも利用されていますが、木目を思わせる色と模様があるので、威圧感がなく、親しみやすい外観となります。
外壁に使われる場合には、撥水加工などのコーティングが施されたものを使用する事をお勧めします。

床材

床や階段の踏み板に使われます。色の幅と模様の違いが現れる「ピエトラ ドラータ」ですが、その違いを利用して個性的な空間を演出できます。

木材を彷彿とさせる石なので、温もりのある雰囲気があり、安定感も求める事が出来るのではないでしょうか。
砂岩はツヤのある鏡面加工は出来ませんが、床に使用する場合には、滑りにくくなるので逆に足元の安全性が高くなります。

「ピエトラ ドラータ」のまとめ

「ピエトラ ドラータ」が採石されている地域には、貴重な自然を守るための保護区があります。採石場の間近にもかけがえのない動植物が生息している場所があり、採石場を拡張することができないようです。

もちろん砂岩の「ピエトラ ドラータ」も大自然の恵みには違いありませんが、産業の発展と自然保護は相反するものが多く、これからの課題となっている所がたくさんあります。その為、採石量が減ってきていると言われている「ピエトラ ドラータ」は、砂岩の中でも希少種となってきているようです。
このような価値ある石材は、余すことなく有効活用していけるとよいのではないでしょうか